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実在児童の人権擁護基金を作りました

実在児童の人権擁護基金を作りました。

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「ハヤシファンド」,「エンジェルファンド」,「トップファンド」などについて被害回復手続を検討している方々へ

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【12月3日(金)午後1時】「東京都青少年健全育成条例改正を考える会」が記者会見を行います。

日時:2010年12月3日(金)

時間:午後1時~

場所:東京都庁記者クラブ(都庁第1庁舎6F)

テーマ:「東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例案」の問題点について

主催:「東京都青少年健全育成条例改正を考える会」
(共同代表:藤本由香里(明治大学准教授)・山口貴士(弁護士・リンク総合法律事務所))

<登壇者>
河合幹雄(桐蔭横浜大学法学部法律学科教授)
呉智英(評論家・日本マンガ学会会長)
こうの史代(マンガ家)
高沼英樹(出版倫理協議会委員)
竹宮惠子(マンガ家、京都精華大学マンガ学部学部長)
西谷隆行(児童と表現のあり方検討委員会委員)
山田健太(日本ペンクラブ 言論表現委員会・委員長)
山中 恒(児童文学者)
藤本由香里(明治大学教授准教授)
山口貴士(弁護士・リンク総合法律事務所)

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第7条第2号から見える「東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例」の問題点

第156号議案「東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例」の条文のうち、一番、「基本」になっているのが、第7条第2号という条文です。この条文の意味をつらつらと考えているうちに、幾つかの疑問が湧いてきました。

第七条 図書類の発行、販売又は貸付けを業とする者並びに映画等を主催する者及び興行場(興行場法(昭和二十三年法律 第百三十七号)第一条の興行場をいう。以下同じ。)を経営する者は、図書類又は映画等の内容が、青少年に対し、性的感情を刺激し、残虐性を助長し、又は自 殺若しくは犯罪を誘発し、青少年の健全な成長を阻害するおそれがある次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、相互に協力し、緊密な連絡の下に、当該図書類又は映画等を青少年に販 売し、頒布し、若しくは貸し付け、又は観覧させないように努めなければならない。

一 青少年に対し、性的感情を刺激し、残虐性を助長し、又は自殺若しくは犯罪を誘発し、青少年の健全な成長を阻害するおそれがあるもの

二 漫画、アニメーションその他の画像(実写を除く。)で、刑罰法規に触れる性交若しくは性交類似行為又は婚姻を禁止されている近親者間における性交若しくは性交類似行為を、不当に賛美し又は誇張するように、描写し又は表現することにより、青少年の性に関する健全な判断能力の形成を妨げ、青少年の健全な成長を阻害するおそれがあるもの

(平四条例一九・平一三条例三〇・一部改正)


(1)第7条第1号の

「青少年に対し、性的感情を刺激し、残虐性を助長し、又は自殺若しくは犯罪を誘発し、青少年の健全な成長を阻害するおそれがあるもの」

という条文はそのまま残されています。また、第1号の条文に含まれるものであれば、改めて規制対象を拡大する必要もない筈です。である以上、追加予定の第2号の

「漫画、アニメーションその他の画像(実写を除く。)で、刑罰法規に触れる性交若しくは性交類似行為又は婚姻を禁止されている近親者間における性交若しくは性交類似行為を、不当に賛美し又は誇張するように、描写し又は表現することにより、青少年の性に関する健全な判断能力の形成を妨げ、青少年の健全な成長を阻害するおそれがあるもの」

は、第7条第1号の

「青少年に対し、性的感情を刺激し、残虐性を助長し、又は自殺若しくは犯罪を誘発し、青少年の健全な成長を阻害するおそれがあるもの」

には該当しないということになります。

つまり、東京都の提案した改正案を前提としても、第7条第2号規定に該当する表現である

「漫画、アニメーションその他の画像(実写を除く。)で、刑罰法規に触れる性交若しくは性交類似行為又は婚姻を禁止されている近親者間における性交若しくは性交類似行為を、不当に賛美し又は誇張するように、描写し又は表現することにより、青少年の性に関する健全な判断能力の形成を妨げ、青少年の健全な成長を阻害するおそれがあるもの」

は、
① 性的感情を刺激せず、
② 残虐性を助長せず、
③ 自殺若しくは犯罪を誘発しない

表現、すなわち、問題のない表現ということになります。このように、第7条第2号の存在それ自体、今回の条例改正が不要であることを明らかにしていると言えます。

(2)「刑罰法規に触れる性交若しくは性交類似行為」を考えているうちに、疑問が湧いてきました。「刑罰法規に触れる性交若しくは性交類似行為」は要するに犯罪ということです。

現行法を基準にして考えた場合、「刑罰法規に触れる性交若しくは性交類似行為」には、強姦、強制わいせつ、売春、児童買春、淫行条例違反、児童福祉法違反の「性交若しくは性交類似行為」が含まれることになります。

しかしながら、刑罰法規には、時間的な制約と場所的な制約があります。

(時間的な制約)
⇒刑罰法規の施行時以前に遡及することは出来ない

(場所的な制約)
⇒法律:基本的に日本国の主権が及ぶ範囲にしか及ばない(国外犯処罰等は考えず、敢えて、大雑把に論じています。)
⇒条例:当該自治体にしか及ばない

時間的な制約という観点から考えると、過去の時代について描いた場合はどうなるのでしょうか?

例えば、江戸時代では、売買春は合法ですし、性交の最低年齢も決まっていません。領主の初夜権等もあったでしょうし、そもそも、権力者に逆らうこと自体が許されない時代、あるいは、奴隷制度が存在する時代もあります。そのような時代には、被支配者や奴隷に対し性行為を強要しても何ら違法性の問題は生じないでしょう。

直近の例を挙げます。東京都には、いわゆる淫行規定は2005年6月まで存在しませんでした。長野県には今でも淫行規定はありません(長野県内の自治体独自のものはある)。

場所的な制約との関係で言えば、国ごとに法律は異なります。自治体ごとに条例は異なります。

例えば、東京都の淫行規定は青少年を処罰の対象にはしません。他の都道府県には青少年をも処罰の対象にするものもあります。なお、処罰の対象となるならないにかかわらず、「刑罰法規に触れる」と解釈する余地もあります。

創作物であれば、時代・場所の設定は自由ですし、架空の時代、そもそも、全く価値基準の異なる世界を舞台とする場合もあるでしょう。このような創作物について、現在の刑罰法規を基準として、規制の対象とすることは、ナンセンスという他はありません。

(3)前にも述べたとおり、「刑罰法規に触れる性交若しくは性交類似行為」は要するに犯罪ということです。しかしながら、犯罪を犯すことと、「犯罪について表現すること」は違います。「犯罪について表現すること」を規制の論拠にすることは、危険な一線を越えることになります。

暴力、薬物、組織犯罪等、何でも規制の対象となることを可能にする危険な先例を造ってはいけません。

「非実在犯罪」規制はいらないのです。

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