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【単純所持規制】自民、児童ポルノ改正案再提出へ 単純所持も規制【おかわり】

自民、児童ポルノ改正案再提出へ 単純所持も規制

自民党は27日、個人が趣味で児童ポルノの写真や映像を持つ「単純所持」も規制対象に加える児童買春・ポルノ禁止法改正案を今国会に提出する方向で最終調整に入った。29日の党法務部会で決定する見通しで、公明党にも共同提出を呼び掛ける。

 民主党は「恣意的な捜査を招く」として規制に消極的だが、自民党は単純所持を禁止していないのは主要8カ国(G8)で日本とロシアだけだと指摘し、政府、与党に再考を促す考えだ。

 法案は、与党時代に自公両党で共同提出したものとほぼ同じ内容で、インターネットのプロバイダー(接続業者)に捜査協力や被害拡大防止の努力義務を課すことなども盛り込んでいる。

 先の通常国会では、購入などを規制する対案を提出した民主党と自公両党が修正協議を進めていたが、衆院解散で廃案になった。社民党は「表現の自由を侵す」として規制強化に慎重姿勢を示しており、与党の足並みの乱れを誘う狙いもありそうだ。
2009/10/27 18:58 【共同通信】
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廃案になった法案とほぼ同一内容です。その問題点については、

文藝春秋社 「日本の論点」掲載の拙稿「現行児童ポルノ法では不十分か? 安易な規制強化の持つ危険性 」をご参照ください。

自民党・公明党の改定案は、議員立法で提出されます。

民主党の改訂案は議員立法ではなく、政府提出法案として提出されることになると思います。実際には、民主党案と言うよりも、連立三与党案ということになります。何故ならば、民主党は、政府・与党の二元的意思決定を一元化するため、議員立法は原則的に抑制しようとしているからです。

ポイントは政府提出法案には閣議決定が必要ということです。閣議決定は全員一致でなされます。ということは、
社民党の福島瑞穂氏、国民新党の亀井静香氏の同意も必要ということになります。逆に言えば、両氏は拒否権を持つということになります。

福島瑞穂氏は、自身のブログにおいて単純所持規制について慎重な立場であることを言明されております。

国民新党も、単純所持規制、創作物規制には反対の立場のようです。

与党である社民党、国民新党に対する応援、支援は重要です。

ちなみに、民主党の枝野幸男元政調会長は、民主党案について、

「自民・公明両党にズルズル規制強化されようとしていた中での歯止めとしてはぎりぎりベストだった」

「その後、政治状況は変わった。民主党案でも、女優宮沢りえさんの十代の時の写真集『Santa Fe(サンタフェ)』も対象に入り、捜査権乱用の懸念は残る。もう一度検証し直さないと」

と述べておられます(【特報】 『児童ポルノ所持罪』考 少女性虐待なくせぬ 東京新聞 2009年10月25日より)。

民主党案の内容を簡単に説明します。

現行法における児童ポルノの定義は、児童ポルノ禁止法第2条第3項の各号において
一 児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態
二 他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
三 衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの

となっていますが、民主党案は、全般的な厳罰化に加えて、
①第三号を削除し、
②第二号について、「殊更に他人が児童の性器等を触り、若しくは児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態又は殊更に児童の性器等が露出され、若しくは強調されている児童の姿態」に改めています。

民主党案が主観的かつ曖昧とされていた第三号を削除することは高く評価できます。

が、問題は、「殊更に他人が児童の性器等を触り、若しくは児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態又は殊更に児童の性器等が露出され、若しくは強調されている児童の姿態」の定義のうち、「殊更に児童の性器等が露出され、若しくは強調されている児童の姿態」という部分です。

児童ポルノ禁止法における「性器等」には、「乳首」も含まれるために、いわゆる芸術的ヌードの類も全て規制の対象になってしまう。例えば、宮沢りえの「サンタフェ」なども規制の対象となってしまい、現行法よりも規制の範囲が拡大されてしまい、表現の自由との関係で大いに問題があることは否定できません。

枝野幸男議員の発言は、このような民主党案の問題点を正面から直視するものであり、民主党が強調する表現の自由の尊重と合致するものです。

無論、民主党の中にも、小宮山洋子議員のように、

「児童ポルノ禁止法の改正は必ずやります。(二十六日開会の)臨時国会は提出法案を絞るので難しいとおもうが、先の与野党協議はあとひと息で合意するところまで来ていたんですから」(【特報】 『児童ポルノ所持罪』考 少女性虐待なくせぬ 東京新聞 2009年10月25日より)

と息巻いている方もいるので安心はできないのですが。

児童の人権、表現の自由、捜査権力による人権侵害の防止の3つの観点からバランスの取れた規制の導入が現実化出来る日は近付きつつあるのかも知れません。

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