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こんにゃくゼリー、また幼児死亡 対策取られず17人目

こんにゃくゼリー、また幼児死亡 対策取られず17人目

国民生活センターは30日、兵庫県の男児(当時1歳9カ月)がこんにゃく入りゼリーをのどに詰まらせる事故が7月にあり、9月20日に死亡したと発表した。こんにゃくゼリーは子どもや高齢者には窒息の危険があるとされ、95年以来の死者はわかっているだけで17人となった。規制する法的な枠組みがないとして抜本的対策がとられず、被害が広がっている。

 センターによると、事故のあった製品は業界最大手「マンナンライフ」(群馬県富岡市)の「蒟蒻(こんにゃく)畑 マンゴー味」。凍らせたものを7月29日に祖母が与えたという。

 こんにゃくゼリーでは95~96年に8件の死亡事故が相次いだ。センターの注意喚起や業界団体の注意表示で97~04年は8年で3件と減ったが、05~07年の3年で5件と再び増加の兆しを見せている。昨年3月には三重県伊勢市で男児(当時7)が学童保育所でおやつに出されたゼリーで窒息死した。

 センターは昨年7月にも業界団体や国に対して事故防止策の検討を要望。しかし、食品衛生法を所管する厚生労働省は「食中毒対策など衛生面で危害の恐れがない」、日本農林規格(JAS)法所管の農林水産省は「表示の問題ではない」などと主張。いずれの省庁も現行の法体制では規制できないとして、「すき間事案」のままになっている。

 こんにゃくゼリーは通常のゼリーより硬く、弾力性が強いため、のどに詰まらせやすい。全国こんにゃく協同組合連合会や全日本菓子協会など業界3団体は昨年10月から商品袋の表面に「お子様や高齢者の方はたべないでください」と書いた統一警告マークを表示しているが、01年以降に事故が相次いだEU(欧州連合)や韓国では、既に販売が禁止されている。(上田学)

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 マンナンライフの話 これまでの事故を受けて、業界団体で協議し、商品に警告マークをつけてきた。表示を大きくするなど、消費者にさらにわかりやすく改良したい。製造を中止する考えは今のところない。

 佐野真理子・主婦連合会事務局長の話 これだけ多くの方が亡くなり、「行政のすき間」の商品として問題となっていたのに、行政が何もせず放置してきた結果、また1人亡くなった。警告マークをつけて済む問題ではないことが明らかになったし、そもそも高齢者や子どもが食べてはいけないお菓子が流通していること自体おかしい。早急に消費者庁を設置して、規制すべきだ。

2008年9月30日 朝日新聞
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安全な製品という観点は重要ですが、ちと行き過ぎがあるようです。

消費者にとって危険な製品を製造中止という対応は間違いではありませんが、蒟蒻畑というのは、決して万人にとって危険なものではなく、子供とかお年寄りに対してのみ危険な食品な訳です。
しかも、その危険性は、直接食べる本人に限定されます。周囲にも危険を及ぼす煙草などは違います。

蒟蒻畑を流通させてはいけないということは、蒟蒻畑を食べたい人に対し、「食べてはいけない」という押し付けをすることに他なりません。危険性についての周知徹底、製品形状の工夫という観点は非常に重要ですが、製造中止に追い込まれるという状況は明らかにおかしいと思いますし、「そもそも高齢者や子どもが食べてはいけないお菓子が流通していること自体おかしい」という発想それ自体、健康な大人の食生活、あるいは、嗜好の幅について、不当に制約する発想で非常に問題が大きいと思います。

もう一つ、蒟蒻畑だけが危険なのでしょうか?

例えば、餅はどうでしょうか?毎年、多くのお年寄りが餅をのどに詰まらせて亡くなります。
餅がお年寄りにとって危険な食品であることに疑いはありません。

下記のサイト(信用性については確認していません)


「こんにゃく入りゼリー」よりものどに詰まって死亡した件数が多い危険な食べ物ベスト10

によれば、「こんにゃく入りゼリー」よりものどに詰まって死亡した件数が多い危険な食べ物ベスト10は、

1位:もち(168例、「こんにゃく入りゼリー」の84倍危険)

2位:パン(90例、「こんにゃく入りゼリー」の45倍危険)

3位:ご飯(89例、「こんにゃく入りゼリー」の44.5倍危険)

4位:すし(41例、「こんにゃく入りゼリー」の20.5倍危険)

5位:あめ(28例、「こんにゃく入りゼリー」の14倍危険)

6位:だんご(23例、「こんにゃく入りゼリー」の11.5倍危険)

7位:おかゆ(22例、「こんにゃく入りゼリー」の11倍危険)

8位:流動食(21例、「こんにゃく入りゼリー」の10.5倍危険)

9位:カップ入りゼリー(11例、「こんにゃく入りゼリー」の5.5倍危険)

10位:ゼリー&しらたき(それぞれ4例、「こんにゃく入りゼリー」の2倍危険)

ということになりますが、これらトップ10について製造中止に追い込むような圧力が掛けられたという話は聞いたことがありません(私は、これらの食品について製造中止にせよと主張している訳ではありません。誤解なきよう)。

今回の蒟蒻畑製造中止の流れは、不公平、不合理なものです。

佐野真理子・主婦連合会事務局長の話 これだけ多くの方が亡くなり、「行政のすき間」の商品として問題となっていたのに、行政が何もせず放置してきた結果、また1人亡くなった。警告マークをつけて済む問題ではないことが明らかになったし、そもそも高齢者や子どもが食べてはいけないお菓子が流通していること自体おかしい。早急に消費者庁を設置して、規制すべきだ。

私は消費者庁構想推進派ですが、このようなバランスを欠いた意見を垂れ流されると消費者庁構想について国民の理念が得られなくなってしまうのではないかと、懸念してしまいます。

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Comments


こんにゃくゼリーという言葉からゼリーを連想してしまうのでしょうが、元々の呼び名は「フルーツこんにゃく」。ゼリーではなくてこんにゃくそのものなのです。
ディーゼル車は喘息と花粉症の原因だからすぐ廃止させろという声で発足間もない環境省が躍り上がって乗用車のディーゼル車を国内から追放し、大型車のみになってしまったように、こんどは発足しそうな消費者庁が一番手柄にするためのスケープゴートに利用しようとしているように思えます。

Posted by: こくちゃん | October 18, 2008 11:29 PM

『そもそものどに詰まらせる危険を持ち合わせている』餅と,『そもそも一般的には容易に口のなかで砕け,詰まらせる危険はないにも関わらず,例外的にその危険のある蒟蒻ゼリー』を比較することは,適当でないと思うのですが,いかがでしょうか?

Posted by: ジョルディ | March 04, 2009 12:30 AM

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