青少年が知能犯となる原因は?
警察庁の発表によると、少年犯罪のうち、知能犯が激増しているそうです。
刑法犯では詐欺や偽造事件の知能犯が1240人で前年より6割増え、その内訳は、知能犯では、詐欺が1077人で全体の8割を超え、「譲渡目的での口座開設」「架空請求詐欺」が含まれる「その他詐欺」が前年の4倍の240人、通貨などの偽造事件が108人に上っているそうです。
私が問題だと思うのは、その問題点に関する分析です。警察庁は、
犯罪の手口を紹介した情報誌やインターネットの書き込みが増えたことを挙げ、「容易で気軽に犯罪行為に手を出せる社会環境が背景にあるのではないか」と分析しているそうです。
またもや、「メディア悪人説」の登場ですが、果たしてそうなのでしょうか。
インターネットの発達が大人社会と少年社会の垣根を取り払ってしまい、従来は、大人しか知ることが出来なかった現実に少年が接するようになったことは事実でしょう。
しかし、問題は、現在の大人社会の現実の方にあると思います。
日本の企業は、今までの年功序列制による右肩上がりの賃金制度を廃止し、年俸制や歩合制を用いるようになり、結果として、経済的な格差が拡大し、 「勝ち組」と「負け組」への二極分化がはっきりしつつあります。いっぽうで、リストラや会社の倒産も多くなり、一流と言われていた企業や政府関係者による不祥事も明らかになりつつあります。
要するに、青少年は、メディアを通じて見えてきた「大人社会」から、
「真面目に働いても明るい将来は見えてこない。」
「金儲け=正義」
「手軽な犯罪は階層向上のためのビジネスチャンス。」
という「本音」のメッセージを受け取ってしまっている訳です。
大人社会の現実を変えない限り、メディアを規制しても青少年が犯罪により「一攫千金」を狙うという構造は変わらないでしょうし、むしろ、不都合な情報を隠蔽しようとする大人社会の姿勢から、
「ばれなければ、何をやってもいい」
という「本音」のメッセージを受け取ってしまうだけでしょう。
なお、本稿を作成するにあたっては、
東京学芸大学教授の山田昌弘先生の「希望格差社会」という御著書を参考にさせていただきました。
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Comments
山口先生,ご指摘ごもっともだと思います。
僭越ながら補足させていただきますならば,いわゆる架空請求・不当請求や振り込め詐欺を組織化しているのは大人なのですから,この末端を担っている少年らは,単に仕事がないだけとも取ることが出来ます。(古い資料ですが若年者の失業率についてhttp//www.nikkei4946.com/today/0307/01.html)
若年層を放っておくだけ放っておいて,犯罪に走らせる環境を作り,やれ知能犯が増えただのと主張するのはいかがなものでしょうか。若者世代を取り巻く環境の問題について,宮本みち子先生が「若者が『社会的弱者』に転落する」という本を2002年11月に出版し指摘してきましたが,いまだ改善されていないと感じます。
Posted by: 永嶋 実 | February 04, 2005 at 06:52 PM
永嶋先生
ご指摘、ごもっともです。
小泉改革のもたらしたものは、若年層の雇用を止めることにより、中高年の雇用を確保するというもので、この国は若者に冷たいんですよね。
Posted by: 山口 貴士 | February 05, 2005 at 02:28 PM
Thank you for you work! Good Luck.!
Posted by: Smit | July 04, 2007 at 10:54 PM
Awesome!!!
Posted by: bing | July 18, 2007 at 05:52 AM
Thank you for you work! Good Luck.a
Posted by: rty | September 27, 2007 at 06:46 PM