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【ホームオブハート関連訴訟】Veni vidi vici!【業務妨害的訴訟の破綻】

原告らの請求をいずれも棄却する。-再び、ホームオブハート関連事件で勝訴しました。

2008年12月9日付で、紀藤正樹、私(山口貴士)、ホームオブハートの被害者である山本ゆかりさん、同じく被害者のKさんを被告として損害賠償請求訴訟が提起された事件で、本日、東京地方裁判所527号法廷で判決が出されました。完全勝訴です。

訴訟を提起した原告側は弁護士も当事者も誰も出席しませんでした。敗訴を確信していたのだと思います。その意味で、ホームオブハート側が時効消滅していることが明らかな本件事件をあえて提起したことは、労力・金銭面で、他の関連事件への弁護団の戦力を殺ぐ業務妨害的事件の一貫であり、被害者への口封じ目的の不当訴訟であることは明らかだろうと思います。

なおホームオブハート全事件につき代理人が共通していますが、仮に時効消滅の理由が、訴訟提起遅延という、弁護士の怠慢によるものであるなら、弁護過誤である可能性もあります。

なおこの事件の原告は、2004年4月7日に、トシオフィス及びホームオブハートの施設から栃木県北児童相談所により一時保護された5名の児童(うち、2名は一時保護当時乳児)とその保護者3名の合計8人です。請求金額の合計は1億7000万円にもなります。

請求の理由は、紀藤正樹、山口貴士両弁護士、山本ゆかりさん、Kさんが共謀の上で、児童相談所に対して虚偽の通告を行った上で、5名の児童を「監禁」させたということ等ですが、その動機としては、XJAPANの元ヴォーカリストであるToshiこと出山利三を洗脳から解いてホームオブハートから決別させ、XJAPANに戻し、復活コンサートを武道館で行い、最後はXJAPANのメンバーであるYoshikiと抱き合うというストーリーのドキュメンタリー番組を捏造する、という企画に紀藤正樹、山口貴士、山本ゆかりさん、Kさんが加担し、Toshiこと出山利三を救出するためにメディアを使って騒動を起こし、ホームオブハートを陥れて抹殺するという計画の一環として、虚偽の通告を児童相談所に行ったという荒唐無稽な被害妄想としか言いようがない内容が訴状において臆面もなく語られていました。

まさに「でっちあげ」は、ホームオブハート、Toshiの方です。
このような訴訟に、子供たちを楯にして巻き込む感性が驚きです。彼らの属性をよくあらわしていると思います。

なお先行している東京地裁(平成19年2月26日判決)判決は、次のとおり判断していました。

・判決理由抜粋
 ホームオブハートが癒しの商品やサービスを提供する会社であるかのように装って、悩みをかかえている女性に女性スタッフを接近させ、具体的な悩みの内容とその原因、経歴、家族関係その他の個人情報を聞き出し、被告MASAYA(本名倉渕透)のコンサートなどに参加させた機会に、精神医学や心理学の知識を基礎とする自己啓発セミナーのノウハウを流用して、・・不安を煽り、困惑させて、このような罠にひっかかる女性の出現を待つことを共謀していたものとみるのが相当である。
 そして、このようにして罠にひっかかりセミナーに参加するようになった女性に対しては、さらに、精神医学や心理学の知識を基礎とする自己啓発セミナーのノウハウを流用してマインドコントロールを施し、被告MASAYAの言うことを聞かなかったり、セミナーへの参加を止めたりすると、地獄のようなつらい人生を送ることになると信じ込ませ、猜疑心を持たないようにすべきこと、思考を止めるべきこと並びに所持金が底をつくこと及び借金が返せなくなることに対する恐怖感をなくすべきであることという考え方を刷り込み、被告MASAYAの指示するとおり所持金や借入金を被告ホームオブハートに支払ってくれる人間に改造していったとみるのが相当である。また、このようにマインドコントロールされた状態を維持するために、思考を停止する訓練を継続させ、フィードバックやセラピーにより被告MASAYAの言うことが正しいと思いこませ続けた。
 (このような)目的及び手法をもってマインドコントロールされた状態に照らし意図的に陥れる行為は、社会通念に照らし、許容される余地のない違法行為であることは、明らかである。
 精神医学や心理学の知識を濫用してはならないことは当然のことであって、これらの知識を濫用して他人の心を傷つけることが、およそ血の通った人間のやるようなことではないことは、論をまたないところである。他人に考える余裕や反論する余裕を与えずに、特定の考え方、価値観に基づき集団で長時間一人の相手を罵倒し続けることは、精神的な拷問に等しく、相手の心に深い痛手を永遠に残すことになるのであって、このような行為がおよそ血の通った人間のやるようなことではないことも、また、論をまたないところである。


※ 下線は、山口によるもの。この判断は、ほぼ、2009年5月28日の高裁判決で維持されています。

これは速報です。3
【MASAYA】ホームオブハート、トシオフィス相手に控訴審でも勝訴しました。【TOSHI】【WANKU】
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Veni vidi vici! 今日は判決の日でした。

実は、訴えられていました。民事訴訟の被告でした(初めての経験です)。請求金額は何と合計1億7000万円!

このような業務妨害的な訴訟に加担した原告ら代理人(復代理人含む)弁護士は以下のとおり。

安田修 やすだ おさむ   第二東京弁護士会 大島総合法律事務所
野中信敬 のなか のぶたか 第二東京弁護士会 大島総合法律事務所
橋本幸子 はしもと さちこ 第二東京弁護士会 大島総合法律事務所

佐藤仁志 さとうひとし 東京弁護士会 新宿御苑法律事務所

遠藤一義 えんどうかずよし 東京弁護士会 芝綜合法律事務所

市河真吾 いちかわしんご 東京弁護士会 赤坂見附総合法律会計事務所

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【単純所持規制】自民、児童ポルノ改正案再提出へ 単純所持も規制【おかわり】

自民、児童ポルノ改正案再提出へ 単純所持も規制

自民党は27日、個人が趣味で児童ポルノの写真や映像を持つ「単純所持」も規制対象に加える児童買春・ポルノ禁止法改正案を今国会に提出する方向で最終調整に入った。29日の党法務部会で決定する見通しで、公明党にも共同提出を呼び掛ける。

 民主党は「恣意的な捜査を招く」として規制に消極的だが、自民党は単純所持を禁止していないのは主要8カ国(G8)で日本とロシアだけだと指摘し、政府、与党に再考を促す考えだ。

 法案は、与党時代に自公両党で共同提出したものとほぼ同じ内容で、インターネットのプロバイダー(接続業者)に捜査協力や被害拡大防止の努力義務を課すことなども盛り込んでいる。

 先の通常国会では、購入などを規制する対案を提出した民主党と自公両党が修正協議を進めていたが、衆院解散で廃案になった。社民党は「表現の自由を侵す」として規制強化に慎重姿勢を示しており、与党の足並みの乱れを誘う狙いもありそうだ。
2009/10/27 18:58 【共同通信】
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廃案になった法案とほぼ同一内容です。その問題点については、

文藝春秋社 「日本の論点」掲載の拙稿「現行児童ポルノ法では不十分か? 安易な規制強化の持つ危険性 」をご参照ください。

自民党・公明党の改定案は、議員立法で提出されます。

民主党の改訂案は議員立法ではなく、政府提出法案として提出されることになると思います。実際には、民主党案と言うよりも、連立三与党案ということになります。何故ならば、民主党は、政府・与党の二元的意思決定を一元化するため、議員立法は原則的に抑制しようとしているからです。

ポイントは政府提出法案には閣議決定が必要ということです。閣議決定は全員一致でなされます。ということは、
社民党の福島瑞穂氏、国民新党の亀井静香氏の同意も必要ということになります。逆に言えば、両氏は拒否権を持つということになります。

福島瑞穂氏は、自身のブログにおいて単純所持規制について慎重な立場であることを言明されております。

国民新党も、単純所持規制、創作物規制には反対の立場のようです。

与党である社民党、国民新党に対する応援、支援は重要です。

ちなみに、民主党の枝野幸男元政調会長は、民主党案について、

「自民・公明両党にズルズル規制強化されようとしていた中での歯止めとしてはぎりぎりベストだった」

「その後、政治状況は変わった。民主党案でも、女優宮沢りえさんの十代の時の写真集『Santa Fe(サンタフェ)』も対象に入り、捜査権乱用の懸念は残る。もう一度検証し直さないと」

と述べておられます(【特報】 『児童ポルノ所持罪』考 少女性虐待なくせぬ 東京新聞 2009年10月25日より)。

民主党案の内容を簡単に説明します。

現行法における児童ポルノの定義は、児童ポルノ禁止法第2条第3項の各号において
一 児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態
二 他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
三 衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの

となっていますが、民主党案は、全般的な厳罰化に加えて、
①第三号を削除し、
②第二号について、「殊更に他人が児童の性器等を触り、若しくは児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態又は殊更に児童の性器等が露出され、若しくは強調されている児童の姿態」に改めています。

民主党案が主観的かつ曖昧とされていた第三号を削除することは高く評価できます。

が、問題は、「殊更に他人が児童の性器等を触り、若しくは児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態又は殊更に児童の性器等が露出され、若しくは強調されている児童の姿態」の定義のうち、「殊更に児童の性器等が露出され、若しくは強調されている児童の姿態」という部分です。

児童ポルノ禁止法における「性器等」には、「乳首」も含まれるために、いわゆる芸術的ヌードの類も全て規制の対象になってしまう。例えば、宮沢りえの「サンタフェ」なども規制の対象となってしまい、現行法よりも規制の範囲が拡大されてしまい、表現の自由との関係で大いに問題があることは否定できません。

枝野幸男議員の発言は、このような民主党案の問題点を正面から直視するものであり、民主党が強調する表現の自由の尊重と合致するものです。

無論、民主党の中にも、小宮山洋子議員のように、

「児童ポルノ禁止法の改正は必ずやります。(二十六日開会の)臨時国会は提出法案を絞るので難しいとおもうが、先の与野党協議はあとひと息で合意するところまで来ていたんですから」(【特報】 『児童ポルノ所持罪』考 少女性虐待なくせぬ 東京新聞 2009年10月25日より)

と息巻いている方もいるので安心はできないのですが。

児童の人権、表現の自由、捜査権力による人権侵害の防止の3つの観点からバランスの取れた規制の導入が現実化出来る日は近付きつつあるのかも知れません。

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<亀井金融担当相>「家族間の殺人事件増加」で経団連を批判

<亀井金融担当相>「家族間の殺人事件増加」で経団連を批判

10月5日21時14分配信 毎日新聞
 亀井静香金融・郵政担当相は5日、東京都内で行われた講演会で、「日本で家族間の殺人事件が増えているのは、(大企業が)日本型経営を捨てて、人間を人間として扱わなくなったからだ」と述べ、日本経団連の御手洗冨士夫会長に「そのことに責任を感じなさい」と言ったというエピソードを紹介した。御手洗会長は「私どもの責任ですか」と答えたという。

 会員制情報誌「内外ニュース」主催の講演会で述べた。亀井担当相は御手洗会長との会談時期については明らかにしなかったが、関係者によると、8月の衆院選前とみられる。

 亀井担当相は講演で「昔の大企業は苦しい時に内部留保を取り崩して下請けや孫請けに回した。今はリストラだけをしている」と話し、昨秋以降の経済危機で、派遣契約解除などをした大企業の批判を展開。「(大企業が)小泉改革に便乗して日本型経営を捨てたことが社会をおかしくした。責任を感じなければだめだ」と企業の経営姿勢や経団連を批判した。【井出晋平】
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えーと、そもそも、家族間殺人が増えているという統計が存在するのでしょうか?
昨年よりも、自殺は、増えているようなので、自殺者の増加を例えに出せば、説得力があったのかも知れないのですが。長期的に見ると殺人数は全体として減少系傾向にあるので、家庭内殺人も、高度成長期よりは少なくなっている筈です。
全殺人における割合を問題にすることもあまり意味はありません。性質上、家庭内殺人を減らすことは難しいのです。警察官を増員するなどの治安対策を行っても、家庭内をパトロールする訳にはいかず、犯罪を減らす為の警察の努力が報われにくい分野なのです。全体の殺人数が減っても、同じ比率で家庭内殺人は減らない筈なので、相対的に家庭内殺人の割合は増える筈です。

こういう統計的な事実を分からずに、感覚だけで適当なことを言う人は、いつまた、

ゲームや漫画が犯罪を誘発する

とか、何の根拠もない思い付きだけを根拠に表現の自由を制約しようとするかも知れないので、不安でしょうがありません。

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【検索は】国会図書館の本、ネット配信へ【どうするの?】

国会図書館の本、ネット配信へ

 国立国会図書館の所蔵する書籍のデジタルデータを、インターネットを通じて有料配信する構想が動き出すことになった。

 経済産業省が国会図書館や関係団体とともに、権利処理や収益分配など具体的なビジネスモデルを検討する委員会を近く設ける予定で、29日、出版社団体の日本書籍出版協会は委員会への参加を決めた。著作者団体の日本文芸家協会も加わる見通しだ。構想が実現すれば、国内の書籍について新たな流通の仕組みが誕生する。

 国会図書館は著作権の切れた明治・大正の書籍のデジタル画像化を進め、ネット上の「近代デジタルライブラリー」ですでに約15万冊を無料公開している。

 さらに今年6月の著作権法改正で、国会図書館は資料保存のために、著作者の許諾を得ずにデジタル化できることになった。今年度の補正予算で、1968年までに受け入れた約90万冊のデジタル化が実現する。

読売新聞2009年9月30日(水)10:55
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テキストではなく、JPEGです。

これでは、検索が出来ません。検索できないんじゃ、デジタルデータ化の意味は半減しますね。
何で、こんな仕様にしたんだろ?
コピペによる著作権法違反行為を誘発しないようにするためかな?

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