憲法9条がノーベル平和賞を受賞しなくて良かった

ノーベル平和賞にマララさんら=ノルウェー(時事通信) - Y!ニュース


憲法9条がノーベル平和賞を受賞しなくて本当に良かったです。

日本の安全保障について無責任な立場にある部外者から容喙されることへの不快感もありますが、それよりも大きな理由は、憲法9条にノーベル平和賞が授与されると日本の護憲派の権威主義的かつ観念主義的な平和論にますます拍車がかかり、国民の反発を買い、改憲派が勢いづき、立憲主義の根幹を犯しかねない改憲がなされる可能性が高くなるからです。

日本国憲法の核心は、多数決によっても犯し得ない権利を保障し(人権規定、違憲立法審査権)、多数決に敗れた少数派が将来多数派となる可能性を保障していること、憲法の枠組み自体を多数決原理から守っていることにあります(硬性憲法)。各論にしか過ぎない、9条に固執し、本当に大切なものを失うようなことがあってはならないと思います。

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ヘイトスピーチ規制/差別表現規制は、マイノリティからも表現の自由を奪う!

私は、ヘイトスピーチ規制や差別表現規制に反対です。特定人を名宛人にしないヘイトスピーチ、差別表現に対する規制は、表現の自由に対する重大な脅威であると考えています。

理論的な反対については、以下の記事をご参照下さい。

ヘイトスピーチや差別表現に対する法規制が、特定の集団による恣意的な言論弾圧を正当化するために使われる危険性があることは、以下の、過去記事をご参照下さい。

「集団的人権論」に対する反駁 


もう一つ、現実的な理由を挙げます。

「マイノリティーが不安に脅かされることなく暮らせる自由」を根拠に表現規制を認めると、「日本人が誇りと尊厳を侵害されることなく暮らせる自由」を根拠に、マイノリティーの表現が弾圧されるのは時間の問題です。靖国神社や天皇制に対する抗議活動など、一発でアウトになるのではないでしょうか。

冷静に考えてください、マイノリティーの多くは参政権を有しない外国籍の方々です。立法権へのアクセスでは不利です。多数決で物事が決まる政治の場では、参政権を有するレイシストには勝てません。多数決原理を通じて、少数者の権利が確保されると考えるのは楽観的すぎます。少数者の権利を守るものは、多数決によっても侵害し得ない「表現の自由」以外にはありません。マイノリティーこそ、「表現の自由」を大事にすべきであり、例外を認めることには慎重であるべきです。何故、ヘイトスピーチ規制派は、そのリスクに気がつかないのでしょうか?想像力が不足しているとしか思えません。

それとも、国連が何とかしてくれると思っているのでしょうか?歴史を鑑みるに、日本政府が国連の勧告を重視しているとは思えません(国連からの勧告が不当なことも多いので、一概に日本政府の対応に問題があるとは言えませんが。)。

特定個人の権利・利益を侵害しない表現は規制しない、あるいは、明白かつ現在の危険のない表現は規制しない、という「建前」は、マイノリティーにとってこそ重要なものだと思いますが、どうなんでしょうか?法は、ヘイトスピーチや差別発言について、「発信者」が誰かで区別は出来ないでしょう。それこそ、「性」や「人種」、「民族」等の「属性」に基づく表現行為の制限=「差別」に他ならないからです。これは、憲法14条の平等権に反します。

つまり、ヘイトスピーチ法制は、「発信者」が誰かを問うことなく、「性」や「人種」、「民族」等の「属性」に対するヘイトスピーチについて網羅的に規制するものにならざるを得ません。マイノリティーのマジョリティーに対するヘイトスピーチ、差別発言も規制の対象とならざるを得ないのです。

一例として、「朝鮮人出て行け!」がヘイトスピーチになるなら、「米軍兵士は出て行け!」、「ヤンキー、ゴーホーム!」も理論的にはヘイトスピーチになる筈です。

表現は、マイノリティーにとっても、いや、力の弱いマイノリティーにとってこそ、重要な武器である筈です。ヘイトスピーチ規制や差別表現規制は、マイノリティからも表現の自由を奪うものです。

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児童ポルノ禁止法改正案衆院可決後を見据えた規制推進派の動き

児童ポルノ禁止法改正案は、衆議院において満場一致で可決されましたが、審議の様子からは、規制推進派は、激しい不満を抱いていることが伺われます。規制推進派の怨念は、渦巻き、出口を探しています。

↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓

6/5 衆議院法務委員会 議事録

児童ポルノ禁止法改正案、衆議院法務委員会審議実況

衆議院法務委員会の土屋正忠のコラム
私は漫画の愛好家です。鉄腕アトム、サザエさん、ドラえもん、あしたのジョー、ゴルゴ13などなど人々に夢を与え、励まし、考えさせる〜児童ポルノ漫画は表現の自由に値しない


規制推進派の次なる動きは、どこに向かうのでしょうか。

私の予想は、青少年健全育成基本法案と「わいせつ」です。

青少年健全育成基本法案は、自民党の選挙公約ではありますが、何故、今さら、「わいせつ」なのでしょうか。

青少年健全育成基本法案では、18歳以上の者に対する販売行為等を禁止することは出来ません。ゾーニングだけであり、全面的な内容規制には踏み込めないからです。衆議院法務委員会の論調を見る限り、規制推進派は、児童を性的に取り扱った「過激な」創作物を全面的に禁止したがっていることは明らかであり、ゾーニングでは満足が出来ないのです。


実は、規制推進派は、児童ポルノ禁止法改正案の成立を見越し、次の動きを勧めています。

平成26年5月28日付で、「児童ポルノ問題を考える超党派勉強会」のお知らせが国会議員に配布されています。

呼びかけ人は、
自由民主党 平沢勝栄
公明党 富田茂之
日本維新の会 中田宏
の3人です。

このチラシの記載は、以下のようなものです。

我々3党有志は昨年5月、単純所持の禁止等を内容とする『児童ポルノ禁止法改正案』(議員立法)を通常国会に提出しました。この改正案(註:平成26年6月4日に撤回された創作物規制に関する調査研究規定を含む旧案)は、我が国の児童ポルノ問題の実情と児童の権利の擁護に関する国際的動向を踏まえたものでしたが、成立に至らず継続審議となりました。この問題に関しては、表現の自由との兼ね合いから規制に慎重な意見が存在しますが、他方殆どの先進諸国では我が国より厳しい規制をかけていることも事実です。そうした中で、この度、駐日アメリカ大使館よりアメリカ本国から専門家が来日するので、同国の規制の実情を是非知って欲しいとの連絡がありました。国会終盤でご多忙のところ恐縮ですが、我が国の今後の規制の参考にするため是非ご出席くださるようお願い致します。

公明新聞の6月5日の記事によれば、

改正案は自民、公明、維新3党が昨年の通常国会に提出。その後、民主、結い両党を含めた5党実務者が改正案の修正協議を行い、5月22日には大筋で合意していた。

とあります。つまり、この勉強会の呼びかけが出た時点において、呼びかけ人たちは、旧案は撤回され、今回、可決された改正案が委員長提案で採決されることは分かっていたのです。

この勉強会は、今回の改正案可決後の「次」を見据えたものであることは明らかです。

勉強会の呼びかけ文には、「表現の自由との兼ね合い」という言葉が使われていますが、「冤罪」や「警察権力」の様な刑事司法の適正さの観点から疑問を呈する言葉は使われていません。

海外のメディアの論調を見ても、「日本はようやく児童ポルノの所持を違法にした」と強調する一方で、アニメや漫画は既成の対象から外れたと報じています。


故に、今回成立した、「自己の性的好奇心を満たす目的」に関する規制をより徹底的な「単純所持」規制に強化しようという動きではないと思います。

アメリカにおいては、「実在しない児童を利用したポルノ」の規制には、「わいせつ」概念が利用されています。
アメリカの「わいせつ」概念と日本の「わいせつ」概念は、全く異なるものですが、「性道徳」を保護法益とする点では、共通しています。

「児童を性の対象とすること自体が性道徳に反する。」という論理で、「わいせつ」の概念を拡張し、児童の人権保護ではなく、「性道徳の維持」を目的とした新規立法を目論んでいるというのが私の予想です。

アメリカのわいせつ規制は、日本のように性器部分の「消し」の有無、濃淡、大きさを問題にするような単純なものでもありませんし、価値中立的なものでもありません。作品全体のコンテクスト、文脈から判断されることになります。

新たな「わいせつ」規制は、従来の「わいせつ」規制とは違い、性器部分にモザイクや「消し」を入れれば、回避できるというものにはとどまらないでしょう。

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児童ポルノ禁止法改正案の衆議院通過、あと10年間、粘りましょう。

児童ポルノ禁止法改正案が衆議院を通過しました。

具体的な条文はこちら

1)創作物規制を前提として調査研究規定なし。付帯決議もなし。
2)3号ポルノの範囲について、明確化+限定。
3)性的好奇心を満たす目的での「所持」についても、「自己の意思に基づいて所持するに至った者であり、かつ、
当該者であることが明らかに認められる者に限る。」とかなり適用対象を限定した。
4)第3条「適用上の注意」既定の充実、「この法律の適用に当たっては、学術研究、文化芸術活動、報道等に関する国民の権利及び自由を不当に侵害しないように留意し、児童に対する性的搾取及び性的虐待から児童を保護しその権利を擁護するとの本来の目的を逸脱して他の目的のためにこれを濫用するようなことがあってはならない。」

不満は残りますが、まずまずの内容です。

規制反対派が、2004年の最後の改正から10年間、小泉旋風、政権交代、超巨大与党の時代、世界を席巻しつつあった「『児童ポルノ』に関するマス・ヒステリア」など危機が続いた中、政治情勢を冷静に分析し、理性的かつ合理的に反対運動を展開した成果です。

1999年の法制定時から見れば、創作物規制への反対運動は15年間に亘って続いてきました。粘り強く続いて来ました。

私自身で言えば、1999年当時は23歳、現在38歳です。立派な中年になってしまいました。

これだけ長い間、粘り抜いたことは、個人情報保護法、特定秘密保護法等、近年の問題法案に対する反対運動が概ね「玉砕」で終わっていることに比べ、大きな成果です。

表現規制反対運動は、大まかに言えば、世代問題でもあります。後10年間、粘り抜きましょう。未来は、規制反対派のものです。そのとき、僕は、48歳、初老になっています。

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大学におけるカルト対策の正当性と必要性を認めた佐賀大学事件判決

佐賀大学事件判決(平成26年4月25日言渡)について

文責:弁護士 山 口 貴 士

※意見、見解は全て私個人のものであり、佐賀大学の意見とは関係ありません。

1 当事者
原告A:佐賀大学の女子学生(現在は卒業、被告Yの元ゼミ生)
原告B:原告Aの父
原告C:原告Aの母
被告佐賀大学
被告Y:佐賀大学の男性准教授

※ 原告A、B、Cはいずれも、現役の統一協会信者。

2 事案の概要
被告Yが、平成24年2月10日、原告Aに対し、その信仰を侮蔑、侮辱する発言をする発言を繰り返しながら「原理教なんてやめるべき。」などと述べ、また、原告Bと原告Cが統一協会の合同結婚式を通じて結婚したことについて「おかしい結婚」、「犬猫の結婚」などと述べたという事案。

原告Aは、被告Yの発言が、原告Aの信仰の自由及び名誉感情を侵害したとして、原告Aにおいて、被告Yに対し、不法行為に基づく損害賠償として慰謝料等を請求し、佐賀大学に対しては、主位的には使用者責任に基づく損害賠償、予備的には国家賠償に基づく損害賠償を請求した。

原告B、Cは、被告Yの発言により、名誉感情を侵害されたとして、不法行為に基づく損害賠償として慰謝料等を請求し、佐賀大学に対しては、主位的には使用者責任に基づく損害賠償、予備的には国家賠償に基づく損害賠償を請求した。

3 請求金額/認容額
原告A:請求額220万円(認容額4万4000円)
原告B、C:請求額各110万円(認容額各2万2000円)
佐賀大学に対する関係で、いずれも、請求額の2%を認容。
被告Yに対する請求は棄却した(国家賠償)。

4 被告Yの発言の違法性に関する判示事項
「前記争いのない事実(1)(2)(4)及び認定事実(20)によれば、被告Yの本件発言は、被告佐賀大学の准教授であった被告Yが、被告佐賀大学内の被告Yの研究室内で被告佐賀大学3年生であり、被告Yの担当するゼミのゼミ生であった原告Aに対してなされたものである。また、一般に、大学は、学生に対し、在学契約に基づき、学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を享受研究し、知的、道徳的及び応用的能力を展開させる(学校教育法83条1項)という大学の目的にかなった教育役務を提供する義務があるところ、その前提として、学生が教育を受けることができる環境を整える義務を負い、在学契約に付随して、大学における教育及びこれに密接に関連する生活関係において、学生の生命、身体、精神、財産、信教の自由等の権利を守るべき安全配慮義務を負っていると解される。そして、前記認定事実(2)(3)(5)(9)によれば、被告佐賀大学は、学生に対する安全教育の一環として、正体を隠し、あるいは情報開示が不十分な勧誘活動を行うカルト的団体からの勧誘や被害にあった場合や、そのような活動を行っている者を見かけた場合は、速やかに学生生活課に知らせることなどの注意喚起を行っており、前記認定事実(4)(6)(9)(10)(16)ないし(18)によれば、被告佐賀大学を含む多数の大学では、CARP及び統一協会をカルト的団体として把握していることが認められる。そして、前記認定事実(19)(20)によれば、被告Yは、原理教に関して、原告Aと深く話し合いたいとして、統一教会や合同結婚式を批判するなどの各発言に及んでいることが認められる。以上によれば、被告Yの本件発言は、被告佐賀大学の学生に対する安全教育の一環として、カルト的団体からの勧誘や被害にあった場合に関する相談として、客観的に職務執行の外形を備える行為であったと認めるのが相当である。したがって、本件各発言は、被告Yが『その職務を行うことについて』したものと認められる。」(判決文16、17頁)

「被告Yは、(中略)、統一協会の教義を信仰することをやめないと言っている原告Aに対して、それを辞めるように、『犬猫の暮らし』、『犬猫の教え』などと配慮を欠いた不適切な表現を繰り返し用いたものであって、原告Aの信仰の自由を侵害するものと評価するのが相当である」(判決文18頁)

「また、被告Yは、(中略)、などと統一協会の教義等に対する批判に留まらず、統一協会の教義を信仰している原告らを『犬猫の結婚』、『犬猫の生活』、『犬猫の暮らし』などと配慮を欠いた不適切な表現を繰り返し用いたものであって、原告Aの名誉感情を侵害したものと評価するのが相当である」(判決文18頁)

統一協会やその信者が、霊感商法等の社会問題を起こし、多数の民事事件及び刑事事件で当事者となり、その違法性や責任が認定された判決が多数あることは公知の事実であること、被告Yが特定の宗教の教義等について意見を述べることは信教の自由として許容されること、被告Yは、被告佐賀大学の教員として、大学における教育及びこれに密接に関連する生活関係において、学生の生命、身体、精神、財産、信教の自由等の件を守るべき安全配慮義務を負っていると解されることに鑑みると、被告Yが、統一協会の教義等について、適切な表現を用いる限りにおいて批判的な意見を述べることは、社会的相当性を有する行為であ」る(判決21頁)
※ 「公知の事実」=立証不要な事実。

(コメント)
1)裁判所は、佐賀大学によるカルト対策の必要性、適法性を前提とした上で、被告Yが原告Aを呼び出して、統一協会の信仰を辞めるように話をしたこと、統一協会の教義を批判する話をしたこと自体を問題にすることなく、あくまでも被告Yが「配慮を欠いた不適切な表現を繰り返し用いた」ことに違法性を認定している。判決は、被告Yの不適切さ(違法性)を認定し、その限度で国家賠償を認めたものに過ぎず、被告Yの発言内容が穏当(適法)なものであれば、被告Yが原告Aを呼び出して、統一協会の信仰を辞めるように話をしたこと、統一協会の教義を批判する話をしたこと自体は適法行為であり、佐賀大学の責任が問題にされる余地はなかった。

→ 大学側に、学生の生命、身体、精神、財産、信教の自由等の権利を守るべき安全配慮義務を認め、大学のカルト対策の必要性、適法性を正面から認めたものと評価出来る。

→ 個々の教員が、統一協会の教義について、「適切な表現を用いる限りにおいて批判的な意見を述べること」は社会的相当性を有する行為(適法行為)であると認めたものと評価出来る

2)国家賠償は、「客観的に職務執行の外形を備える行為」について認められる。本判決は、あくまでも、「客観的に職務執行の外形を備える行為であったと認めるのが相当」と認定しているものであり、問題となった被告Yの言動が「被告佐賀大学の学生に対する安全教育の一環として、カルト的団体からの勧誘や被害にあった場合に関する相談」に該当すると認定したものではない。

3)国家賠償法1条1項が適用された以上、裁判所としては、被告Yの行為の違法性を認めた場合には、佐賀大学に損害賠償を命じ、被告Y個人に対する損害賠償請求を否定する判決を書くしかない(使用者責任とは違い、佐賀大学に免責の余地なし)。

4)大学の業務の実態を踏まえれば、国家賠償法ではなく、民法上の使用者責任の枠組みで判断されるべき事案ではないか(私見)

4 慰謝料を大幅に減額した理由について
「原告Aが学生生活課での会話や被告Yとの会話を、度重ねて秘密裏に録音した行為は、前記CARPの促進していた、大学のカルト対策に対する情報収集活動の一環と見るのが相当である。」(判決文20頁)

「また、前記認定事実(14)(15)(19)によれば、原告Aは、被告Yにおいて、統一協会の教義や合同結婚式を否定し、原告らが統一協会の教義を信仰することをやめるように説得することを十分予見した上で、平成24年2月10日に被告Yの研究室を訪問したと推認することが相当である。」(同)

「そして、前記認定事実(20)のとおり、原告Aは、本件発言が行われた平成24年2月10日の被告Yとの会話を最初から録音していることからすれば、原告Aは、被告Yにより宗教を理由にしたパワハラあるいはアカハラ的な発言がなされるなど、被告佐賀大学によるCARPや統一協会に対するカルト対策を攻撃するための材料を得ることを目的として、同日、被告Yと面談し、本件発言を含む被告Yの発言を録音したものと推認するのが相当である。」(判決文20、21頁)

「本件発言によって原告Aが被った精神的苦痛は、さほど大きいものとはいえない。」(判決文21頁)

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平成25年10月7日京都地方裁判所判決(朝鮮学園vs在特会外)をどう読むか?

平成25年10月7日京都地方裁判所判決について、様々な議論がネット上で行われているようですが、判決の内容を纏めると以下のようなものです。

(在特会らによる示威活動、映像公開の違法性について)
いずれも、業務妨害、名誉毀損の成立により違法性を認定するという従前からの判断枠組みを維持しています(判決文68頁「2」、同69頁「3」、同70頁「4」、同71頁「5」参照。

(人種差別撤廃条約の効力について)
このように、人種差別撤廃条約2条1項は、締結国に対し、人種差別を禁止し終了させる措置を求めているし、人種差別撤廃条約6条は、締結国に対し、裁判所を通じて、人種差別に対する効果的な救済措置を確保するように求めている。これらは、締結国に対し、国家として国際法上の義務を負わせるにとどまらず、締結国の裁判所に対し、その名宛人として直接に義務を負わせる規定であると解される。このことから、わが国の裁判所は、人種差別撤廃条約上、法律を同条約の定めに適合するように解釈する責務を負うものというべきである(判決文66頁「4」参照)。

(ヘイトスピーチそれ自体が不法行為となることは否定)
もっとも、例えば、一定の集団に属する者の全体に対する人種差別発言が行われた場合に、個人に具体的な損害が生じていないにもかかわらず、人種差別行為がされたというだけで、裁判所が当該行為を民法709条の不法行為に該当するものと解釈し、行為者に対し、一定の集団に属する者への賠償金の支払を命じるようなことは、不法行為に関する民法の解釈を逸脱しているといわざるを得ず、新たな立法なしに行うことはできないものと解される。条約は憲法に優位するものではないところ、上記のような裁判を行うことは、憲法が定める三権分立原則に照らしても許されないものといわざるを得ない。(判決文66頁「5」参照)

⇒ 特定人の権利を侵害しないヘイトスピーチは不法行為とはならないことを明言しています。

(不法行為となるヘイトスピーチ=具体的な被害者のいるヘイトスピーチについては、損害額が加算されるべき)

したがって、わが国の裁判所は、人種差別撤廃条約2条1項及び6条の規定を根拠として、法律を同条約の定めに適合するように解釈する責務を負うが、これを損害賠償という観点からみた場合、わが国の裁判所は、単に人種差別行為がされたというだけではなく、これにより具体的な損害が発生している場合に初めて、民法709条に基づき、加害者に対し、被害者への損害賠償を命ずることが出来るにとどまる。

⇒ 繰り返し、特定人の権利を侵害しないヘイトスピーチは不法行為とはならないことを明言しています。

しかし、人種差別となる行為が無形損害(無形損害も具体的な損害である。)を発生させており、法709条に基づき、行為者に対し、被害者への損害賠償を命ずることが出来る場合には、わが国の裁判所は、人種差別撤廃条約上の責務に基づき、同条約の定めに適合するよう無形損害に対する賠償額の認定を行うべきものと解される。

やや敷衍して説明すると、無形損害に対する賠償額は、行為の違法性の程度や被害者の深刻さを考慮して、裁判所がその裁量によって定めるべきものであるが、人種差別行為による無形損害が発生した場合、人種差別撤廃条約2条1項及び6条により、加害者に対し支払を命ずる賠償額は、人種差別行為に対する効果的な保護及び救済措置となるような額を定めなければならないと解されるのである。(判決文67頁「6」参照)

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表現規制反対と衆議院総選挙の結果

つらい結果です。味方になってくれていた衆議院議員さんの半分近くが、議席を失いました。

しかし、選挙は水ものです。良くない結果になることも当然にあります。

表現の自由を守る戦いに終わりはありません。選挙で常に好ましい結果が出るとは限らない以上、脱力し、白旗を上げる訳にはいけません。

少しずつではありますが、表現規制反対派の地盤は強化されつつあります。今回の選挙の結果を見ても、これまでの活動の成果が無になった訳ではありません。

2005年の郵政選挙の時よりは、遥かにマシです。
2005年のときよりは、それでも、味方してくれる議員さんは、人数にして倍以上当選しているからです。
この7年間に、味方をしてくれる議員さんの母数がかなり増えていました。国政の場において、表現の自由への理解度と関心は高まりつつあります。

議員さんの人数が、増えただけではなく、所属する政党もバラエティに富んでいます。リベラルからド保守まで多様です。このことは、表現の自由の問題が普遍性のあるテーマであることを示しています。

「自分が不快に思う、あるいは、嫌いな表現」を守らない限り、「自分の好きな表現」も守れないのです。
このことは、頭では分かっていても、肌感覚では分かっていない人が多いです。

が、若い年齢層ほど、このことはよく分かっています。理解のある議員さんも若い方が多いです。

参議院にも味方の議員さんは沢山います。

時は、我らの味方です。とりあえず、一分一秒でも長く、踏ん張り、規制の動きを押し止めることが重要です。

そのためには、気を取り直して、これまでどおりのロビイング、情報の発信、来年の参議院選挙で改選を迎える議員さん達への支援、そして、次回の総選挙において、雪辱戦に挑む前議員さん達への支援を地道に続けるしかないのです。

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神世界グループ7社が解散公告!神世界の霊感商法事件:債権届出の期限が本年9月11日 速やかに神世界被害対策弁護団へ連絡を!

神世界による霊感商法事件の全容については ⇒ 神世界被害対策弁護団 をご参照下さい。


神世界被害対策弁護団の連絡先
リンク総合法律事務所 03-3515-6681


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既に教祖の斉藤亨被告が、組織的詐欺を認めている以上、そもそも神世界は、顧客名簿でわかる顧客:すなわち被害者全員に通知をすべきですが、神世界は不誠実にも、あえて被害者に知られないように、法人を解散しようとしています。

このまま被害者が泣き寝入りをすれば、犯罪収益が、斉藤被告らに温存される可能性があります。弁護団は、神世界側の代理人である鈴木秀男弁護士らとは、法人の解散前から、被害回復の交渉を続けています。

失権しないように、被害者が泣き寝入りをしないように、声をあげて、弁護団にご依頼ください。

既に弁護団を通じて、200人近くの被害者の財産被害が救済されています。

多くの被害者が声をあげると、対神世界、対裁判所(斉藤亨被告は第1審の実刑判決に対して控訴しています。)的にも強い影響があります。

被害者の意思を結集して、まとめて、神世界の代理人である「鈴木秀男弁護士」に請求し、被害者のすべての債権が失権しないように努力していこうと思っています。個別に交渉するよりは、弁護団として集団で交渉した方が有利な結果が得やすいですし、神世界側が被害者の無知を逆手にとったり、圧力等をかけたりすることも困難になります(これまでに、そのような対応が存在したと言う趣旨ではなく、いわゆる霊感商法事案、宗教被害事案における一般論です。)。

被害者の多くは、サロン名でしか、神世界グループを認識してない場合が多いことから、過去、存在したサロン(=ヒーリングサロン)の名称を公開します。

このサロン名の場所に通ったことがある方は、すべて被害者になりうる人です。

リストをご確認ください。

知人・友人・家族でこの名前のサロンに通ったことがある人をお知りの方は、この情報を教えてあげて下さい。

神世界グループサロンリストpdfをダウンロード

有限会社千手観音教会事業部の解散公告

有限会社みろくの解散公告


有限会社びびっととうきょうの解散公告

有限会社えんとらんすわーるとヒルズの解散公告

有限会社えんとらんすアカサカの解散公告

有限会社えんとらんすスリートゥー1の解散公告

有限会社E2の解散公告

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◆公開シンポジウム のお知らせ 「日本と諸外国における創作表現の規制の現状と課題」

コンテンツ文化研究会のブログより転載(リンクについては、一部、こちらで追加。)
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◆公開シンポジウム のお知らせ
「日本と諸外国における創作表現の規制の現状と課題」

日本の漫画やアニメといったコンテンツは強い訴求力と発信力があります。
その魅力については今更語るまでもないでしょう。
ただ、その魅力の大きさゆえに問題視される事や思わぬトラブルや誤解を招く事は珍しくありません。
「創作表現は原則自由であるべき」と当会は考えますが、こうした事態が頻発するのは漫画文化の発展に必ずしも良い影響を与えるとは言えないでしょう。

今回のシンポジウムは海外の各地域ごとの規制の状況や問題点を現地の専門家にお話していただき、様々な観点から世界各国における創作表現の自由、また日本におけるに創作表現の自由について改めて考えてみようと思います。

海外の情報を直接聞ける貴重な機会かと思いますので、表現規制現問題やコンテンツの海外展開に関心のある方は是非ともご参加ください。

日時: 2012年5月18日(金)18時30分~
会場: 日比谷文化会館 日比谷コンベンションホール(東京都千代田区日比谷公園1番4号)
定員: 180名(先着順・予約必須ではありませんが、定員を上回った場合は予約している方を優先させていただきます)
参加費: 無料

登壇者:(敬称略)
Charles Brownstein (CBLDF Executive Director)
Patrick W. Galbraith (「The Otaku Encyclopedia)著者」
林君和 (台湾アニメ情報誌「FRONTIER」編集長)
Rujirat Vinitphol (東京大学大学院学際情報学府博士課程)
森川嘉一郎(明治大学国際日本学部准教授)
藤本由香里(明治大学国際日本学部准教授)
山口貴士(弁護士:リンク法律事務所)

主催:コンテンツ文化研究会
協力:NPOうぐいすリボン

参加のお申し込みはこちらから
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CBLDF=Comic Book Legal Defence Fundについての一言の説明は、我が畏友にして、オタク関連の通訳、翻訳の達人である兼光ダニエル真氏(イベント当日も通訳として大活躍の予定。)のツイートを参照して下さい。

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【日本脱カルト協会】JSCPR公開講座2012「大学でカルトに入った私たち-得たもの、そして、失ったもの-」【大学のカルト対策】

JSCPR公開講座2012「大学でカルトに入った私たち-得たもの、そして、失ったもの-」

当会の公開講座では、主に大学に於けるカルトの活動とその対策に焦点を当ててきた。多くの大学でカルトへの対策が行われるようになった今、今回の公開講座では長年にわたってカルト対策に取り組んで来た教育者の講演と、元信者の言葉を通じて、カルトが私たちの人生にどのような影響をあたえるのかを考える。

日時 2012年6月30日(土)14:00-17:30 (13:30 開場)

■代表理事挨拶及び講演
西田公昭(立正大学)
「現在の大学でのカルト勧誘について2500名のアンケートから」

■基調講演
高木総平(元松山東雲女子大学教授)
「今、キャンパスでできること-28年のカルト問題への関わりから-」

■脱会者講演
「大学でカルトに入った私たち-得たもの、そして、失ったもの-」
竹迫之(統一協会脱会者・牧師)
他、親鸞会脱会者、摂理脱会者など

■指定討論
瓜生崇(真宗大谷派玄照寺住職・大阪大学)

場所 岡山国際交流センター国際会議場 >>アクセス

司会 平野学(慶應義塾大学) 山口貴士(弁護士)

参加費 当日受付、資料代1000円(学生聴講無料・但し要学生証)

■主催 日本脱カルト協会

■後援 日本学生相談学会

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