【ホリエモン】ライブドア判決 堀江被告に実刑 懲役2年6月 東京地裁【堀江貴文】
最終更新:3月16日17時10分 毎日新聞
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予め言っておきますが、僕はライブドア株主被害弁護団のメンバーで、ホリエモンこと堀江貴文の責任を追及する立場にありますが、以前の記事も書いた気持ちには今も変わらないものがあります。
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ライブドア強制捜査/ホリエモン逮捕
>個人的にはホリエモンのような野心家は嫌いではありませんし、同世代の人間として、伝統や権威に対して
>果敢に挑戦する姿勢に対しては共感すら覚えており、今回の事件によってもその評価は変わるものではあり
>ません。
>しかしながら、今回のライブドアへの強制捜査、堀江貴文氏の逮捕による個人投資家への影響は見逃せま
>せん。ライブドアの株主の多くは個人投資家でした。ライブドア株を担保にして信用取引をしていた個人投資
>家の多くは、担保額が下落した分をキャッシュか他の株かで補わないといけません。相当数の個人投資家
>が自己破産を余儀なくされることが予想されます。健全な証券取引の基本である「正確で公平・公正な情報
>開示」を無視し、多くの個人投資家に大打撃を与えたホリエモンの責任は決して軽くはありません。
今回の判決は、実刑判決ですが、これはある意味当然の結論です。実刑判決を意外とする声も多いようですが、法律実務家の感覚からすれば当然の結論です。
執行猶予判決を裁判官が書く場合、被告人の刑事責任を厳しく指弾した後に、「しかしながら、・・・」と被告人にとって有利な事情(「汲むべき情状」)を指摘した上で、「今回に限り、刑の執行を猶予することにした」と判決文を結ぶのが一般的です。
本件は偶発的な犯行ではなく、計画的な犯行による犯罪です。しかも、非常に多数の被害者が存在します。本件のような事案において、汲むべき情状として、裁判所が重要視するのは、やはり、①に反省、②に被害弁償でしょう。
しかしながら、ホリエモンは一貫して自己の責任と向き合うことを避けてきました。反省もしていませんし、被害弁償もしていません。
これでは、裁判所も執行猶予付きの判決を書くことは難しいでしょう。執行猶予というのは、刑務所の中ではなく、社会の中において更生する機会を与えるということです。被害者が存在しない犯罪であればともかく、計画的な犯罪により、これだけ多くの被害者、それも人生設計を根本的に狂わされてしまった被害者を大勢発生させてしまっている事案であるにもかかわらず、事実関係を全面的に否認し、全く悪くないと開き直っている人間について、社会の中で更生することを期待することは難しいと考えるのが自然です。
また、被害者感情も無視しがたいものがあるでしょう。虚偽の情報に踊らされ、人生設計を狂わされた一般投資家が生活苦にあえぐのを尻目に、張本人が、一生遊んで暮らせる金を懐にしたまま(※)、刑務所に行かなくてもいいという理不尽さを裁判所が許すわけには行かないでしょう。
(※)民事訴訟でごっそりと頂いてしまう予定ですが、当面、優雅な生活は出来る訳です。
ホリエモンは、即日控訴したようですが、ホリエモンに不利な供述をする動機が何もない熊谷証言が存在する以上、控訴審において、事実誤認を理由として第一審判決を破棄させることは難しいでしょう。ホリエモンが刑務所暮らしを避けたいのであれば、①反省、②被害弁償は避けることが出来ないのではないでしょうか・・・。
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