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【松本零士vs槇原敬之】松本Vs槇原が全面対決!「盗作訴訟」第1回口頭弁論

松本Vs槇原が全面対決!「盗作訴訟」第1回口頭弁論

3月29日8時2分配信 サンケイスポーツ

 シンガー・ソングライター、槇原敬之(37)に漫画家、松本零士氏(69)が「『銀河鉄道999』のセリフを無断で歌詞に使用された」と抗議している問題で、槇原が松本氏に盗作の根拠となる証拠提出などを求めた民事訴訟の第1回口頭弁論が28日、東京地裁で開かれた。

 槇原側は「盗作の証拠がないのに、(雑誌のインタビューなどで)盗作だと決めつけて大々的に宣伝したことは名誉棄損にあたる」と主張。盗作でないと認められた場合、2200万円の損害賠償を請求している。これに対し松本氏側は「和解するつもりはありません」と全面的に争う姿勢を見せた。

 弁論終了後、槇原の所属事務所はサンケイスポーツの取材に「提訴前に松本さんから和解話が2度ほどあった。証拠さえ出してもらえれば、はっきり答えが出ると思う」。松本氏は「ぼくが先に(セリフを)書いたことは間違いない。これは全作家のプライドにかかわる問題」と双方、自信を示した。

 次回の口頭弁論は5月14日に行われる予定。
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傍聴に行きたかったのですが、行けませんでした。

槇原敬之氏側の損害賠償請求の根拠が名誉毀損であることが明らかになりました。

松本零士氏が「『銀河鉄道999』のセリフを無断で歌詞に使用された」などと公表したことは、槇原敬之氏の社会的な評価を低下させるものであり、名誉毀損に該当すると思います。

そうすると、被告である松本零士氏側としては、名誉毀損についての免責事由を立証しないと敗訴することになります。

この場合、以下の3点について、松本零士氏側が立証しないと敗訴することになります。
1)「公共の利害に関する事実」であること=「公共性」
2)「公益を図る目的」の存在=「公益性」
3)表現行為が真実であること=「真実性」
    or
  真実ではないが、相当の根拠をもって真実であると信じたこと=「相当性」

1)「公共性」については、槇原敬之氏という著名な歌手の盗作疑惑がテーマとなっていますから、この要件については認められるでしょう。

2)「公益性」の要件についても、認められる可能性は高いと思います。
  ただし、3)の「真実性」あるいは「相当性」の要件が認められなかった場合、「公益性」の要件が否定される可能性もあります。というのは、どうやら、裁判所には「公益目的をもって表現をする者は、慎重に下調べをする筈」という経験則が存在するようで、「真実性」は勿論、「相当性」すら認められなかった場合においても、表現の根拠となった資料の程度を検討し、余りにも根拠が薄い場合などには、「公益性」すら否定されてしまう場合が見られます。

3)問題は「真実性」と「相当性」です。
  まず、本件においては、どの範囲で松本零士氏側が「真実性」、「相当性」を立証しなくてはならないか、そのものが争われると思います。
  松本零士氏が、単に、「『銀河鉄道999』のセリフを無断で歌詞に使用された」と表明しただけであれば、「真実性」、「相当性」の立証範囲は、「『銀河鉄道999』の台詞を無断で使用したかどうか」が「真実性」、「相当性」の立証対象になったかも知れませんが、松本零士氏側は、「現段階では、著作権侵害をめぐる訴訟やCM曲使用差し止めなどを求めるつもりはなく、詞の「出典」を明示することなどを求めている。」(日刊スポーツ 2006年10月19日)とまで言っているようで、こうなると、「真実性」、「相当性」の立証の対象は著作権侵害の有無ということになるのではないかと思います。
  そうすると、仮に、松本零士氏が「ぼくが先に(セリフを)書いたことは間違いない。これは全作家のプライドにかかわる問題」と言うとおりだったとしても、これだけでは、著作権侵害を裏付ける根拠にはなりませんから、訴訟においては、敗訴する可能性が高いといわざるを得ません。
  何故ならば、松本零士氏の主張はあくまでも②依拠性の要件に関するものであり、①類似性の判断について、影響するものではないからです。
  ただ、「真実性」が認められなかったとしても、「相当性」の要件が認められる可能性はあります(要するに、「著作権侵害と信じたのも無理はない」という判断)。

なお、①類似性 ②依拠性の関係については、下記の過去ログを参照のこと
↓  ↓  ↓  ↓
【松本零士vs槇原敬之】槙原「証拠出せ」松本零士氏訴える

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Comments

私は公益性の要件も認められるかどうか怪しいと考えます。
松本さんの主張は客観的にみて非常に明快で、「あれだけ似ているんだから(証拠云々などなくとも)槇原がマネしたのは明白。槇原が悪いことをしたんだから槇原が誤るのが当然だ。」ということですよネ。
そこでマスコミの前で自分の思いを公表したわけでしょうが、そこに「公益性の目的」があったかどうかというとそうでもなさそうだと思うのです。
公益性があると主張しようと思えば「著作権の範囲を明確にして類似の事例の場合に著作活動が円滑にできるよう審判を仰ぐために公表した」というような主張をすべきでしょう。でも、松本さんは「争うつもりはない」とか「作者のプライド」とかいっている。つまり、あくまで自己の欲求の充足が目的であって、そもそも公開する目的は槇原さんを追い込むためと考えたほうが自然な状態で、結局、争うつもりがないのに公開したということは、自力救済のためにメディアを利用したと槇原さん側から抗弁されたら返す言葉がないんじゃないかな?
そこでこれまでの発言と矛盾のない理由が示せないと公益性も認められないと思うのですがどうでしょう。

Posted by: マコ | March 30, 2007 at 12:33 AM

>マコさん
一つの傾聴すべき見解だと思います。
が、公益目的と他の目的が並存していても構わないというのが判例の立場で、比較的、緩やかに公益性の要件を認めています。松本零士氏は、著作権の保護に熱心に取り組まれている方ですから、著作権保護の重要性をアピールするという「公益目的」があったことを裁判所が否定することまではしないのではないか、と私は考えた訳です。

Posted by: 山口貴士 | March 30, 2007 at 01:09 PM

なるほど。松本さんの普段の活動も判断要素として取り入れることで目的の公益性をフォローするという観点がありました。一方で、他の目的があったと認められれば相当性の判断でマイナスになるかもしれないから、結局③が分かれ目になるということなのですね。
相当性の微妙な判断となると、つくづく松本さんの言い方がもうちょっと「盗作された…のではないかと思う」とか「もしも…盗作された…のであれば」というふうに断定しない言い方をしていればと悔やまれそうですね。

Posted by: マコ | March 30, 2007 at 10:35 PM

「著作権侵害と信じたのも無理はない」
と、裁判所が判断する際に、松本先生のコンピュータソフトウェア著作権協会の理事である肩書きや著作権に関する裁判をいくつもしてきた事は考慮されるのかどうかが気になります。

単なるど素人がやらかしたのであれば、「著作権侵害と信じたのも無理はない」と判断される可能性はそこそこあるかとも思うのですが、著作権の専門家がやらかしたのであれば「重大な過失があった」と判断すべきではないかと私は思います。

Posted by: あむぁい | March 30, 2007 at 11:44 PM

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