わいせつ漫画販売でイラストレーター逮捕
松山西署は23日、わいせつ図画頒布の疑いで、松山市御幸、イラストレーター宮下昌也容疑者(39)を逮捕した。
調べでは、宮下容疑者は2005年4月から昨年10月、性行為を露骨に描写した漫画本計約1万1000冊を、岡山市の印刷会社を通じ、東京や神奈川などの書店で販売した疑い。
「同人誌でキャラクターものの漫画を書いたが売れず、わいせつ漫画を書くようになった」と容疑を認めているという。
7作品を1冊1350~1600円で売っていた。印刷会社の倉庫に残っていた6600冊を押収した。
「SHIYAMI」のペンネームでわいせつな漫画をインターネット上で販売しているのを見つけ、捜査していた。
[2007年8月23日19時44分]日刊スポーツ
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コミケが終わったと思ったら、早速、こんなことになるとは・・・。
同人誌で逮捕者が出てしまったことは残念です。
刑法175条の合憲性、立法の問題性はともかくとして、現状では、性器、性器結合部分には「消し」を入れるという形で対応するしかないのが現状です。
同人誌即売会の側も勉強会を開くなどして、対応をきちんとしようと動いている途中だったのですが、この同人誌作家さんは、コミケなどの即売会には参加していない方のようで、メッセージが伝わっていなかったようです。
なお、今回の件と関係あるかどうかはわかりませんが(※)、日本同人誌印刷業組合の加盟社が必要以上の自主規制に走るということがありました。今回の件については、同人誌にかかわる者は深刻に受け止め、自分なりに考える必要がありますが、必要以上に自粛したり、自主規制をする必要ありません。
「わいせつ」において問題とされるのは、性器描写だけです。シチュエーションや登場するキャラクターの年齢設定などは一切関係ありません。表現を殺すのは、権力による規制だけではありません。過剰かつ不要な自主規制も表現の自由を殺してしまうことを忘れないでほしいと思います。
(※)逮捕に先立ち、家宅捜索などが行われているのが通常。印刷会社の在庫も警察が把握している以上、印刷会社に対する家宅捜索が行われていると考えるのが自然です。
(参考リンク)
【イベント告知】「同人誌と表現を考えるシンポジウム」