« June 2007 | Main | August 2007 »

【参院選】民主60の圧勝=自民37、非改選含め過去最低-比例最後は公明・参院選議席確定【自民党惨敗】

民主60の圧勝=自民37、非改選含め過去最低-比例最後は公明・参院選議席確定

 第21回参院選は30日朝、比例代表の残り1議席を公明党が獲得し、改選121議席がすべて確定した。自民党は37議席しか得られず、過去最低だった1989年の36議席に次ぐ大敗を喫した。非改選と合わせても83議席と保守合同で臨んだ56年の参院選以降、最低となった。これに対し、民主党は選挙区、比例ともに自民党を引き離し、結党以来最高の60議席を獲得。参院第1党の座を自民党から奪った。
 公明党は選挙区で2勝3敗と惨敗、比例も7議席と伸び悩み、過去最低だった98年と同じ9議席だった。共産党は比例のみ3議席、社民党も同2議席で、いずれも退潮傾向に歯止めを掛けられなかった。国民新党は選挙区、比例で各1議席。比例候補のみ擁立した新党日本は1議席を獲得し、田中康夫代表が初当選した。 
 自民党が第1党から滑り落ちたのは初めて。選挙区では、これまで同党の「金城湯池」とされてきた改選数1の1人区で6勝23敗と大きく負け越したことが響いた。さらに、2人擁立した千葉と東京でも各1議席しか獲得できず、民主党が東京など5選挙区でそれぞれ2人を当選させたことと併せ、無党派層の多い大都市部での自民党の後退を印象付けた。
 比例は、民主党が約2325万票を得て20議席を獲得。約1654万票で14議席にとどまった自民党に、671万票の大差を付けた。最多得票は公明党の山本香苗氏で、102万票超だった。(了)

時事通信 2007/07/30-10:52

-----------------------------------

 オタクというマイノリティーにとって、参議院選挙は、良い結果でした。
 市民全体という観点から見ても、国民投票法案だ、教育基本法改定だ、少年法改定だ、刑事手続きへの被害者参加だ、共謀罪だと今まで、市民の自由を守るために機能してきたインフラを次々と数の力で押し通して来た、小泉=安倍自民党の横暴を食い止めたことの成果は大きいと思います。

 民主党自体、必ずしも、オタクの味方という訳ではないのですが、特に、児童ポルノ法の改正問題のときに尽力して頂いた議員さんたちが何人かいます。自民党よりも遥かにマシです。

 何より、自民党=公明党の与党ラインが多数決の勢いで、理性的な議論をすっとばしにして、オタク趣味の領域を蹂躙するということが難しくなったということは、非常に大きなプラスですし、また、川田龍平氏、田中康夫氏と言った表現の自由の問題について理解と見識のある無所属の議員が誕生したことも大いに喜ばしいことです。表現規制の問題のような、ニッチの問題について尽力して頂いた社民党が議席を減らしたのは残念でしたが。


(関連過去記事)

【雑感】安倍首相アキバで反応いまいち…参院選公示

| | Comments (1) | TrackBack (0)

【過払い金】灰色金利利息の請求、過払い発生時から可能 最高裁【グレーゾーン金利】

 灰色金利利息の請求、過払い発生時から可能 最高裁

 利息制限法の上限を超えて支払った「過払い」分を貸金業者に返還させる際の額の算定について争われた二つの訴訟の上告審判決で、最高裁第二小法廷(今井功、津野修各裁判長)は13日、原則として「過払いのあった時点」からの法定利息(年5%)も盛り込んで請求できるとの初判断を示した。借り手にとっては取り返せる額が増える有利な内容。全国で相次いでいる同種の訴訟に影響がありそうだ。

 利息制限法の上限(15~20%)を超える利息は本来無効だが、出資法で刑事罰が科されるのは29.2%。この中間の「グレーゾーン金利」での例外的な貸し付けについて、最高裁は04年、法で定められた借り手側への書面の交付に不備があった場合は無効で、借り手側は「過払い金」の返還を求められると判断。その後の06年にも、例外的にグレーゾーン金利を認める範囲を極めて狭める判決を出したため、返還請求が全国で急増した。

 過払い金は、取引経過に基づいて利息制限法の範囲内の利率で計算し直すことで、どの段階から発生したかが確認できる。発生した取引の時点から、過払い分に利息を併せて請求できるかどうかは、下級審で認めたり認めなかったりと判断が分かれていた。

 第二小法廷は「貸金業者は、グレーゾーン金利が許されない場合には、過払い金を借り手に返還すべきことを十分に認識しているというべきだ」と指摘。過払い金が発生した時点からの利息も返還請求できると判断した。ただし、「グレーゾーン金利が許されると認識する特段の事情があった」と業者側で証明できた場合は例外とした。

 対象となった二つの訴訟では、東京都と埼玉県の借り手が横浜市内の貸金業者「エイワ」に利息を付けて返還するよう請求。一、二審判決は利息分を認めなかった。第二小法廷は、業者に「特段の事情」があったかを調べさせるため、東京高裁に審理を差し戻した。グレーゾーン金利での例外的な貸し付けは、昨年の法改正により、09年末をめどに撤廃されることになっている。

asahi.com 2007年07月13日22時27分
---------------------------------------

利息制限法という法律では、有効に受領できる金利を借入額に応じて、
10万円未満       ⇒20%
10万円以上100万円未満⇒18%
100万円以上      ⇒15%
に制限しています。ちなみに、これまで、大部分の金融業者は出資法の上限金利である29.2%ぎりぎりの金利で貸付をしていました。

 利息制限法の金利を超える金利で借り入れをし、利息を支払っている人は利息を払いすぎていることになります(これがいわゆる「過払い」)。払いすぎた利息は元本の支払いに充てられるため、長年高い金利で利息を支払い続けてきた方や、高い金利で借り入れをして完済した方は、元本が完済になった後も支払っていることになり、これまで多く支払った利息分を貸主から取り返す(残債務があれば相殺する)ことができます。

(以下、ポイントです)

○概ね、5、6年以上借り入れと返済を繰り返していた人は、支払いすぎた利息分のお金が返ってくる可能性があります。無論、返済をしていることが大前提です。幾ら長期間にわたる借り入れをしていても、返済のための借り入れなどを繰り返している場合には、過払いがあったとしても、残債務と相殺されてしまい、お金が戻って来る可能性は低いです(それでも、残債務の額は減少します)。

○利息制限法を越える金利で借り入れをして完済をした場合には確実に過払い金が発生します。完済をした場合でも返還を請求することが出来ます。ただし、消滅時効にかかってしまった場合には駄目です。最高裁判所の判例によれば、過払い金返還請求権は、過払い金発生の日から10年で時効により消滅してしまいます。

○取引関係の書類をなくしてしまっていても、金融業者に対し、取引履歴の開示を求めることが出来ますから、書類がなくなっていても返還請求は可能です。

○過払い金返還請求をする場合には、訴訟がお勧めです。代理人(弁護士)を立てれば、法廷に出頭する必要は全くありません。訴訟外の交渉だと、貸主側は、当然のように、返還額を少しでも減らそうとして(貸金業者も必死です)、実際の過払い金額よりも値切ろうとして来ます。交渉の引き延ばしも図ってきます。過払いに対する利息の交渉で時間をつぶすよりも、とっとと、訴訟を起こしてしまった方が、より多目の回収が可能になりますし、回収時期も早まります。 私は、依頼者が反対しない限り、極端に少ない額の場合を除いて、全件訴訟を起こす主義です。

○今回の判決で重要なのは、過払いが発生した時点から5%の利息を付した上で返還の請求が出来るという点です。裁判を起こさないと満額回収できないのが面倒くさいですが、年利5%の預金みたいなものになったと言えるかも知れません。貸主が倒産してしまえば、それまでですが。

⇒ リンク総合法律事務所のホームページ

| | Comments (0) | TrackBack (2)

【学位商法】全大学教員対象、海外から授与された「ニセ学位」実態調査【イオンド大学】【ディプロマミル】

全大学教員対象、海外から授与された「ニセ学位」実態調査

教育活動の実態がないにもかかわらず、大学として博士号などのニセの学位を授与する海外の団体が増えているとして、文部科学省は、ニセの学位を持つ大学教員の実態調査に乗り出した。

 対象は国公私立すべての大学で、同省では、秋ごろに結果をまとめ、公表したいとしている。

 同省が「ニセ学位」を授与している疑いがあるとしているのは、アメリカ、中国、イギリス、オーストラリアに所在地を設定しているが、それぞれの国から大学と認定されていない団体。国内の各大学に対して、教員がこれらの団体が授与した学位を経歴に使用していないかや、この学位を基に採用されたり、昇進したりしていないかを尋ねる。

 同省によると、アメリカでは、大学と名乗る団体で取得した学位を就職などに悪用するケースが相次いでおり、こうした団体は「ディグリーミル(学位工場)」と呼ばれている。国内でも、国会などで、ニセ学位とみられる学位を持つ大学教員の存在が指摘されていた。

(2007年7月23日13時52分 読売新聞)

-----------------------------------------------

 文部科学省もニセ学位問題の解決に向けて動き出したようです。
 ニセ学位問題は、大学教員が箔付けのために使われるだけではなく、悪徳商法や詐欺的な商法における権威付けの小道具としても「活用」されていますから、経済産業省なり、警察庁も是非とも対策に関与して欲しいところです。典型的な例としては、


 ニセ学位問題の根絶のためには、ニセ学位を使用している大学関係者について調査をすることは勿論、供給元のディプロマ・ミルに対する対策も必須だと考えます。
 さしあたり、
 研究開発支援騒動ディレクトリReaD
 
 のキーワード検索を用いて調べるとすぐに分かります。例えば、「イオンド大学」とか、「国際学士院大学」、「パシフィックウェスタン大学」のようなディプロマ・ミルの名前を入れて検索をして見て下さい。 えっ、あの大学の先生が!というような有名大学の先生の中にもディプロマ・ミルから博士号を買っている人はいるものです。

(ReaDを使用して調べて見た一例)

早稲田大学 教育・総合科学学術院教授の岩淵匡氏 ⇒ 国際学士院大学から文学博士号東京理科大学 経営学部経営学科教授の土屋唯之氏 ⇒ イオンド大学から文学博士号
龍谷大学短期大学部社会福祉科教授の萬代愼逸氏  ⇒ イオンド大学から名誉博士号
奈良産業大学情報学部情報学科教授の花岡永子氏 ⇒ イオンド大学から名誉博士号
埼玉学園大学経営学部教授の西田義和氏 ⇒ イオンド大学から文学博士号
等などたくさんいらっしゃるようです。

(ディプロマミル問題に関する参考サイト)

学歴汚染(ディプロマミル・ディグリーミル=米国型学位商法による被害、弊害)

ディプロマミル(学位販売業者)対策に認定校データベースを公開


(拙ブログのバックナンバー)

イオンド大学の学位商法

【続】イオンド大学の学位商法

【イオンド大学】“ニセ学位”販売横行 文科省が「安全リスト」作成へ【学位商法】(ディプロマミル問題に関する参考サイト)

学歴汚染(ディプロマミル・ディグリーミル=米国型学位商法による被害、弊害)

ディプロマミル(学位販売業者)対策に認定校データベースを公開


(拙ブログのバックナンバー)

イオンド大学の学位商法

【続】イオンド大学の学位商法

【イオンド大学】“ニセ学位”販売横行 文科省が「安全リスト」作成へ【学位商法】

【イオンド大学】ザ・グレート・サスケさん、広告塔にはならないでね・・・。【学位商法】

| | Comments (0) | TrackBack (0)

【雑感】安倍首相アキバで反応いまいち…参院選公示

安倍首相アキバで反応いまいち…参院選公示

 夏の政治決戦の火ぶたが切られた。第21回参院選(7月29日投開票)が12日、公示された。猛烈な逆風下で結果次第では進退論が浮上しかねない安倍晋三首相(52)は、オタクの街、秋葉原で第一声を上げたが、無党派層が中心の若者の反応はもうひとつだった。

 安倍首相はノーネクタイの白いワイシャツにグレーのスラックス姿で、街宣車の上に立った。JR秋葉原駅前で午前11時からの演説で「私の戦いは、この場所から始まる」と絶叫。雨の中、熱のこもった口調で何度も身ぶり手ぶりで聴衆にアピール。討論会などで野党から袋だたきに遭っていた鬱憤(うっぷん)を、ぶちまけたかのような激しさだった。

 秋葉原といえば、オタク文化の聖地。首相サイドが、若者が中心の無党派層の取り込みを狙い、演説会場を設定したとみられる。この日は人気ゲームソフトの発売が重なり、街には午前中から多くの若者が集まっていたが、首相は切羽詰まっているせいか、ほとんど、ご当地ネタには触れずじまい。最後まで演説に聞き入った若者も、それほど多くはなかった。

 これまで、今回の選挙を「政策を訴え、国民に判断をいただく選挙だ」と繰り返し発言するなど、参院選の結果が進退問題に波及することを警戒してきた首相。この日も「(年金)問題は私の内閣で解決する」と強調し、何としても踏みとどまる姿勢を示した。

 その後は千葉、埼玉・川口、東京・渋谷を遊説。事実上の「安倍信任選挙」には、今後、どんなドラマが待っているのか。

(2007年7月13日06時02分 スポーツ報知)
----------------------------------------------

 いわゆるオタク(以下、「オタク」)から見れば、安倍首相は、自分たちの趣味について規制をかけようとする勢力の親玉以外の何者でもないわけで、オタク文化の聖地で若者から反応を求めるのは筋違い。むしろ、ブーイングが起きなかったことを安堵すべきではないかとも思います。

 これまでに、児童ポルノ法改定や青少年健全育成条例改定に反対する署名活動を主催してきたときからの雑感ですが、オタクは支持政党がないという意味からは、「無党派層」かも知れませんが、単に、支持政党がないという意味の無党派層とは意味が違うような気がします。そもそも、政治に無関心な人が多いのではないでしょうか。基本的な政治スタンスは、割と単純で、「ほっておいてくれ」あるいは、「余計な干渉をしないでくれ」というものだと思います。これまで、「お上」から口を出されることなく、他人に迷惑をかけることもなく、割とまじめに働き、税金を払い、法を守り、趣味の世界に生きてきた訳ですから、変化や改革を求めている、既存政党にはない何かを求めている、いわゆる「無党派層」とは質的には異なります。むしろ、これまでどおりの日常の継続を求めている訳です。

 ただ、このまま、政治的に無関心なままでは、どんどん規制が厳しくなり、趣味の世界におけるささやかな自由さえもを失いかねないことも事実です。政治に関心は持たざるを得なくなってきます。では、オタクとしての政治的なスタンスはどうあるべきか?

 オタクに必要なものはマイノリティーとしての自覚だと思います。マイノリティーは多数決の原理では絶対に勝てません。自らの意思を政策に反映させるためには、現実的な打算に基づく妥協と理性的な話し合いを政治的な多数派に対し、求めていく他はありません。政治的なマジョリティーは、往々にして、数の論理を背景に、マイノリティーの求めているささやかな自由や権利(権益?)さえも、往々にして、自らの支持基盤を固めるためのスケープゴートにしてしまいがちです。オタクにとって望ましい政治的な状況というのは、一勢力の思惑により物事がどんどんと進んでしまうことがない状況です。どんな政党(あるいは、政党内の派閥)が政権を取ろうとも、自らの政策を圧倒的な数の力で押し切って実現してしまうことが可能であるという状況は望ましくはありません。

 オタクである有権者が自分の趣味の世界を守ろうと欲するのであれば、多数派が対話を求める少数派の意見に謙虚に耳を傾けざるを得ない状況を実現する他に途はないのです。

| | Comments (2) | TrackBack (0)

【御礼】50万アクセス達成しました【祝!】

 2週間ほどヨーロッパに行っていました。
 学会出席と私が参加している某弁護団の関係での現地調査が目的です。

 成田からロンドンへ飛び、ユーロスターでブリュッセルへと移動し、そのままベルギーに一週間ほど滞在しました。それから、ユーロスターでロンドンに戻り、一週間ほどイギリスにいました。
 
 帰国してみるとこれまでの総合アクセス数が50万を超えていました。本日現在、 51万3095アクセスまでなっています。

 取り急ぎ、御礼を申し上げます。

| | Comments (2) | TrackBack (0)

« June 2007 | Main | August 2007 »