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「合格率低いと悪影響」 新司法試験で意見聴取

法務省の司法試験委員会は、新司法試験の合格率などについて、1月18日、法科大学院関係者からのヒアリングを実施したところ、
 「新試験の合格率が低ければ、学生は試験中心の勉強に陥り、多様な法曹を養成する教育課程に悪影響が出る」
 との意見が出たらしい。

 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050118-00000032-mai-soci


 正直な話、高額の学費を払える学生以外に法曹となる道を半ば閉ざしておいて、「多様」も何もないと思う。
 法科大学院関係者のいう「多様」性とは、高額な学費を払える裕福な親を持つ「坊ちゃま」「お嬢ちゃま」の中における多様性に過ぎない。
 法科大学院側の本音は、制度自体が未確定のうちに、「合格率は70-80%」などと説明をして集めた学生やその親からクレームを付けられることへの懸念だろう。弁護士になれると思って、高い学費を払ったのに、「法務博士」という「法学博士」のパチモノのような学位だけを与えられて世間に放り出されたら、親が怒るのは当然かもしれない。
 法科大学院側は、「資格商法」のような真似をやめ、説明責任を果たすのが先ではなかろうか。

 ちなみに、同ヒアリングにおいて、北海道大大学院法学研究科の瀬川信久教授は「合格率が低くなると、試験の合格に関心が向かい法科大学院生の学習態度に悪影響が出る」
と新試験合格者数の拡大を求めたらしいが、

 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050118-00000035-kyodo-soci

 「試験中心の勉強」批判に果たして合理的な根拠はあるのだろうか?
 「試験中心の勉強」批判の大前提としては、これまでの司法試験の問題が試験対策さえすれば受かるものであったということが必要になる。
 しかしながら、個人的な経験ではあるが、司法試験の問題は、単なる詰め込みの暗記勉強だけではとても解けない「良問」が多かったような気がする。受験生時代に過去の試験問題を解きながら、さすが、日本を代表する一流の学者と実務家が出題していると思ったことも度々あった。
 また、基本的な知識を定着させる契機として、試験勉強は非常に重要だと思う。
 弁護士生活4年目になって思うことは、いわゆる一般民事を扱う弁護士にとって、司法試験の受験勉強のための「詰め込み」勉強の成果は日々の実務で非常に役立っているということだ。
 法律相談をするためには、依頼者の話を聞いた瞬間に少なくとも、関係する法律が何であるか、法律上の争点が何であるかくらいは瞬時に予想出来ないと役に立たないが、そうなるためには、民法などの基礎的な法律の知識については、それこそ「寝言でも言える」くらい覚える必要がある。
 果たして、「詰め込み」の受験勉強抜きでそのような知識は身につくのであろうか。

 目の前で右往左往する弁護士を見て一番迷惑を被るのは依頼者である。

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Comments

こんにちは。
私も、昨年司法試験の勉強を始めましたので、
司法制度改革には非常に関心を持っています。
制度を改革する場合、不都合があれば
その度調整が必要なのはもちろんのことですが、
もうすでにロースクールが始まってからも
合格率といったかなり重要な問題が出てきているので、
ちょっと大丈夫かなぁという感じは否めませんよね。

試験勉強をしすぎることが悪影響、という意見に対しては
山口さん同様、疑問を持ちました。
学力低下を招いたゆとり教育と同じ議論のように思えてしまいます。

何はともあれ、勉強することが大切なので、
試験勉強、がんばりマス。(もちろん現行です。)

Posted by: るん | January 23, 2005 at 03:16 PM

司法試験頑張ってください。
本当に大変な試験ですが、努力が報われる試験ですから、あきらめないでください。

Posted by: 山口 貴士 | January 25, 2005 at 11:36 PM

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