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ヤミ金元幹部に懲役5年判決、13億円追徴は認めず

指定暴力団山口組旧五菱会系のヤミ金融グループによるマネー・ロンダリング(資金洗浄)事件で、組織犯罪処罰法違反(犯罪収益隠匿)などの罪に問われた同グループ元幹部・松崎敏和被告(35)の判決が1月26日にあり、東京地方裁判所(飯田喜信裁判長)は懲役5年、罰金2000万円を言い渡したが、検察側が求刑した追徴金13億2600万円については、「国が追徴することで、被害者が民事手続きで被害回復を図るのを妨げるべきではない」として認めなかった。

おそらく、組織犯罪処罰法16条1項但し書き「当該財産が犯罪被害財産であるときは、この限りでない。 」という条文を適用したものと思われますが、そもそも検察官が追徴を求刑したこと自体に疑問を感じます。
いわゆる消費者被害の事案においては、加害者が破産した場合などに、国が税金や社会保険料をごっそりもっていってしまい、被害者に配当が行き渡らないという事態がしばしばあります。
そもそも、消費者被害が蔓延した背景には、警察や行政の対応が後手後手に回ったという事情がしばしば見られますから、いわば、被害の拡大に消極的に関与した公権力が優先的に弁済を受けられるというのは、(?)な結論です。
直接的な被害者のいない、麻薬取引の利益のような場合にはともかく、検察官も被害者が被害回復のための訴訟などを準備していることは当然に知っていた筈ですから、追徴を求刑するべきではなかったと思います。


なお、オウム真理教事件の場合には、
平成10年4月24日成立の「オウム真理教に係る破産手続きにおける国の債権に関する特例に関する法律」及び同様の各自治体の条令により税金等債権が損害賠償請求権に劣後することとなっていますが、これはあくまでも特別法による例外的な取り扱いです。

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Comments

 地方新聞で記者をしている者です。解説、とてもよくわかりました。もしよければもう少しお聞かせください。組織犯罪処罰法を素直に読むと、出資法違反の高金利で得た利得は、犯罪被害財産であり、没収できないと明記されています。
 また、金銭などが別のものにかわっていたりして没収できない場合のために追徴という規定があるのだと思いますが、16条1項では、追徴も禁じていると読むべきだと思います(その限りでない、というのがあいまいで、追徴を禁じているのかどうか、今ひとつはっきりしないように感じますが…)。
 それでは、検察官はどういう法令解釈に基づいて追徴を求刑したのでしょうか。法律の根拠がない求刑なら、それ自体が違法な行為になってしまうと思うのですが。
 山口先生のおっしゃる通り、この場合は追徴しない方が、被害回復にあてることができる、というのは正論だと思いますが、ヤミ金の被害者のような場合、しかも、相手が暴力団幹部の場合、被害者がどの程度結集して損害賠償訴訟を起こすか疑問だと思います。ごく一部の被害者しかそういう動きを起こさなければ、せっかく摘発して凍結してある資金が、暴力団の懐に入ってしまうことになりかねないのですが、その辺はどう考えるべきでしょうか。

Posted by: kitamura | February 09, 2005 at 03:02 PM

1 「犯罪被害財産」の解釈の問題だと思います。おそらく、検察官は、「犯罪被害財産」=「具体的な犯罪被害者が被害にあったいう申告がある財産」と比較的厳密に解釈して求刑を行っているのだと思います。
 確かに、ヤミ金や架空請求の事案の場合には、加害者が捕まったとしても、被害者が具体的な加害者を知ることが難しい事案が多いと思われますので、 「犯罪収益を犯罪者の手元に残さない」という組織犯罪対策法の趣旨に鑑みれば、そんなに不合理な解釈とは言えないとは思います。
 しかしながら、凍結された口座への振込みの履歴を捜査機関が丹念に分析すれば、全部とは行かないまでも、ある程度被害者の特定は可能な筈です。果たして、捜査機関は、個別の被害者を特定するように十分な努力をしたのでしょうか?裁判長は、以外とそのあたりを考慮して、「犯罪被害財産」の範囲を 「特定されてはいないが、犯罪被害者から取得されたことが確実な財産」と広めに解釈して、没収・追徴を認めなかったのかも知れません(あくまでも推測です)。

2 あくまでも立法論ですが、直ちに追徴した金額を国庫に入れるのではなく、裁判所が任命する「財産管理人」(破産管財人のようなイメージ)の管理下に移した上で、一定期間の間に申告があった場合(被害者であることの証明は必要、場合によっては訴訟が必要となる)には還付し、期間経過後に国庫に入れるというような制度がいいのではないかと思います。
 公務員の天下り先に利用されないよう工夫は必要だと思いますが。

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