【松本零士vs槇原敬之】槙原「証拠出せ」松本零士氏訴える
3月23日9時56分配信 日刊スポーツ
シンガー・ソングライター槙原敬之(37)が「『銀河鉄道999』のセリフを無断で使用された」と槙原を非難した漫画家松本零士氏(69)に対し、盗作の証拠提出を求める訴えを東京地裁に起こしていることが22日、分かった。証拠がない場合、2200万円の損害賠償も求めており、第1回口頭弁論が今月末に予定されている。
槙原と松本氏の盗作問題が、法廷闘争に持ち込まれた。槙原はこのほど、松本氏に盗作した証拠の提出を求める「著作権侵害不存在確認等請求」の訴えを東京地裁に提出した。証拠が示されなかった場合、仕事上のダメージを受けたとして、2200万円の損害賠償を求めるとしている。来週、第1回口頭弁論が予定されている。槙原の所属事務所は「代理人に任せているのでコメントできない」と話している。
盗作騒動が起こったのは昨年秋。松本氏が、槙原作詞・作曲の曲「約束の場所」(歌はケミストリー)の歌詞の一部が「『銀河鉄道999』のセリフの無断使用」として、槙原に謝罪を求めたことから始まった。問題の歌詞は「夢は時間を裏切らない 時間も夢を決して裏切らない」。松本氏は「銀河鉄道-」の「時間は夢を裏切らない 夢も時間を裏切ってはならない」のセリフを盗作したとマスコミに対して主張した。「ここ10年、私の講演テーマとして何度も若者に語りかけた言葉」として、槙原がセリフを知らないはずがないとした。
これに対し、槙原は盗作を完全否定した。自分の公式ホームページで「『銀河鉄道-』を個人的な好みから1度も読んだことがない。盗作の汚名を着せられた」と訴えた。騒動でCM放送休止のダメージも受け、逆に松本氏に「謝ってほしい」とした。
当初、双方とも法廷闘争に持ち込む意思は示さず、収束したとみられていた。しかし、槙原側はシンガーソングライターにとって最も屈辱的な「盗作者」とされたまま、活動を続けるのに納得できなかったようだ。昨秋から平行線だった両者の言い分は、司法の判断に委ねられた。
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まあ、安易に人のことを盗作者呼ばわりすると訴えられるということですかね。
損害賠償を2200万円と構成した根拠は不明ですが、名誉毀損か業務妨害というところでしょうか。
ところで、日刊スポーツの記事は、何故、「槙原敬之」は呼び捨てで、「松本零士」には、「氏」をつけるのでしょうか?記者には、松本零士氏が被害者であるという立場があるのかな、と思ってしまう扱いの差でした。ひょっとすると、僕の知らないメディアの慣行があるのかも知れませんが。
それは、さておき、
にも書きましたが、結論から言うと、「盗作」(著作権侵害の意味で使っています)にはあたらないと思います。
松本零士氏側の分が悪いでしょう。
槙原敬之氏側も、松本零士氏側は、「時間は夢を裏切らない 夢も時間を裏切ってはならない」というフレーズを知っていたか、知らなかったかという点について、非常にこだわりをお持ちのようです。ご両名がクリエイターであることを考えれば、当然といえば、当然なのですが、裁判という場において主要な論点となるのは、
①類似性
②依拠性
の2点のうち、①類似性の部分です。①類似性の要件が満たされない以上、②依拠性について論じる意味は、少なくとも著作権侵害の有無を検討する上では、ありません。
ちなみに、②の依拠性というのは、表現そのものに対する依拠であって、アイデアに対する依拠ではありません。
槙原敬之氏にとっては不本意かもしれませんが、「松本零士の作品からアイデアのインスピレーションを得たが、表現としては別物であるから、著作権侵害は存在しない」という判断が下されて勝訴することも理論的にはありえるのです。
(参考過去ログ)
著作権侵害の判断に関する私の見解が述べられています。
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Comments
J-CAST ニュース : 槇原が松本を「盗作問題」で提訴 泥仕合勝つのはどっちだ
http://j-cast.com/2007/03/23006379
槇原さんと松本さんの騒動をウオッチしてきた山口貴士弁護士は、今回の裁判について
「今回の提訴は安易な盗作騒ぎに警鐘をならすものと言えます。判決に至った場合、槇原氏側の『著作権侵害ではない』という主張が認められる可能性は高いと思いますし、短いフレーズに関する著作権侵害の判断基準について、参考となる判決が出されるのではないかと注目しています」
とJ-CASTニュースにコメントを寄せた。
Posted by: Name | March 24, 2007 07:30 PM
ナタリー - [槇原敬之 ] 松本零士氏とのいざこざが法廷に
http://natalie.mu/news/show/id/895
第1回口頭弁論は3月28日(水)午後1時30分から東京地裁526法廷で行われる(事件番号:平成19年(ワ)第4156号)。
Posted by: Name | March 28, 2007 06:35 AM
愛は時間を裏切らない 時間も愛を決して裏切らない
これ、いま僕が考えたフレーズで
槙原の歌も、松本零士の漫画も、一度も
聞いたことも、読んだこともない、
と言い張りますが
言い張っちゃえば
盗作には当たらないわけですね?
(証拠なんて、出るわけないし)
しかも、誰かが盗作だ、といったら
そいつを訴えて、勝訴できるわけですか
すごいなー、法律^^
個人的な考えでは、メディアが槙原の
悪口を言わなくなったのは
「名誉棄損」のせいだと思います。
恐ろしく、拡大解釈が可能な法で、
「悪法」としか言いようがないと思います。
思ったことを言っただけで、
「名誉棄損」が適用されてしまうなら
もはや「言論弾圧」です。
松本零士は、インタビューに答えているだけですし。
この判決が、おかしいのではないかと思っても、それを「言え」ば、また「名誉棄損」で訴えられる可能性があるから
だれも発言しない、という状況は、かなりおかしいと思います。
(だから、押尾のように、悪口言える状態になったやつは、ここぞとばかりに叩きまくる、という反動も出ます)
もちろん、盗作に限らず、トヨタリコールだろうが、ガス湯沸かし器だろうが、
怪しいという状況があっても、
「怪しい」ということを言っただけで、
じゃあ、証拠を出せ、出せないなら
「名誉棄損」で「営業妨害」だ、
ということになれば、メディアの発言機会が失われます
(それによって、事態の解明が遅れれば
損をするのは、当然、直接の被害者である、消費者、庶民でしょう)
「怪しい」ものを「怪しい」と
報道できなくなり
「思った」ことも、言えなくなれば
すでに言論弾圧です。
(言うまでもなく、松本零士の発言は
誹謗中傷でも、何でもありません。
中傷してれば別問題ですが。
中傷というのは、亀田兄弟の
「内藤ゴキブリ発言」とかのレベルでしょう)
今井美樹(だっけ?)も、
勝てないと分かってるから
「盗作」を取り下げましたし
(あきらかな盗作であっても、盗作だ、とすら言えない)
サイト主さんは、槙原ファンなので
槙原擁護派のようですが、
どうか想像してみてください。
自分の大好きな歌手の詞が(想像してください)
自分の大っ嫌いな歌手に、明らかに盗作され、
しかも、盗作だと、
誰もが思っていることを言われると、
そいつが、そんな歌は
聞いたこともないし、
パクってなどいない、
と言い張った挙句、
逆に、大好きな歌手の方を
「名誉棄損」で訴えて、
しかも勝訴する…。
個人的な(槙原の)好き嫌いでなく、
客観的な視点で見て、
はたしてそういう状況が
「まとも」なものであるかどうか
考えてください。
(といっても、槙原は、
そもそもパクってないんだから
前提がおかしい、みたいな
水掛け論になるんでしょうが…
槙原ファンは…)
Posted by: 通りすがりですよ | January 24, 2011 10:06 PM