【表現の自由】第28期東京都青少年問題協議会パブリックコメント募集【青少年健全育成の枠外では?】
第28期東京都青少年問題協議会答申素案及び都民意見の募集について
第28期東京都青少年問題協議会答申素案に関するパブリックコメントの募集が始まりました。
平成21年11月26日(木曜日)~平成21年12月10日(木曜日)
答申素案の主なポイント1 ネット・ケータイに関する青少年の健全育成について
* 青少年にとって安全・安心な携帯電話を、都が推奨する制度を創設すべきである。* 不健全な行為を意図的に行った青少年の保護者に対し、指導・勧告等を行い、責任の自覚を促すべきである。
* 青少年が使用する携帯電話について、保護者が容易にフィルタリングを解除できないよう手続きを厳格化すべきである。
* フィルタリングから除外されるべきサイト基準について、実態に照らし、青少年が被害に遭わないものにするため、条例への規定や第三者認定機関への要請等を行うべきである。
2 児童を性の対象として取り扱うメディアについて
* 児童ポルノを始め、児童を性の対象として取り扱うメディアの根絶・追放のため、機運の醸成と環境の整備に努めるべきである。* 国に対し、児童ポルノの「単純所持」の処罰化を強く要望すべきである。
* いわゆる「ジュニアアイドル誌」へ子どもの売り込みを行った保護者に対する指導・勧告の仕組みを検討すべきである。
* 児童を性の対象とする漫画等のうち、著しく悪質な内容のものを、追放の対象として明確化するとともに、「不健全図書」の指定対象に追加すべきである。
* 児童・生徒の性行為を描写した、小・中学生を対象とする「ラブ・コミック」を、レーティング(推奨年齢の表示)の対象とすべきである。
各論はさておき、私としては、「大人でも見てはいけない」というスタンスを答申案に平然と盛り込んできたということに、非常に強い違和感というか嫌悪感を感じました。
青少年健全育成条例の合憲性を肯定した最高裁判例も、内容規制ではなく、時・場所・方法の規制であり、18歳以上の者に対する販売・流通が可能なこと、これ自体を問題視しないことを合憲判断の前提にしています。
当局もそのことをもって、「検閲」、「表現弾圧」という批判をかわして来ました。うわべだけにせよ、表現の自由に対する敬意は示してきたわけです。このような、歴史的な経緯を無視するような内容を公の文章の載せるあたりに単なる無知・愚かさを超えた、傲岸さ不気味さを感じます。
各方面から反対意見をぶつける必要があります。これまでとは違い、都議会もオール与党体制ではありませんし、この問題に理解を示して下さる議員さんもたくさんいます。世論の声の後押しがあれば、規制強化の流れは潰せる筈です。
我々は冷静かつ賢明な形で東京都にプレッシャーを与えなくてはなりません。
(重要!)
「都民」でなければ意見を送れないという誤解もあるようですが、意見を送るには別に都民でなくても構いません。
東京は首都(※)です。東京には日本のメディア産業、出版産業のほとんどが集約されています。そのメディア政策は東京だけではなく、全国的に影響しますし、東京都の条例の存在自体が悪しき先例となり、全国に広がる可能性は高いです。そのような懸念があることを明示し、東京在住以外の方もどんどん意見を送って下さい。
(※)日本の首都を直接定める現行法令は存在しませんが、首都圏整備法は東京が首都であることを前提にしています。
(参考過去記事)
児童ポルノ改正、再提出へ 自民「単純所持」禁止