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統計が否定する「日本は児童ポルノ大国」という妄説

イタリアの児童保護団体「テレフォノ・アルコバレーノ」の2009年版最新レポート(英語版 pdf)が出ました。

「テレフォノ・アルコバレーノ」の報告書における、pictures, photos, paedopornographic material, video等は、全て実写です。被害者のいない創作物は相手にしていません。

以下は、統計的には日本を「児童ポルノ大国」という事はできないからのコピペ(参照ページ番号、強調箇所、人口数、G8の表示は山口が追加)です。

最下位でないことは残念ですが、日本の順位は決して高いものではありません。

しかも、人口(外務省 世界の国々参照)を見て貰えば、我が国よりもはるかに高い割合で児童ポルノサイト、児童性愛者が存在していることが明らかです。それも規制が厳しい筈の国々において。

一番興味深いのは、単純所持を導入している(ロシアと日本除く)、G8がインターネット上にいる児童性愛者の総数で上位7位を占めていることです。日本よりもはるかに上位です。インターネット上の児童ポルノ氾濫を阻止するために、単純所持規制は役に立たないことは明らかです。

「日本は児童ポルノ大国」という俗説が根拠のない「妄説」だということは明らかだと思いますし、単純所持規制の立法事実がないことも明らかです。

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インターネット上にある各国の児童ポルノサイト数(p8参照)

総数 49,393

1位:ドイツ 19,488 人口8270万人 G8
2位:オランダ 10,277 人口1640万人 G8
3位:アメリカ 8,411 人口3億人 
4位:ロシア 7,118 人口1億4250万人 G8
5位:キプロス 1,688 人口80万人
6位:カナダ 1,013 人口3260万人 G8
7位:ハンガリー 450 人口1010万人
8位:スイス 244 人口730万人
9位:スペイン 119 人口4340万人
10位:タイ 107 人口6480万人
11位:スウェーデン 104 人口910万人
12位:イギリス 69 人口5980万人 G8
13位:日本 56 人口1億2820万人 G8
(以下略)


・インターネット上にいる児童性愛者の国別分類(p10参照)

1位:アメリカ 22.3% 人口3億人 G8
2位:ドイツ 17.6% 人口8270万人 G8
3位:イギリス 6.5% 人口5980万人 G8
4位:ロシア 6.1% 人口1億4250万人 G8
5位:イタリア 5.0% 人口5810万人 G8
6位:フランス 4.8% 人口6070万人 G8
7位:カナダ 3.0% 人口3260万人 G8
8位:スペイン 2.3% 人口4340万人
9位:オランダ 2.2% 人口1640万人
10位:スウェーデン 1.8% 人口910万人
11位:スイス 1.7% 人口730万人
12位:オーストラリア 1.7% 人口2040万人
13位:ブラジル 1.6% 人口1億8890万人
14位:チェコ 1.6% 人口1020万人
15位:ポーランド 1.5% 人口8350万人
16位:日本 1.5% 人口1億2820万人 G8
17位:ベルギー 1.4% 人口1040万人
18位:ウクライナ 1.0% 人口4600万人
19位:メキシコ 1.0% 人口1億830万人
20位:ハンガリー 1.0% 人口1010万人
その他 14.6%

計100.0%
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【ミスリーディングな記事】児童ポルノ:日弁連、「単純所持」禁止 規制で方針転換?【毎日新聞】

児童ポルノ:日弁連、「単純所持」禁止 規制で方針転換

 児童買春・児童ポルノ禁止法の改正をめぐり、日弁連は児童ポルノ画像を個人で見るためだけに所有する「単純所持」を禁止すべきだとの意見書をまとめた。捜査機関の権力乱用を防ぐ観点から規制強化に慎重な立場だったが、インターネット上などで児童の性的虐待画像がはんらんしている現状を憂慮し、姿勢を転換した。意見書は23日、関係省庁や各政党などに提出する。

 日弁連は、前回の法改正時にまとめた03年の意見書で「(画像の)流通抑制は製造、販売の厳格な摘発などによるべき」だとし、単純所持の規制に反対した。現在でも内部には「取り調べ可視化さえ実現していない段階で、捜査権力を拡大するのは危険」との意見がある。このため新たな意見書では処罰規定までは求めず、禁止明確化を求める。【丹野恒一】

毎日新聞 2010年3月21日
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毎日新聞の記事は重要な点を故意に隠しています。

日弁連の意見書のうち、重要な点は以下の下線部ですが、毎日新聞の記事は触れていません。
特に、単純所持禁止(罰則なし)の大前提は、児童ポルノの定義の限定かつ明確化です。これは、自民党、公明党を始めとする規制推進派の論調とは全く異なるものです。


意見の趣旨
1 現行法における児童ポルノの定義を限定かつ明確化すべきである。
2 現行法の児童ポルノの定義を限定かつ明確化したうえで,児童ポルノの単純所持を禁止すべきである。ただし,犯罪化することには,反対する。

(以上、日弁連の意見書第1頁)


定義の明確化と限定の要点は,以下のとおりである。

① 児童ポルノを規制することにより守るべき法益は,被写体となる児童の人権ないし権利(身体的自由,精神的自由,性的自由,性的自己決定権,プライバシー権,名誉権,成長発達権等)であって,善良な風俗ではない。したがって,児童ポルノの定義は,この法益を守るために必要十分なものでなければならない。この観点からは,児童ポルノの定義に見る側の主観的要件を入れることは適当ではない。

芸術的価値があるものや学術研究目的・報道目的で収集した資料は,児童ポルノの定義から明示的に外すべきである。

自分の子どもの乳幼児時代の裸体や水着を着ている姿態が児童ポルノに含まれると解釈される余地のない定義にすべきである。

(以上、日弁連の意見書第3頁)


3 立法事実が薄弱

そこで,問題は,現時点において,児童ポルノの単純所持を処罰する立法事実があるか否かであるが,否というべきである。

(以上、日弁連の意見書第3頁)



第4 単純所持の禁止を明記すること

1 児童ポルノの定義を改正して,この定義が客観的に明確化し,かつ限定的にしたうえで,児童ポルノの単純所持を,違法行為であることを法律上明文で宣言し,これを禁止することが必要であると考える。

(以上、日弁連の意見書第6頁)


また、方針を転換というのも、正確な表現ではありません。

日弁連の2003年2月21日付意見書には、


5 児童ポルノの単純所持は処罰の対象とすべきでない。

児童ポルノの定義が曖昧であり、単純所持にまで処罰を拡大することにより、処罰範囲が捜査機関の主観により拡大する危険がある。児童ポルノの流通の抑制は、営利目的による製造、販売の厳格な摘発、処罰と、教育啓発活動によるべきである。

上記選択議定書にも、単純所持処罰を義務づける条項はない。

とあります。前回の意見書には、処罰なしの所持禁止についての言及はありませんし、単純所持を処罰することへの反対の方針は一貫しています。定義を客観的に明確にした上での、処罰なしの単純所持禁止を求めたとしても、方針転換とは言えません。

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児童ポルノ改正、再提出へ 自民「単純所持」禁止

児童ポルノ改正、再提出へ 自民「単純所持」禁止

 自民党は17日の法務部会で、個人が趣味で児童ポルノ映像を持つ「単純所持」を規制対象に加える児童買春・ポルノ禁止法改正案の今国会提出を正式決定した。公明党に共同提出を呼び掛ける。

 改正案は自公両党が与党当時に提出したものとほぼ同じ内容。先の通常国会では、購入などを規制する対案を提出した民主党と自公が修正協議を進めたが、衆院解散で両案とも廃案になった。

 自民党の森雅子法務部会長は「与野党で今国会で議員立法を目指したが、民主党からは回答がなかった」と述べた。所持規制強化に慎重な社民党は呼び掛けに応じなかった。

 千葉景子法相も所持規制強化の法改正に意欲を示しているが、政府は今国会には改正案を提出しない方針。
2009/11/17 19:53 【共同通信】
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今年の6月の修正協議以前の案に逆戻りということは、自民党法務部会で強硬派が勝ったようですね。
高市早苗議員あたりが頑張ったのでしょうか?

New! 2009.11.18 14:25
何故か、削除されてしまった読売新聞の児童ポルノ「単純所持」禁止…民・自・公が改正案の記事ですが、親切な記者さんからの情報によれば、自民党法務部会による記者会見において、法務部会長から当該記事が誤報であることが明言されたらしいです。ということは、自民党法務部会の誰かが「リーク」を読売新聞に行い、その報道の記事を根拠に部会の見解を纏めようとしたのではないかと推測されます。この事実は、読売新聞の記事が16時の部会開催予定時よりも前の15時17分に出されていることとは整合します。


自民党法務部会の結論は、今回の総選挙以前の情勢であるならば、((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル だったのですが、少数野党に転落した今では・・・。単に、人権感覚がなく、世間の議論に耳を傾けず、表現の自由や市民のプライバシー等について関心のない政党であるという馬脚を現しただけで終わりました。

国会の会期が終了していない以上、まだまだ予断は許しませんが、順調にいけば、会期末を迎えて、継続審議の手続きも取られることなく、廃案という運びになるのではないでしょうか?

>所持規制強化に慎重な社民党は呼び掛けに応じなかった。
自公による修正案の欺瞞を鋭く見抜いて動じることのなかった、社民党(特に、保坂展人氏)にはとりあえず感謝です。

>政府は今国会には改正案を提出しない方針
ということは、次期国会には、改正案が政府案として提出される見込みがあるということです。

保坂展人前衆議院議員が、議論なしで「児童ポルノ法改正」を急ぐべきではないに書かれているように、

この法律は、ここまで来たら法務省と内閣法制局にしっかり審査をさせて、憲法ならびに関係法規と照らし合わせて「整合性のある刑罰法規」に建て替える必要があるのではないか。「議員立法禁止」「内閣一元化」に賛成出来ない点もあるが、国会終盤で「異議ありませんか」「異議なしと認めます」だけしか議事録に残らない形で屋上屋を重ねていく段階は過ぎたと私は考える。

きちんと、立法専門家による他の法令や憲法との整合性の審査を経た上での立法化が必要になっている時期であると考えます。

もう一つ、表現の自由の問題として無視することが出来ない問題があります。

第28期東京都青少年問題協議会の動きです。
委員名簿
第7回専門部会議事録
第8回専門部会

問題発言だけを読みたい!という方は、こちらをどうぞ(ワード文書です)⇒monndaihatsugen.doc

表現の自由について一顧だにしない、姿勢を頑なに取る東京都の動きについて監視を強める必要があります。
国会の立法では通らなかったものを地方自治体の条例として制定させ、全国的に規制をかけて行くというのは、規制推進派の常とう手段だからです。

第28期東京都青少年問題協議会第1回拡大専門部会が開催されます。是非、傍聴をお願いします。

1 開催日時
平成21年11月24日(火曜日) 午後2時から午後4時まで
2 開催場所
東京都庁第一本庁舎42階(北塔) 特別会議室A
3 審議内容
(1) 「答申素案」について
※諮問内容を念のために紹介します。
○諮問事項(要旨)
携帯電話を介したインターネット上の有害情報を巡り、青少年が犯罪やトラブルに巻き込まれるだけでなく、誹謗中傷やいじめ等により他人を傷つける事態も頻発している。インターネットを青少年が安全に安心して利用できるよう、早急に環境整備や注意喚起を行うべき状況にある。また、小・中学生の閲覧に供する図書類における露骨な性表現、グラビア等における少女の下着姿等の扇情的な描写、コミック誌等における子どもの性的な姿態の描写等が蔓延し、憂慮すべき社会問題となっている。これらの課題に対処するため、取り組むべき対策並びに「東京都の健全な育成に関する条例」の在り方及び改正について検討し、所要の結論を得る。(第28期(前期)第1回総会・平成20年12月24日)


(2) その他
5 傍聴のご案内
会議は公開ですが、傍聴を希望される方は11月19日(木曜日)午後5時までに、下記の問い合わせ先へお申し込みください。その際、氏名、連絡先(電話又はファクス番号)をお知らせください。なお、傍聴は申込の先着順とさせていただきます。

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【児童ポルノ法】児童ポルノ「単純所持」禁止…民・自・公が改正案【最新の情勢】

児童ポルノ「単純所持」禁止…民・自・公が改正案

 児童買春・児童ポルノ禁止法をめぐり、民主、自民、公明の3党が、児童ポルノを個人が取得したり保管したりする「単純所持」を新たに禁止する改正案をまとめた。社民党などの了解を得た上で、今国会中にも提出することを目指す。

 同法はすでに、児童ポルノの「製造」「販売」は禁止しているが、「単純所持」は禁じておらず、児童ポルノの拡散が止められない原因として国際社会から批判を受けていた。改正案では、性的好奇心を満たす目的で所持や保管をしたことが明確な者については「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」を科すこととした。

 3党は今年7月には、「所持禁止」でほぼ合意に至っていたものの、総選挙で協議が中断していた。民主党には、「所持を処罰対象とすれば、捜査権の乱用につながりかねない」として慎重な意見が強かったが、過去に取得したポルノについては処罰対象から外すことで合意した。今後、慎重論の根強い社民党の了解を得て、全会一致での成立を目指す意向だ。
(2009年11月17日15時17分 読売新聞)
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現在の議論については、社民党の保坂展人前衆議院議員による議論なしで「児童ポルノ法改正」を急ぐべきではないをご参照下さい。

新聞報道には出ていない、「改定案」の中身が明らかにされています。

議論の進展状況については、読売新聞以外では報道されていません。情勢は極めて流動的です。⇒New! 2009.11.17 18:41 の時点では、読売新聞のリンク先の記事が消えています!ひょっとしたら、誤報だったのでしょうか?

論点は多々ありますが、単純所持規制については、

>改正案では、性的好奇心を満たす目的で所持や保管をしたことが明確な者に
>ついては「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」を科すこととした。
では、単純所持規制に伴う懸念は決して払拭されるものではありません。

この点については、社民党の保坂展人前衆議院議員が、ご自身のブログの記事である議論なしで「児童ポルノ法改正」を急ぐべきではないにおいて的確な論評をされているので、ご参照下さい。

すると、この修正合意でも懸念が残る点がいくつかある。所持・保管については、共同所持により処罰範囲が拡大する恐れがある。「所持(保管)」概念は、日常用語とは違い、「事実上自己の支配下におくこと(自己の実力範囲内におくこと)」を広く意味している。児童ポルノを直接に管理していなくても、家族や友人等が児童ポルノを「所持(保管)」している場合に、「共同所持」を理由に強制捜査を行うことも可能になる。

実際、単純所持規制を導入している薬物所持事犯ではよくあることだが、家族や同居人が所持している場合に、無関係の家族や同居人も共同所持を理由として検挙されることがある。これらのケースでは結果として不起訴になる場合が多いが、ハレンチ罪として「身柄拘束」され、大々的に報道された場合には、社会的な生命は抹殺され、名誉回復は困難になる。

国家権力が、出版社やメディアに対する統制の手段として悪用することも考えられる。例えば、政界や官界の腐敗を追及する雑誌を刊行している出版社であれば、過去の刊行物の中に、「児童ポルノ」と見做されかねない刊行物があった場合や、メディアに取材資料としての「児童ポルノ」があった場合、あるいは、被取材者が持ち込んだ場合などに記者やスタッフに対する摘発も可能になる。

これらの懸念は、民主党提案の取得罪であれば払拭可能だということも強調しておきたい。取得罪の場合には、共同行為が「取得」に向けられていることを立証しなくてはならず、たまたま、巻き込まれる可能性は相当程度薄れるからだ。

解散前と違って、今や自民・公明は少数だ。なぜ、民主党が主張してきた「取得罪」を堂々と押し通さないのか疑問だ。法律で「反復・継続して取得」と書けば、過去にさかのぼり購入した雑誌・本・DVDの所持や、パソコンに送付された添付ファイルで「犯罪者」に仕立てあげられることはない。そこは、「所持罪」という犯罪を新設し人を縛る法律だから厳密に議論してほしい。

なお、単純所持の問題点以外についても、議論なしで「児童ポルノ法改正」を急ぐべきではないにおいて展開されている議論は、どれも極々真っ当なものであり、私も賛成いたします。

単純所持の導入が決まったわけではありません。

ぎりぎりの攻防が続いています。

自民党と民主党については、それぞれ、党内の足並みは、揃っていないようです。まだまだひと悶着あるのではないでしょうか。これだけ、問題点の多い法案について、まともな審議もせずに、全会一致で可決しようとすること自体が間違っています。

公明党は多分、結束乱れずに規制強化の方向の様子です(推測)。

>社民党などの了解を得た上で、今国会中にも提出することを目指す。

社民党は、党の方針として規制強化に反対してくれています。連立与党の一角を占める社民党が踏ん張れば、今回の「改正」は止められます。

共産党、国民新党の動きは分かりませんが、「など」とある以上、この2党の意向も無視できないのでしょう。

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【保坂展人のどこどこ日記】児童ポルノ禁止法、水面下の動きが加速 【転載】

児童ポルノ禁止法、水面下の動きが加速

教育・こども / 2009年11月16日

今日は時間がないので、あまり詳細な報告は出来ないが、わずか4カ月前に解散前の国会で議論された児童ポルノ禁止法の「単純所持規制」を中心とした議員立法が、11月末日に終了する通常国会で「可決・成立」に向けて走り出しているというので驚いてしまった。まずは、4カ月前の政治状況で言えば、自民・公明の巨大与党が解散前の国会で一気呵成に成立をはかろうとごり押しをはかってきた児童ポルノ禁止法だが、あまりに幅広い「児童ポルノ」の規定と、また宮沢りえの『サンタフェ』さえ「1年以内に廃棄処分」を求められる可能性もある「単純所持の犯罪化」の余波は、大きく広がった。

そもそも、解散前に自民・公明が提出してきた「児童ポルノ法改正案」と、当時の少数派であった民主党が提出した対案との「修正協議」をめぐる環境は、8月 30日の政権交代によって大きく変わった。少なくとも、「児童ポルノの現状と子どもの被害」の実情について「立法事実」(法改正が必要な客観的な状況)を再把握する必要があるし、解散前の国会で議論された表現規制への危惧や「漫画・アニメなどへの規制の問題」など議論しておくべき問題がたくさんある。国会議事録にも答弁を残す形で、しっかり議論すべきだと思う。続きは明日。
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まとまりつつある案の内容は把握できていません。その前提でお読み下さい。

今国会において、児童ポルノ法の改定案成立ということは、全会派一致による委員長提案(審議省略)以外にはありえません。これだけ争いのある法案について、国会における審議もなしに、水面下でまとめることを許してはならないと思います。

国会審議があれば、条文の解釈について法務省刑事局長等の答弁も得られ、議員間の議論によって纏まった解釈の指針等も「形」に残すことが出来ますが、審議省略では、合意に至るまでの議論はすべて闇の中になります。捜査当局の実務上の運用を拘束することは出来なくなります。

児童の人権と表現の自由の両方に関連する重要な法案ですから、政府提案立法にして慎重に審議することも検討されるべきです。

なお、自由民主党では、11月17日午後4時から法務部会が開かれる予定ですが、

◆政調、法務部会
午後4時 本部704室
児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の一部を改正する法律案(議員立法)について

ここで、自民党内の意見統一を図り、民主党にぶつけるつもりではないでしょうか?

10月29日の日刊スポーツの報道によれば、
児童ポルノの個人所持規制、結論持ち越し

自民党は29日の法務部会で、個人が趣味で児童ポルノの映像を持つ「単純所持」を規制に加える児童買春・ポルノ禁止法改正案の今国会提出をめぐり協議した。出席者から「単純所持禁止に消極的な民主党が賛成できるよう内容を変更すべきだ」との異論が出たため、結論を持ち越した。

とありますから、自民党内の意見も一枚岩ではない筈です。ここで、自民党がまとまらなければ、全会派の合意による議員提案は流れることになりますし、自民党が従前からの単純所持規制を強硬に主張すれば、民主党との合意が出来なくなり、やはり、話は流れることになります。自民党内の規制強行派頑張れ!という皮肉な状況に突入しつつあるのかも知れません。

全会派一致ということになれば、民主党の規制慎重派だけではなく、少数会派である社民党、国民新党、共産党、みんなの党や日本新党の持つ「拒否権」も重要になります。

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【周知徹底】早くも動き出した「児童ポルノ禁止法案」 【警戒レベルを上げよう】

保坂展人の前衆議院議員のブログ「保坂展人のどこどこ日記」より

早くも動き出した「児童ポルノ禁止法案」

> [引用開始]
>
> 児童ポルノの個人所持規制、結論持ち越し
>
>  自民党は29日の法務部会で、個人が趣味で児童ポルノの映像を持つ「単純所持」を規制に加える児童買春・ポルノ禁止法改正案の今国会提出をめぐり協議した。出席者から「単純所持禁止に消極的な民主党が賛成できるよう内容を変更すべきだ」との異論が出たため、結論を持ち越した。
>
>  改正案は自民、公明両党が与党当時に提出したものとほぼ同じ内容。先の通常国会で、民主党は購入などを規制する対案を提出し修正協議を進めていたが、衆院解散で両案とも廃案になった。(共同)
>
> [引用終了]
>
> その翌日、千葉景子法務大臣は記者に「自民党法務部会」の動きを問われて、こんなやりとりをしている。
>
> [引用開始]
>
> Q:昨日,自民党の部会でも児童ポルノ法改正の再提出が協議をされたわけですけれども,児童ポルノを巡る現状と,どのような法改正が必要かとか,お考えをお聞かせください。
>
> A:新しい内閣がスタートする前に,国会でかなり議論が進みまして,ほぼ共通な,与野党の協議もほぼまとまったというところまでいっていると承知をしています。それからこの問題については,大変多くの皆さんが心配をなさって,成立を何とか図るべきという声も大変大きくありますので,国会のこれまでの議論の進んできたそういう経緯も踏まえながら,私もできるだけどういう形でそれをまとめていくのが良いか,真剣に考えていきたいと思っています。
>
> Q:自民党の方は単純所持の規制,これをやはり改めて訴えたいと,求めたいという内容でして,民主党の方は,取得したときの取得罪というのを設けていまして,ちょっとその辺の違いがあったのですが,改めて大臣の単純所持規制についてのお考えをお聞かせ下さい。
>
> A:最終的な取りまとめの過程で両者の意見がかなり煮詰まって,一定の方向にいきつつあったと思いますので,ここは所持,取得,それの事実的な合意点というのが見い出せるのではないだろうかなとは思っています。
>
> Q:単純所持禁止に反対というか,問題ありとされていたかと思うのですが。
>
> A:よくよく考えてみますと所持に至るところをどうみるかということであって,まったく所持していることを絶対もうだめと言うのでもなし,あるいは,所持は処罰はできないのだというのではなくて,そこにどうやって所持に至ったのかというところがやはりある意味では問題だったのだと思います。そこはだいぶ煮詰まっていると思いますので,是非これはまとめることができるように私もどういう形が一番良いのか考えていきたいと思います。
>
> [引用終了]
>
> この大臣会見を読むと、与野党合意=法務委員長提案(国会での議論なし)という道を模索しているのかなと思う。私が議席を失ったことで、今、法務委員会に社民党の議席はなく、民主・自民・公明の3党で決めていくことになる。与野党で修正協議で一致したものを「委員長提案」をすると、全会一致となって国会審議は行われず、問題点を社会的に明らかにする機会がなくなる。

とりあえず、ご報告のみ。


私の問題意識も保坂展人前衆議院議員のそれと一致します。
民主党政権下における原則である「政府提出法案」として処理されるのか、それとも、例外である「議員立法」として、処理されるのか不明ですが、事態を注視していくことが必要でしょう。

とりあえず、どのような形で法案が提出されるのかについて、最大限度の関心を寄せる必要があります。

あと、ついでですが、「サイゾー」からこのテーマでインタビューを受けたのですが、ネットで公開されたようです。
自民・公明案の問題点は一通り押えているので、興味のある方はご覧になって下さい。

民主党政権でどう変わる? 児童ポルノ法改正のゆくえ(前編)

民主党政権でどう変わる? 児童ポルノ法改正のゆくえ(後編)

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【単純所持規制】自民、児童ポルノ改正案再提出へ 単純所持も規制【おかわり】

自民、児童ポルノ改正案再提出へ 単純所持も規制

自民党は27日、個人が趣味で児童ポルノの写真や映像を持つ「単純所持」も規制対象に加える児童買春・ポルノ禁止法改正案を今国会に提出する方向で最終調整に入った。29日の党法務部会で決定する見通しで、公明党にも共同提出を呼び掛ける。

 民主党は「恣意的な捜査を招く」として規制に消極的だが、自民党は単純所持を禁止していないのは主要8カ国(G8)で日本とロシアだけだと指摘し、政府、与党に再考を促す考えだ。

 法案は、与党時代に自公両党で共同提出したものとほぼ同じ内容で、インターネットのプロバイダー(接続業者)に捜査協力や被害拡大防止の努力義務を課すことなども盛り込んでいる。

 先の通常国会では、購入などを規制する対案を提出した民主党と自公両党が修正協議を進めていたが、衆院解散で廃案になった。社民党は「表現の自由を侵す」として規制強化に慎重姿勢を示しており、与党の足並みの乱れを誘う狙いもありそうだ。
2009/10/27 18:58 【共同通信】
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廃案になった法案とほぼ同一内容です。その問題点については、

文藝春秋社 「日本の論点」掲載の拙稿「現行児童ポルノ法では不十分か? 安易な規制強化の持つ危険性 」をご参照ください。

自民党・公明党の改定案は、議員立法で提出されます。

民主党の改訂案は議員立法ではなく、政府提出法案として提出されることになると思います。実際には、民主党案と言うよりも、連立三与党案ということになります。何故ならば、民主党は、政府・与党の二元的意思決定を一元化するため、議員立法は原則的に抑制しようとしているからです。

ポイントは政府提出法案には閣議決定が必要ということです。閣議決定は全員一致でなされます。ということは、
社民党の福島瑞穂氏、国民新党の亀井静香氏の同意も必要ということになります。逆に言えば、両氏は拒否権を持つということになります。

福島瑞穂氏は、自身のブログにおいて単純所持規制について慎重な立場であることを言明されております。

国民新党も、単純所持規制、創作物規制には反対の立場のようです。

与党である社民党、国民新党に対する応援、支援は重要です。

ちなみに、民主党の枝野幸男元政調会長は、民主党案について、

「自民・公明両党にズルズル規制強化されようとしていた中での歯止めとしてはぎりぎりベストだった」

「その後、政治状況は変わった。民主党案でも、女優宮沢りえさんの十代の時の写真集『Santa Fe(サンタフェ)』も対象に入り、捜査権乱用の懸念は残る。もう一度検証し直さないと」

と述べておられます(【特報】 『児童ポルノ所持罪』考 少女性虐待なくせぬ 東京新聞 2009年10月25日より)。

民主党案の内容を簡単に説明します。

現行法における児童ポルノの定義は、児童ポルノ禁止法第2条第3項の各号において
一 児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態
二 他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
三 衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの

となっていますが、民主党案は、全般的な厳罰化に加えて、
①第三号を削除し、
②第二号について、「殊更に他人が児童の性器等を触り、若しくは児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態又は殊更に児童の性器等が露出され、若しくは強調されている児童の姿態」に改めています。

民主党案が主観的かつ曖昧とされていた第三号を削除することは高く評価できます。

が、問題は、「殊更に他人が児童の性器等を触り、若しくは児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態又は殊更に児童の性器等が露出され、若しくは強調されている児童の姿態」の定義のうち、「殊更に児童の性器等が露出され、若しくは強調されている児童の姿態」という部分です。

児童ポルノ禁止法における「性器等」には、「乳首」も含まれるために、いわゆる芸術的ヌードの類も全て規制の対象になってしまう。例えば、宮沢りえの「サンタフェ」なども規制の対象となってしまい、現行法よりも規制の範囲が拡大されてしまい、表現の自由との関係で大いに問題があることは否定できません。

枝野幸男議員の発言は、このような民主党案の問題点を正面から直視するものであり、民主党が強調する表現の自由の尊重と合致するものです。

無論、民主党の中にも、小宮山洋子議員のように、

「児童ポルノ禁止法の改正は必ずやります。(二十六日開会の)臨時国会は提出法案を絞るので難しいとおもうが、先の与野党協議はあとひと息で合意するところまで来ていたんですから」(【特報】 『児童ポルノ所持罪』考 少女性虐待なくせぬ 東京新聞 2009年10月25日より)

と息巻いている方もいるので安心はできないのですが。

児童の人権、表現の自由、捜査権力による人権侵害の防止の3つの観点からバランスの取れた規制の導入が現実化出来る日は近付きつつあるのかも知れません。

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児童買春・ポルノ:禁止法改正で自民・民主の議論本格化

児童買春・ポルノ:禁止法改正で自民・民主の議論本格化


コメントに代えて、以下は、法律新聞(2008年3月28日号)に掲載された私の論考です。
単純所持の犯罪化に対する私の見解の現時点におけるほぼ到達点です(※ほぼ=字数制限があったため)。
下線部などは、適宜付け加えたものです。
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児童ポルノの単純所持の犯罪化に反対する。

児童買春・児童ポルノ禁止法の改正を巡る議論が高まりつつある。今回の改正の論点は2つある。一つ目は、児童ポルノの単純所持の犯罪化であり、二つ目は、マンガやアニメ、ゲーム等、実在の児童を被写体とした創作物に対する規制である。二つ目の、創作物規制も表現の自由の観点から極めて問題の大きい規制であるが、今回の改正においては見送りの公算が高いこと、反面、自民党と公明党の与党は、単純所持の犯罪化の方針を固めた模様であることを踏まえ、本論稿においては、単純所持の犯罪化の危険性について論じる。
 単純所持の犯罪化は、「捜査当局による濫用の危険性」が懸念され、議論のたびに見送られてきた経緯がある。筆者もその懸念を共有している。
第一に、単純所持の犯罪化は、「児童ポルノ」について、覚せい剤等と同様の禁制品にするということであるがが、現行法における定義は、「衣服の全部又は一部を着けない」、「性欲を興奮させ又は刺激するもの」という主観的/曖昧な要件が含まれる。また、写真を見ただけで18歳未満かどうか年齢を判別することも困難である。現行法における「児童ポルノ」の定義は、二重、三重の意味において不明確であり、このように不明確な禁制品を創設することは、罪刑法定主義の理念に反する。ちなみに、単純所持を犯罪化している米国の定義は、「『未成年者の露骨な性的描写を含み、尚且つわいせつである。』または、『未成年と思われる人物の、異性・同性に限らず、性器間或いは性器と口或いは肛門と性器或いは口と肛門の接触を含む、獣姦・SM行為・交配行為で、尚且つ文学的・芸術的・政治的・科学的価値のないもの』」という具体的かつ詳細なものであり、しかも、「わいせつ」という強度の性的な刺激を要求し、かつ、「文学的・芸術的・政治的・科学的価値のない」という限定を加えて、表現の自由に対する配慮を十分に示している。わが国では、ヌード、セミヌードについても、「性欲を興奮させ又は刺激する」場合には、児童ポルノに含まれるが、米国の定義には含まれない。定義の違いを無視して、単純所持の犯罪化を議論することは明らかに間違っている。
 第二に、単純所持の犯罪化は、インターネットに接続する全ての市民を「犯罪者予備軍」にしかねない。例えば、スパムメールに添付されて画像データが送りつけられた場合にも所持は成立するし(消去したつもりでも、自動的にバックアップされる可能性もある)、インターネットサーフィン中に、偶然に児童ポルノ画像に辿り着いた場合でも、キャッシュという形でハードディスク内に保存され、「所持」してしまう危険性もある。また、誰かを社会的に抹殺するために、児童ポルノを郵便やメールで送りつけて通報したり、家族や同居人が所持していることを口実に、無関係の家族や同居人を共同所持を理由として強制捜査を行うことも可能になる。しかも、児童ポルノ事犯は破廉恥罪である。最終的に有罪判決を受けなかったとしても、身柄拘束され、報道された場合には、社会的な生命は抹殺されるに等しい結果となろう。
要するに、単純所持規制は、単に取締りの便宜という観点から、全市民を潜在的な犯罪者にしかねないものであり、その危険性は共謀罪と共通した問題点があると言える。
 これだけの弊害がある一方で、単純所持の犯罪化を必要とする立法事実は存在しない。推進派の論拠は、「児童ポルノがインターネットの普及で氾濫し、国際的な問題になっている。」(公明新聞 2008年2月19日)、「単純所持を禁止する理由としては、(1)児童ポルノの鑑賞は現実の犯罪を誘発する(2)児童ポルノの所持はポルノ制作者への金銭の移動を意味し、間接的に児童の性的搾取の支援になっている」(同)、「先進8カ国(G8)で単純所持を処罰対象としていないのは日本とロシアのみ。国際的な批判は免れない状況にある。」(同)というものである。
 しかしながら、インターネット上に「児童ポルノ」をアップしたり、他人に譲渡する等の提供行為は、児童ポルノ法7条により摘発可能である。現に、ネット上で流通している児童ポルノについて摘発できないのであれば、単純所持を規制したとしても取り締まりの実効性が高まる可能性は殆どない。
 また、犯罪誘発論については、「子どもポルノをオンラインで見るということと、(実際の子どもへの)接触犯罪を犯すということとの正確な関係ははっきりしていません(中略)」と(http://www.unicef.or.jp/special/0705/cyberporn04.html)、単純所持の犯罪化を求めている財団法人ユニセフ協会(紛らわしいが、国際機関ではなく、民間の財団法人に過ぎない)ですらも認めざるを得ないところである。
 さらに、児童ポルノ制作者への金銭の移動を阻止するのであれば、児童ポルノの有償取得を禁止すれば必要かつ十分である。
 最後に、「国際的な批判」云々はミスリーディングな議論である。「子どもの売買、子ども売買春および子どもポルノグラフィーに関する子どもの権利条約の選択議定書」、「サイバー犯罪条約」も単純所持の犯罪化を義務づけておらず、むしろ、弊害に対する懸念についての国際的な理解が存在すると言える。
単純所持は、流通の末端・終着点であり、新たな法益侵害は発生しない。流通させる意図がある所持については、提供目的の所持として処罰可能である。単純所持は、児童ポルノの製造行為や提供行為の結果として存在するものであり、所持は、製造や提供を前提とするので、現行法を厳格に適用すれば、新たな所持は根絶しうる。単純所持の犯罪化は、その効能自体が怪しい上に、全市民を潜在的な犯罪者にしかねないという副作用を持つ劇薬である。このような、劇薬(毒薬?)を用いずとも、児童の人権は守れる。児童ポルノ規制は児童の人権を守るための手段の一つであり、その規制が自己目的化してはならない。単純所持の犯罪化は不要である。

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【児童ポルノ法】安心するのはまだ早い!【表現の自由】

児童ポルノ:単純所持に罰則も検討 自民が法改正へ(毎日新聞 2008年2月24日 2時30分)

「アニメやコミックの児童ポルノへの規制は「表現の自由を侵す恐れがある」との意見が強く、見送られる見通し。」となっていますが、なぜか、この報道は毎日新聞だけで、他社は報じていません。
「誤報?」ということはないと思いますが、

同じ予定の公明党では、規制したくてたまらないオーラを発散している、物の分かっていない女性議員もいらっしゃるようですし、

↓  ↓  ↓  ↓  ↓
摘発困難な児童ポルノ

公明党が宗教の違いを超えて、宮本潤子(「ECPAT/ストップ子ども買春の会」)と手を組んだ事を公言しているようでもありますし、まだまだ、危険水域は脱していません!

公明党も意見は気にしている様子なので、議員さん達への意見表明行動などは続けていきましょう。勿論、理性的かつ冷静に。

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【児童ポルノ法】U-15グラビア過激化 9歳のTバックアイドル登場【提供罪の恐怖】【単純所持規制の恐怖】

U-15グラビア過激化 9歳のTバックアイドル登場

ついに、9歳児のTバックアイドルが誕生した。最近では、「U-15」(15歳以下)と呼ばれるグラビアアイドルが次々と登場。低年齢化が進み、小中学生が惜しげもなくTバック姿をさらす写真集やDVDが販売されている。週刊誌が「社会問題」として扱い、また、一部のメーカーでは「U-15」商品の自主規制も始まった。しかし、こうした逆風にさらされてもなお、なぜ「Tバック」の低年齢化が進むのか?

写真集やDVDは空前のブーム

「9歳のTバックアイドル」にはネット上でも批判の声が上がっている 数々の「U-15」作品を販売している心交社から、「めるてぃプリン」と題されたタレント朝水れいさんの写真集とDVDが発売された。Tバックを全面にアピールした作品だが、そんな姿をしているのは9歳の少女である。しかも、ひもビキニといった大胆な水着姿をしたり、はては微笑みながら大きく脚を広げた姿まで披露されている。

「U-15」のアイドルが Tバック姿をさらす写真集やDVDは空前のブームになっている。ブームの火付け役となったのが「元祖U-15」とも言われる泉明日香さん(14)。大胆な水着姿やTバック姿が話題を呼んだ。さらに2007年3月8日のJ-CASTニュースでも紹介した中井ゆかりさんをはじめ、「U-15」のTバックアイドルが次々に登場した。
しかし、9歳児のTバック登場は、ネット上でも、「マジで親は何を考えているんだ?」「つーかこんなのを放置してる政治ってどうなんよ」など批判のコメントが相次いでいる。
いったい親は何を考えているのか?

「元祖U-15」の泉明日香さんの母親で泉さんの所属事務所の代表であるKOTOMIさんはJ-CASTニュースに対し、「そういったことに答えると業界内でバッシングにあうので」とコメントを避け、「バッシング」についても明言を避けている。また、9歳の朝水れいさんの所属事務所にも取材を申し込んだが、今のところ回答はきていない。
ある「U-15」アイドルの担当者は次のように話す。

「私も露出が多いとか過激なのはどうかと思います。個人的にはTバックもそんなにはやりたくない。しかし、本人は女優を志望していて、自分の仕事となるとやらなきゃいけない場面があります。Tバック姿について、けしからんといった意見もありますが、これは見方の問題じゃないでしょうか」
「一種の児童虐待ともいえるのではないか」
「U-15」については、週刊文春(2月25日号)が「『小中学生Tバック写真集』が300万部 娘をハダカにして稼ぐバカ親たち」と題した記事を掲載。「社会問題」として取り上げ、批判した。さらに、メーカーのぶんか社も「U-15」アイドルのDVD発売を中止し、自主規制を始めた。そのような「逆風」のなかでもなお、「U-15」アイドルの水着写真集やDVDの発売はとどまることを知らない。

子どもの人権や児童ポルノ法に詳しい山口貴士弁護士は次のように語る。

「こういったケースの場合、児童ポルノ法の『衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの』という児童ポルノの定義に抵触する可能性もある。また、児童福祉の観点から考えても、親が子どもをいわば『売り物』するのはどうかと思うし、一種の児童虐待ともいえるのではないか」

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自分がコメントした記事について、ブログのネタにするのも何なのですが、この記事において紹介されているU-15と呼ばれる、低年齢児童の写真集に関する僕の意見は、コメントしているとおりです。

ちなみに、

>Tバックを全面にアピールした作品だが、そんな姿をしているのは9歳の少女である。しかも、ひもビキニ
>といった大胆な水着姿をしたり、はては微笑みながら大きく脚を広げた姿まで披露されている。
とありますが、このようなポーズをとらせて撮影する行為それ自体、児童ポルノ法第6条3項の単純製造罪に該当する可能性があることを付言しておきます。


実は、U-15に関する取材は、昨年末頃から、ポツポツと来るようになっていました。

以下は、今年の2月の終わり頃に来た、某超大手出版社系週刊誌の取材の際のやりとりの再現です。

記者)それでは、このU-15の写真集というのは、一体、「児童ポルノ」と言えるのでしょうか。

山口) 一般的に言えば、「該当する可能性がある」としか言えません。児童ポルノ法第2条3項3号は「衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により描写したもの」と曖昧な表現をしていますから、個別的な判断をするしかありません。

記者) なるほど、それでは、実物をご覧頂いてご意見を伺わせて頂けますでしょうか。(と言いつつ、カバンの中から紙封筒に入った写真集?を取り出そうとする)

山口) ちょっと、待って下さい。それを出すのは止めて欲しいのですが。

記者) (手を止めて)何故ですか?

山口) 2004年の法改正で「提供罪」というのが新設されました。児童ポルノ法の第7条1項です。「提供」というのは、「特定かつ少数の者に対する提供行為も含みます。従前の『頒布』行為が不特定又は多数人に該当することを意味しているよりも、処罰範囲が広いのです。」

記者) ???

山口) 要するに、あなたの持っているその写真集の中に「児童ポルノ」と言える写真が含まれていた場合、それを僕に見せた記者さんも「提供罪」に問われるということです。

記者) えっ?!そうなんですか。

山口) そうです。児童ポルノを他人に見せたり、渡したりするだけで、「提供罪」は成立します。ついでに言えば、「提供する」目的で所持すること自体が犯罪ですから、その写真集が「児童ポルノ」だとすると、記者さんは、それを僕に見せる目的でここまでお持ちになった、それだけで、既に犯罪者なのです。

記者) ・・・・。

山口) ここに来られる前に、取材の企画の打ち合わせをされましたね。

記者) はい。

山口) 同僚やデスクにもこの写真集を見せましたね。

記者) それは、勿論。(心配そうに)「提供罪」に該当するのですか?

山口) それは、そうでしょう。だって、他人に見せている訳ですから。警察が、編集部の家宅捜索をすることも出来るかも知れませんね。

記者) でも、私は、これが「児童ポルノ」だとは知らなかった訳です。「故意」がないのではないですか。

山口) よく勉強されていますね。しかしながら、この場合、子どものいやらしい写真が含まれている写真集だ、という程度の認識があれば故意は成立してしまうのです。

記者) それでは、児童ポルノの問題に関する取材は出来ないじゃありませんか。

山口) 「提供」どころか、単に所持しているだけで、罪にしようという議論すらありますよ。「単純所持罪」を制定しようという意見は、特に自民党に根強いようですから。要するに、「児童ポルノ」を「覚せい剤」のような、禁制品にしてしまおうというのです。

記者) でも、何が児童ポルノかは曖昧なのですね。

山口) 最高裁判所の判例によれば、十分に明確だそうですが、最終的には摘発する当局と裁判所の判断ということになります。グレーゾーンについては、弁護士でも確固たる判断は難しいですね。

記者) 覚せい剤かどうかは、化学的な反応とかで明確に分かりますよね。

山口) 児童ポルノの場合は、データも含まれますからね。添付ファイルか何かで送り付けられる可能性もあるし、知らない間にパソコンのキャッシュに残ってしまう可能性もある。

記者) 単純所持が出来たら、それこそ、取材は出来なくなりますね。

山口) 摘発された児童ポルノに関する取材は特に難しくなるでしょう。警察により、どのようなものが児童ポルノとして摘発されたのか、また、捜査そのものの妥当性に関する取材、報道は出来なくなるのではないですか。

記者) 確かに。一体、どのようなものが「児童ポルノ」に該当するのか、国民は報道を通じて知る方法がなくなりますね。

山口) 取材をして、仮に摘発されてしまった場合、刑法35条の正当業務行為に該当するから、違法性が阻却される(罪にはならない)と言って、徹底的に法廷で争う方法もあると思います。新しい判例を作るつもりで、戦う覚悟で取材されれば、いいじゃないですか。 

記者) 家族のことを考えると・・・・。別のテーマを探します。今日はお忙しい中、ありがとうございました(記者、帰る)。

(参考リンク)
私が理事を務めるNGO団体AMIが、2003年6月23日に発表した「『児童買春児童ポルノ禁止法』改正への要望書」をご参照頂きたいと思います。おそらく、この問題に関しては最も整理されている文章の一つではないかと自負しております。特に、3 単純所持罪/単純製造罪の問題点をご参照いただければ幸いです。

これ以外に、平野裕二氏のサイトがとても参考になります。

「児童買春等禁止法改正に関するユニセフ公開セミナー」(2003年6月9日)の報告と疑問点
児童買春・児童ポルノ法改正に関する意見書
民主党「児童買春・児童ポルノ法改正に関する勉強会」報告レジュメ

<ついでにアニメや漫画規制の参考リンクも・・・><過去の関連記事-拙ブログ>
☆☆☆=特に読んで貰いたいなという記事です。New!

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☆☆☆
カスパル代表 近藤美津枝氏の発言から表現の自由を考える①

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