『表現規制反対』というワンテーマに絞った投票参考資料
「国破れて漫画在り」でいいのか、というツッコミは御勘弁下さいw
【『表現規制反対』という観点から見た好ましくない政治情勢】
⇒ 民主党が大敗し、民主党が、国民新党との連立、社民党の閣外協力でも足りず、公明党と連立を余儀なくされる程、参議院の議席数を減らすこと。
※ 民主党も公明党も中道左派政党であり、公明党から見た場合、中道右派ないし保守政党である自民党よりも政策は近く、連立はしやすい。
⇒ 小川敏夫(民主党・東京選挙区)、福島瑞穂(社民党・比例)、保坂展人(社民党・比例)、蓮舫(民主党・東京選挙区)の落選。
【各政党の表現規制に対する立場の整理の視点】
○児童ポルノ法改正(単純所持規制、創作物規制)
○東京都青少年健全育成条例改正(単純所持規制、創作物規制、ネット規制等)
【各政党の立ち位置】
<民主党>
○児童ポルノ法改正(単純所持規制、創作物規制)
⇒ 反対
(備考)規制推進派の議員はいるが、首相(菅直人)、官房長官(仙石由人)、幹事長(枝野幸男)はいずれも規制反対派であり、他にも規制反対派議員は多く、党(内閣)としては反対派が有力と言える。菅直人政権は、『表現規制反対』という一点からみれば、過去に例を見ない「優良」な政権と言える。
○東京都青少年健全育成条例改正(単純所持規制、創作物規制、ネット規制等)
⇒ 反対
(備考)6月都議会における否決の原動力、民主党国会議員も反対派の民主党都議をバックアップしてくれた
<自民党>
○児童ポルノ法改正(単純所持規制、創作物規制)
⇒ 賛成
(備考)自民党総裁(谷垣禎一)は、単純所持、創作物規制のいずれにも積極的
(備考)かつては規制慎重派の議員もいたが(早川忠孝等)、昨年の選挙で全て落選してしまったのか、規制慎重派の議員は見当たらない。
○東京都青少年健全育成条例改正(単純所持規制、創作物規制、ネット規制等)
⇒ 賛成
(備考)反対派がロビイングに行っても一部の例外(弁護士会によるロビイング等を除き)、直接の面談にすら応じていない。
(備考)反対派の議論に対し、終始、野次と人格攻撃に終始した。
○その他
青少年健全育成基本法の制定を2010参議院選挙の公約として明記「近年の青少年の非行や犯罪被害等の深刻な状況に対し、青少年を健全に育むことができるよう、「青少年健全育成基本法」の制定をはじめ有効な法整備を図る」 (14ページ、156項)
<公明党>
○児童ポルノ法改正(単純所持規制、創作物規制)
⇒ 賛成
○東京都青少年健全育成条例改正(単純所持規制、創作物規制、ネット規制等)
⇒ 賛成
(備考)この党については多言を要しない
<社民党>
○児童ポルノ法改正(単純所持規制、創作物規制)
⇒ 反対
(備考)福島瑞穂、保坂展人、辻元清美はいずれも規制反対派
○東京都青少年健全育成条例改正(単純所持規制、創作物規制、ネット規制等)
⇒ 反対
(備考)都議会に議席を有していないため、国会議員、議員経験者の見解による。
<共産党>
○児童ポルノ法改正(単純所持規制、創作物規制)
⇒ 反対
○東京都青少年健全育成条例改正(単純所持規制、創作物規制、ネット規制等)
⇒ 反対
<国民新党>
○児童ポルノ法改正(単純所持規制、創作物規制)
⇒ 反対
(備考)規制推進派の議員もいるが、亀井静香は規制反対派の立場を取る。
○東京都青少年健全育成条例改正(単純所持規制、創作物規制、ネット規制等)
⇒ 不明
<新党日本>※参議院選挙に候補者なし
○児童ポルノ法改正(単純所持規制、創作物規制)
⇒ 反対
○東京都青少年健全育成条例改正(単純所持規制、創作物規制、ネット規制等)
⇒ 反対
<立ち上がれ日本>
○児童ポルノ法改正(単純所持規制、創作物規制)
⇒ 賛成?
○東京都青少年健全育成条例改正(単純所持規制、創作物規制、ネット規制等)
⇒ 賛成?
<みんなの党>
○児童ポルノ法改正(単純所持規制、創作物規制)
⇒ 党として見解なし(※)
○東京都青少年健全育成条例改正(単純所持規制、創作物規制、ネット規制等)
⇒ 党として見解なし(※)
(※)みんなの党には、規制推進派、規制反対派の両方がいます。どちらかの立場に党論を統一する考えはなく、党議拘束もかけないようです。
(備考)規制推進派最強硬派の一人と言える後藤啓二弁護士が比例代表の候補者になっています。
子どもより「児童ポルノ漫画家」の側に立つことを選んだ民主党に政権を任せて日本はどうなるのか
児童ポルノを楽しむことは自由だという民主党政権に国を任せて大丈夫か
<新党改革(舛添新党)>
○児童ポルノ法改正(単純所持規制、創作物規制)
⇒ 賛成?
○東京都青少年健全育成条例改正(単純所持規制、創作物規制、ネット規制等)
⇒ 賛成?
(備考)舛添要一は、自民党時代は、児童ポルノ法改正(単純所持規制、創作物規制)に賛成であり、また、青少年健全育成基本法の制定にも熱心だった。
<幸福実現党>
○児童ポルノ法改正(単純所持規制、創作物規制)
⇒ 党として見解なし(※)
○東京都青少年健全育成条例改正(単純所持規制、創作物規制、ネット規制等)
⇒ 党として見解なし(※)
(※)今年、6月3日、東京・新宿の「ネイキッドロフト」で、本紙主催のトークライブ「幸福の科学ナイトだぜよ!」において、私自身が直接聞いたところ、元党首、広報本部長代理の饗庭直道の個人的な見解としては、
○児童ポルノ法改正(単純所持規制、創作物規制)
⇒ 反対
○東京都青少年健全育成条例改正(単純所持規制、創作物規制、ネット規制等)
⇒ 反対 エル・カンターレのやおい本作ってもOK
との回答がありました。
2010.6.22 New!
3年前の参院選のときに書いた記事です。
【雑感】安倍首相アキバで反応いまいち…参院選公示
大分状況が変わってしまいましたね。
これまでに、児童ポルノ法改定や青少年健全育成条例改定に反対する署名活動を主催してきたときからの雑感ですが、オタクは支持政党がないという意味からは、「無党派層」かも知れませんが、単に、支持政党がないという意味の無党派層とは意味が違うような気がします。そもそも、政治に無関心な人が多いのではないでしょうか。基本的な政治スタンスは、割と単純で、「ほっておいてくれ」あるいは、「余計な干渉をしないでくれ」というものだと思います。これまで、「お上」から口を出されることなく、他人に迷惑をかけることもなく、割とまじめに働き、税金を払い、法を守り、趣味の世界に生きてきた訳ですから、変化や改革を求めている、既存政党にはない何かを求めている、いわゆる「無党派層」とは質的には異なります。むしろ、これまでどおりの日常の継続を求めている訳です。
ただ、このまま、政治的に無関心なままでは、どんどん規制が厳しくなり、趣味の世界におけるささやかな自由さえもを失いかねないことも事実です。政治に関心は持たざるを得なくなってきます。では、オタクとしての政治的なスタンスはどうあるべきか?
という認識に変わりはありませんが、
オタクにとって望ましい政治的な状況というのは、一勢力の思惑により物事がどんどんと進んでしまうことがない状況です。どんな政党(あるいは、政党内の派閥)が政権を取ろうとも、自らの政策を圧倒的な数の力で押し切って実現してしまうことが可能であるという状況は望ましくはありません。オタクである有権者が自分の趣味の世界を守ろうと欲するのであれば、多数派が対話を求める少数派の意見に謙虚に耳を傾けざるを得ない状況を実現する他に途はないのです。
については、ここまで、規制推進、規制反対の旗色が明確になることは予想していなかった時点での見解であったと認めざるを得ません。
今回の東京都青少年健全育成条例改正案は、
① 単純所持規制、
② 創作物規制、
③ インターネット規制、
④ 不健全(有害)図書、
⑤ 「自主規制」の在り方、
⑥ 親子の問題に対する行政の介入の是非と程度、
⑦ 政策決定プロセスの透明性
と表現規制問題に関する論点が一通り網羅されていて、しかも、結果的には、少数者の声を聞く耳があるか、のバロメーターともなってしまいました。
東京都青少年健全育成条例改正案に対する各政党の姿勢は、
各候補・各政党の「表現の自由」への意識は、国民に対し開かれているか、少数者の声を聞く耳があるか、のバロメーターでもある。決してオタクの私的利害に留まる問題じゃないですよ。
という問題提起に対する明確な回答となっていると思います。