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【検索は】国会図書館の本、ネット配信へ【どうするの?】

国会図書館の本、ネット配信へ

 国立国会図書館の所蔵する書籍のデジタルデータを、インターネットを通じて有料配信する構想が動き出すことになった。

 経済産業省が国会図書館や関係団体とともに、権利処理や収益分配など具体的なビジネスモデルを検討する委員会を近く設ける予定で、29日、出版社団体の日本書籍出版協会は委員会への参加を決めた。著作者団体の日本文芸家協会も加わる見通しだ。構想が実現すれば、国内の書籍について新たな流通の仕組みが誕生する。

 国会図書館は著作権の切れた明治・大正の書籍のデジタル画像化を進め、ネット上の「近代デジタルライブラリー」ですでに約15万冊を無料公開している。

 さらに今年6月の著作権法改正で、国会図書館は資料保存のために、著作者の許諾を得ずにデジタル化できることになった。今年度の補正予算で、1968年までに受け入れた約90万冊のデジタル化が実現する。

読売新聞2009年9月30日(水)10:55
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テキストではなく、JPEGです。

これでは、検索が出来ません。検索できないんじゃ、デジタルデータ化の意味は半減しますね。
何で、こんな仕様にしたんだろ?
コピペによる著作権法違反行為を誘発しないようにするためかな?

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【当然の】夫婦別姓導入へ…政府、来年にも民法改正案【自己決定権】

夫婦別姓導入へ…政府、来年にも民法改正案

政府は、夫婦が別々の姓を名乗ることを認める選択的夫婦別姓を導入する方針を固めた。

 早ければ来年の通常国会に、夫婦同姓を定めている民法の改正案を提出する方向で調整を進める。現行の夫婦同姓は1947年に民法に明記され、約60年ぶりの大幅改正となる。

 夫婦別姓の導入は、政権交代により、衆院選の政策集に「選択的夫婦別姓の早期実現」を明記した民主党を中心とした政権が誕生したことによるものだ。民主党は、1998年に民法改正案を共産、社民両党などと共同で国会に提出したが、自民党が「家族の一体感を損ない、家族崩壊につながる恐れがある」などと強く反対して廃案となった。その後も、毎年のように共同提出してきたが廃案となってきた。

 一方、法務省も、96年の法制審議会(法相の諮問機関)で選択的夫婦別姓の導入が答申されたことを受け、夫婦別姓を盛り込んだ民法改正案をまとめた経緯がある。強い反発を示してきた自民党が野党に転じ、与党と法務省の考えが一致し、政府提案による法改正が可能となった格好だ。

 民主党などの民法改正案は、〈1〉結婚時に夫婦が同姓か別姓かを選択できる〈2〉結婚できる年齢を男女とも18歳にそろえる――ことが柱で、おおむね法制審答申に沿った内容だ。

 しかし、別姓を選んだ夫婦の子の姓に関しては、法務省案が「複数の子の姓は統一する」としているのに対し、民主党などの案は子の出生ごとに決めるとしており、今後調整する。千葉法相は17日の就任会見で、夫婦別姓導入に前向きな考えを示した。
(2009年9月27日03時01分 読売新聞)
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選択的夫婦別姓に反対するということは、「それぞれ違う姓でいたい」という夫婦、そして「同姓か別姓か、自分達で選びたい」という人々に対して、どっちかを選べと国家権力が強制するということです。

しかしながら、大原則は自由です。自由に対する規制を主張する側には常に説明責任があります。規制には必要性と合理的な根拠が常に必要です。これが近代以降の立憲国家の基本的な考え方ですし、日本国憲法下における我が国の基本的な考え方でもあります。この考え方は、自民党政権下において、いささかないがしろにされてきました感があります。政権交代に伴い当然に改められるべきです。


実は、この議論は、児童ポルノ禁止法の改定による創作物規制反対論や女性差別を理由とするゲーム等の規制論と同じ構造です。エロマンガやエロゲー規制を主張されている方々の中には、選択的夫婦別姓については肯定的な方々が多いですが、その方々は自分達が一貫性のない主張をしていることをご自覚して、これまでの態度を改めて頂きたいと思います。自己決定権を尊重するということは、例え、不愉快であっても他者の自己決定を尊重するということです。他者の自己決定権の行使が不愉快を越えて、具体的な権利侵害を伴うときに、初めて、規制に関する議論に踏み出すことが出来るのです。


選択的夫婦別姓に対する反論は今一つ説得力がありません。「家族が崩壊する」、「子供の名前で揉める」という議論をよく耳にしますが、今一つ根拠のない憶測に過ぎないと思いますし、第一、他人の家庭のあり方や子どもの名前の付け方についてまで、口を挟むことは余計なおせっかい以外の何物でもありません。夫婦同姓という選択を否定するのであればともかく、夫婦同姓でなければ家族が崩壊するという人々は、夫婦同姓を選択できるのですから、好きにすればいいだけです。

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【公職選挙法】反麻生派に警告 独自マニフェスト作るなら離党しろ【配布できる?】

反麻生派に警告 独自マニフェスト作るなら離党しろ

 「麻生降ろし」が不発に終わった自民党の中川秀直元幹事長は18日、次期衆院選で独自の政権公約(マニフェスト)を掲げる可能性に言及した。同様の考えは武部勤元幹事長らも示しているが、一方で河村建夫官房長官は同日、これらの動きに対し「完全に党を分けなければならない」と離党を促した。今週21日に衆院解散を控える中、自民党内の混乱は収まる気配を見せない。

 中川氏はこの日午前、日本テレビ系「ウェークアップ!ぷらす」に出演。衆院選のマニフェストに関し「自分の主張が入らなければ、補足する努力をするのが政治家だ」と述べ、独自の政権公約を掲げる可能性に言及した。離党については「考えたこともない。当面ない」と否定したが、「今度の選挙が終われば、示された世論、民意に応えなければいけない」とも述べ、衆院選後の離党に含みを残した。

 独自のマニフェスト作成については、武部氏が「“私は新生自民党だ”と訴える手もある。北海道では北海道のマニフェストをつくる」などと15日のテレビ番組で発言。塩崎恭久元官房長官ら中堅・若手議員を中心とした「マニフェスト連合会議」は独自案を党のマニフェストに盛り込むよう執行部に求めている。

 これら“反麻生分子”の行動で自民党の分裂選挙の可能性は日に日に上昇。河村官房長官は18日朝、TBS「みのもんたのサタデーずばッと」で、政権公約に関し「党の大方針を変えるわけにはいかない。(異なる政権公約を掲げるなら)完全に党を分けないといけない」と離党を促す考えでけん制。公明党の高木陽介選対委員長も「自民党はまだ土俵下でああでもない、こうでもないと言っている。いいかげんにしてほしい」と苦言を呈した。

 政府高官は記者団に「独自の政権公約は有権者を欺く行為。公認しない可能性もある。自民党議員が“消費税を上げない”と発言するなら、自民党を出て民主党に行ってもらえばいい」と厳しく述べた。

 解散前の21日午前には、非公開の両院議員懇談会が自民党本部で開かれる。中川氏は「首相が国民に向かってメッセージを発信すべき」とギリギリまで執行部に公開を働き掛ける意向だ。

2009年07月19日 スポニチ
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独自の政権公約、マニフェストを作ったとしてもこれを配布することは公職選挙法に違反するのではないでしょうか?

公職選挙法第142条の2第1項がネックになります(下線部をご参照ください)。

選挙ポスター、チラシ、はがきに細かな字でびっしりと書くという方法もありますが、読まれないでしょう。

(パンフレット又は書籍の頒布)
第百四十二条の二  前条第一項及び第四項の規定にかかわらず、衆議院議員の総選挙又は参議院議員の通常選挙においては、候補者届出政党若しくは衆議院名簿届出政党等又は参議院名簿届出政党等は、当該候補者届出政党若しくは衆議院名簿届出政党等又は参議院名簿届出政党等の本部において直接発行するパンフレット又は書籍で国政に関する重要政策及びこれを実現するための基本的な方策等を記載したもの又はこれらの要旨等を記載したものとして総務大臣に届け出たそれぞれ一種類のパンフレット又は書籍を、選挙運動のために頒布(散布を除く。)することができる。
2  (略)
3  (略)
4  第一項のパンフレット及び書籍には、その表紙に、当該候補者届出政党若しくは衆議院名簿届出政党等又は参議院名簿届出政党等の名称、頒布責任者及び印刷者の氏名(法人にあつては名称)及び住所並びに同項のパンフレット又は書籍である旨を表示する記号を記載しなければならない。


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「脳死を一律死にしないで」=慎重な議論求める-移植法A案反対の遺族ら

「脳死を一律死にしないで」=慎重な議論求める-移植法A案反対の遺族ら

 臓器移植法改正でA案が衆院で可決されたことについて、反対する遺族や市民団体が18日午後、衆院議員会館で記者会見し、「脳死を一律に人の死としないで」などと訴え、参院での慎重な議論や廃案を求めた。
 「わたしは死体と寄り添っていたの?」。中村暁美さん(45)は本会議場で、長女有里ちゃんの写真を忍ばせ見守った。有里ちゃんは3年半前、原因不明の急性脳症に襲われ、医師から「脳死」を宣告された。しかし、「温かい体があり、成長する体がある」と、2007年9月に4歳8カ月で他界するまでの約1年9カ月にわたり付き添った。
 「心臓が動かなくなり、体が冷たくなって初めて家族は今旅立ったんだと感じた。脳死は死の宣告ではなかった」と語った。
 議員にも実体験を通じて理解を求めたが、「直前まで『迷っている』と言っていた議員が堂々とA案に投じていた」といい、「むなしさがこみ上げてきた。この瞬間から娘は無になってしまうのか」と涙ぐんだ。
時事通信(2009/06/18-18:41)

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私自身、「脳死=人の死」とすることの是非について結論は出ていないのですが、一弁護士として素朴に考えますと、

【相続】
 死亡により相続が開始します。脳死と判定されても、心臓や呼吸を機器によって続けている場合、脳死状態で呼吸している人体をしり目に相続や遺産分割の話が進むことになります。

【相続放棄】
 相続人が全員相続放棄をしたとします。その場合、脳死状態で呼吸している人体の世話(管理?)は誰がするんでしょうか?病院としても置きっ放しにされても困るでしょうし。

【殺人】
 脳死となった時点で遺体になります。まだ、脳死状態で呼吸をしている暖かい人体の首を絞めようが、動いている心臓を止めようが、 殺人とはならない(死体損壊等は成立するでしょう)、ということになります。
 同様に、脳死状態で呼吸をしている暖かい人体を捨てたとしても、死体遺棄にしかならないということになります。

【火葬】
 脳死状態で呼吸をしている暖かい人体を火葬場の炉の中に入れてもいいことになりそうです。

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【北朝鮮】青森県で保護された脱北者に関する法律上の論点とは?【脱北者】

今年の6月2日に青森県深浦町で見つかった北朝鮮からの脱北者と見られる外国人4人の取り扱いについて、法律上の論点を「Q&A方式」で整理してみました。便宜上、「出入国管理及び難民認定法」を「入管法」と表記します。


Q①:この4人の人たちは不法入国者ということになるのでしょうか?

A①:不法入国ということになると思います。何故ならば、上陸するに先立ち、緊急上陸(入管法17条)、あるいは、遭難による上陸(同18条)の申請はなく(多分)、同許可を受けているとは思えないからです。


Q②:「警察官職務執行法に基づき保護」との報道がありますが、これは、どのような制度なのでしょうか?

A②:警察官職務執行法第3条1項本文は、「警察官は、異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して 次の各号のいずれかに該当することが明らかであり、かつ、応急の救護を要すると信ずるに足りる相当な理由のある者を発見したときは、取りあえず警察署、病院、救護施設等の適当な場所において、これを保護しなければならない。」と定め、第1号は、「精神錯乱又は泥酔のため、自己又は他人の生命、身体又は財産に危害を及ぼすおそれのある者」、第2号は、「迷い子、病人、負傷者等で適当な保護者を伴わず、応急の救護を要すると認められる者(本人がこれを拒んだ場合を除く。)」と定めています。
   この場合、第2号が適用されたのでしょう。なお、いわゆる「トラ箱」の設置根拠は第1号になります。
   ちなみに、「保護」を理由とする身柄拘束の濫用を防ぐため、第3項は、「第1項の規定による警察官の保護は、24時間をこえてはならない。但し、引き続き保護することを承認する簡易裁判所(当該保護をした警察官の属する警察署所在地を管轄する簡易裁判所をいう。以下同じ。)の裁判官の許可状のある場合は、この限りでない。」と期間制限と、延長する場合に、簡易裁判所裁判官の許可状を要求し、さらに、第5項により、延長の期間の上限を5日間と限定しています。


Q③:一時庇護上陸許可を検討しているという報道もありますが、これはどのような制度なのでしょうか。

A③:入管法18条の2が認めている制度です。以下に、条文を紹介しておきますので、お読み下さい。ポイントは、上陸に申請が必要なことです。入管法18条の2は、船舶などにいる外国人からの申請を受けて許可をする制度であって、すでに不法上陸状態にある者が申請をすることは、条文の文言上難しいと思われます。
   筋論から言えば、難民認定手続について教示をした上で、仮滞在の許可(入管法61条の2の4)を与えるべきなのですが、難民手続きを適用してしまった結果、大量に脱北者が日本を目指してしまわれたは困るとか、脱北者のふりをした工作員を送り込まれては困るとか、色々と事情があったため、一時庇護上陸許可を検討という、法律上の理屈を若干曲げた上で、「政治的な判断」による対応を行ったのではないかと思います。
   なお、 北朝鮮帰国者の命と人権を守る会が、「拉致問題その他北朝鮮当局による人権侵害問題への対処に関する法律」(北朝鮮人権法)第6条2項の精神に沿って彼らを難民として保護することなどを求める声明を出しているようです。 

(入管法18条の2)
第18条の2 入国審査官は、船舶等に乗つている外国人から申請があつた場合において、次の各号に該当すると思料するときは、一時庇護のための上陸を許可することができる。
 一  その者が難民条約第一条A(2)に規定する理由その他これに準ずる理由により、その生命、身体又は身体の自由を害されるおそれのあつた領域から逃れて、本邦に入つた者であること。
 二  その者を一時的に上陸させることが相当であること。
(2以下は省略)

(北朝鮮人権法6条)
第6条 政府は、北朝鮮当局によって拉致され、又は拉致されたことが疑われる日本国民、脱北者(北朝鮮を脱出した者であって、人道的見地から保護及び支援が必要であると認められるものをいう。次項において同じ。)その他北朝鮮当局による人権侵害の被害者に対する適切な施策を講ずるため、外国政府又は国際機関との情報の交換、国際捜査共助その他国際的な連携の強化に努めるとともに、これらの者に対する支援等の活動を行う国内外の民間団体との密接な連携の確保に努めるものとする。
2 政府は、脱北者の保護及び支援に関し、施策を講ずるよう努めるものとする。
3 政府は、第一項に定める民間団体に対し、必要に応じ、情報の提供、財政上の配慮その他の支援を行うよう努めるものとする。

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【2ちゃんねる】2ch閉鎖?!

ユーザーショック…2ちゃんねる、再来週にも強制執行

ネット界激震!! 賠償命令を無視し続けてきた日本最大の掲示板「2ちゃんねる」(2Ch)の管理人、西村博之氏(30)の全財産が仮差し押さえされることが12日、分かった。債権者が東京地裁に申し立てたもので、対象となるのは西村氏の銀行口座、軽自動車、パソコン、さらにネット上の住所にあたる2Chのドメイン「2ch.net」にまで及ぶ見込み。執行されれば掲示板の機能が一時停止するのは必至だ。

 12日午前、仮差し押さえを申し立てたのは、西村氏に対して約500万円の債権を持つ東京都の会社員の男性(35)。

 男性は2Ch上で自身や家族の実名、住所を晒され、「人間の屑」「ネットストーカー」などと誹謗中傷されたため、昨年8月、管理人の西村氏を相手取り、東京地裁に書き込み者の情報開示を求める申し立てをした。

 西村氏が出廷してこないまま同9月に開示を命じる仮処分が出たが、何ら対応が得られないため、間接強制で1日5万円ずつ制裁金を科すこととなった。それでも西村氏の法廷無視は続き、決定から100日を経て債権は500万円に膨れあがった。

 夕刊フジ既報の通り、西村氏は一切の賠償命令を意識的に無視し続けている。昨年11月の講演会では「子供の養育費の踏み倒しと同じ。賠償金を払わせる方法はこれ以上ない。イヤなら法律をつくればいい」と強弁した。

 強気の背景には、何ら差し押さえられるはずがないという自信があるとされる。西村氏には固定資産がなく、給与の流れも不明なので、一般的な差し押さえは無理。弁護士が銀行口座を探り当てるなどしてきたが、西村氏も海外に資産を移すなど対抗策を講じてしまい、どの債権者も手をこまねいているのが現状だ。関係者によれば「(西村氏は)時効成立まで逃げ切るつもり」だという。

 男性も西村氏が所有する軽自動車の標識番号や銀行口座など、差し押さえられるものを何とか突き止めた。申し立てに際して周囲から「返り血を浴びる」「またネットでたたかれる」とたしなめられたが、「年収は1億円」とさまざまな媒体で放言する西村氏を見て意を決した。

 「被害者はみな、高い弁護士費用をかけながら賠償金を取ることもできない。当の西村氏は悠然と賠償命令を無視して億単位を稼ぎ、『賠償金が取れない法律に問題がある』と開き直っている。だから恨み言や批判を言うのはやめて、法律にのっとって被害者の痛みを少しでも知ってもらう」

 今後、西村氏の異議申立期間もあるが、これまでと同様に出廷しない場合、早ければ再来週にも強制執行が始まる。

 今回の仮差し押さえは、西村氏個人はもとより、1000万人ともされる2Chユーザーにも大きな影響を及ぼす公算が大きい。東京地裁の「値段がつくものは差し押さえ可能」との判断から、「日本国内では前代未聞」(ドメイン登録機関)とされるドメインの仮差し押さえも行われるからだ。

 手続きが進んでドメインの所有権が移り、2Chというサイトがネット上の住所を失ってしまうと、ユーザーが従来の「2ch.net」にアクセスしても、何ら閲覧できなくなる。

 運営側が掲示板の継続を望むなら、新たなドメインを取得して全システムを引っ越す必要があるが、「2Chはリスクを分散するため、50台ものサーバーが各自独立しており、全体を統括するサーバーがない。データの書き換えは容易でなく、引っ越しに2週間は必要だろう。さらに新ドメインを周知するのが大変だ」(IT業界関係者)。

 男性は「西村氏の収入源は2Ch上の広告なので、すぐに新しい掲示板をつくるだろうが、いたちごっこは望むところ。次は自分以外の債権者が同じ手段に訴えてくれるはず」と、泣き寝入り状態にある全国の債権者に共闘を呼びかける。

 元旦から全国紙に登場するなど注目度満点の西村氏だが、新春から手痛いしっぺ返しを食らうことになった。

ZAKZAK 2007/01/12
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法律家として、裁判所の判決すら平然と無視するひろゆき氏の法律無視の無責任な対応には極めて批判的です。法治国家である以上、裁判所の判決にしたがわない以上は、強制執行されるのも当然のことです。

しかし、本当に2ch.net というドメインを差し押さえて、「2ちゃんねる」を活動休止に追い込むことが出来るのか、法律実務家としては、幾つかの技術的な疑問が湧き上がってきます。

裁判所の間接強制の相手方は、誰なのでしょうか?
相手方がひろゆき氏個人であれば、差し押さえが可能になのは、原則として、ひろゆき氏名義の財産だけです。

確たる根拠はないのですが、2ch.net というドメインの登録者はひろゆき氏個人の名義ではなく、どっかの外国企業だった筈です。この場合、強制執行(差し押さえ)をしようとする者は、ドメイン名の登録者を相手取って訴訟を起こして判決を取らないといけません。第三者名義の財産を差し押さえることは不可能とはいいませんが、法律実務家として考えると、相当に難しいのではないかというのが実感です。

「差し押さえ」というと、差し押さえの紙がペタペタというイメージがありますが(※)、東京都の会社員の男性(35)が有している権利は、あくまでも「500万円払え」という金銭債権ですから、「差し押さえ」の目的は、あくまでも 2ch.net を換金して、その売却代金を500万円の支払いに充当する訳です。
換金の手続きは、競売です。ドメイン名の競売をして、買主(競落人)が決まり、代金が支払われたところで、名義の書換えをすることになるのですが、外国の会社が素直に日本の裁判所の判断を受け入れて名義の書換えに応じるかは疑問です。

(※)「壺」は既に差し押さえられているようです。このユーモアのセンスというか、即応の妙というかは、個人的には好きです。

第96条(封印等破棄)
公務員が施した封印若しくは差押えの表示を損壊し、又はその他の方法で無効にした者は、2年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処する。

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【画期的判決】<国旗国歌>学校強制に違憲判決 教職員401人が全面勝訴【日の丸】【君が代】

<国旗国歌>学校強制に違憲判決 教職員401人が全面勝訴

 卒業式や入学式などで、日の丸に向かって起立し、君が代を斉唱するよう義務付けた東京都教委の通達は違憲違法だとして、都立学校の教職員ら401人が義務がないことの確認などを求めた訴訟で、東京地裁は21日、原告全面勝訴の判決を言い渡した。難波孝一裁判長は「通達は不当な強制に当たり、憲法が認める思想・良心の自由を侵し、教育基本法にも違反する」と指摘。教職員らに従う義務がないことを確認したうえ、通達違反を理由にした処分の禁止や1人当たり3万円の賠償も都と都教委に命じた。都側は控訴する方針。
 判決は、国旗国歌の生徒への指導が有意義であることを認めつつ、懲戒処分などを背景に教職員に強制するのは「行き過ぎた措置」と明確に断じ、教育現場での日の丸、君が代を巡る訴訟で初めて違憲判断を示した。処分の「事前差し止め」を認めた判決は異例。全国各地の同種訴訟に大きな影響を与えそうだ。
 争われたのは、都教委が03年10月23日に都立の高校や盲・ろう・養護学校長あてに出した「入学式、卒業式等における国旗掲揚及び国歌斉唱の実施について(通達)」。都教委は通達に基づき、教職員に式典での起立などを命じる職務命令を出すよう校長に指示した。
 判決はまず、日の丸、君が代について「第二次大戦までの間、皇国思想や軍国主義の精神的支柱として用いられ、現在も国民の間で宗教的、政治的に価値中立的なものと認められるまでには至っていない」と指摘。「掲揚や斉唱に反対する教職員の思想・良心の自由も、他者の権利を侵害するなど公共の福祉に反しない限り、憲法上保護に値する」と位置づけた。
 通達については(1)斉唱などの具体的方法を詳細に指示し、校長に裁量を許していない(2)校長が出した職務命令違反を理由に、多くの教職員が懲戒処分などを受けた――などと認定した。
 そのうえで「通達や都教委の指導、校長の職務命令は、教職員に一方的な一定の理論や観念を生徒に教え込むことを強制するに等しい」として、教育基本法10条1項で定めた「不当な支配」に当たり違法と判断。「公共の福祉の観点から許される制約の範囲を超えている」として、憲法19条の思想・良心の自由にも違反すると結論付けた。
 さらに、通達に違反したことを理由にした懲戒処分は「裁量権の乱用に当たる」として今後の処分を禁止。「教職員は、従う義務がないのに思想・良心に反して職務命令に従わされ、精神的苦痛を受けた」として、退職者も含めて慰謝料を認めた。【高倉友彰】
 ▽原告団、弁護団の声明 思想・良心の自由の重要性を正面からうたいあげた判決で、わが国の憲法訴訟上、画期的だ。教育への不当・不要な介入を厳に戒めており、教育基本法改悪の流れにも強く歯止めをかける内容だ。
 ▽都教委の中村正彦教育長の話 主張が認められなかったことは、大変遺憾なこと。判決内容を詳細に確認して、今後の対応を検討したい。
(毎日新聞) - 9月21日21時50分
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私は、日の丸、君が代は、国旗及び国歌に関する法律が制定される以前から、国旗であり国歌であるという立場ですし、日の丸が国旗、君が代が国歌のままで構わないと考えています。それは、以下のような理由に基づきます。

確かに、歴史的な経緯を鑑みれば、日の丸、君が代が国旗、国歌として相応しくないという意見の理由も理性的には分からなくもありません。
しかしながら、子どもの頃に、アメリカで長く生活し、日本人学校ではなく現地校に通い、友達も殆んどアメリカ人、話す言葉も英語、という生活をしていると自分が一体何者なのかということを日常的に考えさせられます。これは、日本でずっと生活された人やある程度成長してから海外に行かれた人には分からない感覚だと思いますが、例えば、ニューヨークの国際連合本部前において日の丸の旗が翻るのを見て、あるいは、国際的な競技会などで君が代が流れるのを聞くたびに、自分が「日本人」であるというアイデンティティーを再確認し、アメリカに住み暮らそうとも、自分の五体と心は日本の風土と結びついていることを感じ、日本こそが「我が祖国」であるということを理屈抜きに実感してしまうのです。非常に不思議な感覚としか言いようがありませんが、日の丸、君が代以外を国旗、国歌としては受け止め難く思うのです(情緒的な意見で済みません)。

という訳で、日本の国旗=日の丸、日本の国歌=君が代、で全く構わないというか、他に考えられないというのが私の考え方です。

ただ、日の丸、君が代の押し付けには絶対反対します。日の丸を掲げろ、君が代を歌え、と強制することは間違いですし、その風潮がある限り、市民の反発を買うことは当然です。というか、僕自身も強い反発があります。日本は、思想良心の自由(特に、少数者の!)を初めとする人権を尊重する民主主義国家であり、国旗、国歌は日本という国のあり方を定めた日本国憲法の理念の象徴の筈です。幾ら公務員とは言え、懲戒処分による恫喝をちらつかせ、起立・斉唱を強制すること自体、国旗、国歌の理念に反するというのが私の意見です。「式での国歌斉唱などを積極的に妨害したり、生徒に国旗国歌の拒否をあおったり」する行為は、公務員である以上、規律違反に問われても仕方が無いのかも知れませんが、消極的に拒否することまでも取り締まるのは明らかに行き過ぎでしょう。日の丸、君が代は、掲げたい人が掲げ、歌いたい人が歌えばよいのです。

学校において、日の丸、君が代が国旗であり、国歌であるという知識そのものを教えることはともかく、「懲戒処分をしてまで起立、斉唱させること」は、明らかに行き過ぎであり、憲法19条の保障する思想・良心の自由に反することは、明らかです。今回の東京地方裁判所の判断は、非常にもっともな判断を端的に示した画期的な判決であり、高く評価したいと思いますし、どうせ、東京都は控訴してくるでしょうから、東京高等裁判所においても、さらには、最高裁判所においても同様の判断が示されることを強く願っています。

なお、小泉首相は、
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<国旗国歌>小泉首相が違憲判決に疑問
小泉首相は21日、入学式や卒業式で日の丸に向かっての起立や君が代斉唱を強制したことを違憲とした判決について「法律以前の問題じゃないでしょうかね。人間として、国旗や国歌に敬意を表すというのは」と述べ、疑問を投げかけた。思想・良心の自由については「裁判でよく判断していただきたい」と述べるにとどめた。
(毎日新聞) - 9月21日21時13分
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と述べていますが、「国旗や国歌」を法律で定めてしまった以上、法律に従うことを求めることは出来ても、法律で定めた内容について、「敬意を表す」ことを求めることは出来ないでしょう。法律に従うことを要求することは出来ても(上位規範である憲法に違反しないという大前提あり)、法律に定めた内容に「敬意を表す」ことを求めることは民主主義国家では許されないことです。

何故ならば、法律というのは、ある時点における多数派の民意の反映に過ぎず、別の考え方が多数派を占めるに至れば、改廃されるべきものだからであり、市民は、常に、法律について批判的に考える自由を有するからです。つまり、国民の持つ価値観は絶えず変化しており、今日の多数派が明日の多数派であるとは限らない以上、また、人間は試行錯誤を繰り返す存在であり、多数派の意見が常に正しいとは言えないという事実を素直に認めて国家の制度設計をしなくてはならないからです。

実は、国旗及び国歌に関する法律を制定してしまったことの弊害はここにあります。法律さえ変えれば、国旗・国歌も変えられることになったのです。非常に、極端な例を挙げれば、インターナショナルを国歌にし、「鎌トンカチと星」を縫い取りにした赤い旗を国旗にすることも可能になってしまったのです。何だかんだ言って、日の丸と君が代は、日本の国旗と国歌として世界的に認知されていますし、他に、国旗と国歌として相応しい候補がある訳でもありません。憲法的な習律として、そのままにしておけばよかったのです。
参照⇒杉浦法務大臣初登庁後記者会見

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【靖国神社】果たして小泉首相は憲法に違反せずに靖国神社に参拝することは可能か?

 私は、小泉首相による靖国神社参拝は、憲法違反であるという立場です。
 が、その前提の上で、果たして、小泉首相が政教分離原則に違反することなく、靖国神社に参拝できるかどうかという点を検討してみたいと思います。

 小泉首相は8月15日に靖国神社に参拝しました。小泉純一郎首相の参拝はモーニング姿で、本殿で行われています。昨年は、どのような意図か分かりませんが、スーツ姿で、一般人と同じく拝殿で参拝していましたが、一昨年以前と同様な形に戻ってしまいました。首相の靖国参拝をめぐる一連の訴訟において、最高裁が、憲法判断も公的参拝か私的参拝かについての言及することなく、原告側の上告を棄却したことも影響しているのかも知れません。
 ただし、最高裁判所が上告棄却という判断を示したことは、小泉首相の靖国神社参拝について合憲という判断を裁判所が示した訳ではありません。わが国には、国家の違法または不当な財務会計上の行為を市民が直接に問うことを認める訴訟類型がありません。原告らとしては、小泉首相の靖国参拝については、「信教の自由」という権利が侵害されたことを理由とする一般不法行為に基づく損害賠償請求訴訟を提起せざるを得ず、民法の不法行為の枠組みによる制約があり、結果的に憲法判断に踏み込まないまま門前払いされてしまっただけです。
 このあたりの、法律論については、拙ブログの以下の記事をご参照頂ければと思います。

小泉首相の靖国参拝はやっぱり違憲でしょう

 憲法20条3項は、「国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない」と定めています。1977年7月13日の津地鎮祭訴訟最高裁判決は、「宗教的活動」の意義について、「当該行為の目的が宗教的意義をもち、その効果が宗教に対する援助、助長、促進又は圧迫、干渉等になるような行為」を意味するという判断を示しています(いわゆる目的効果基準)。
 そうすると、憲法の条文と最高裁判決の枠組みの範囲内で考える場合、
要件①「国及びその機関」の行為について、
要件②目的が「宗教的な意義」を持ち、
要件③効果が「宗教に対する援助、助長、促進又は圧迫、干渉等」になる
という①②③の要件を全て満たす場合には、政教分離原則に違反するということになります。
 目的効果基準は、決して、政教分離の原則について、厳密に考える立場ではなく、むしろ、国家が宗教とある程度の関わり合いを持たざるを得ないことを前提とした「緩やかな分離」を志向するものです。


 要件①との関係で議論になるのは、「公的参拝」か「私的参拝」かという問題です。
 内閣総理大臣は「国の機関」であると同時に、一人の人間でもあるという側面もありますから、いずれの立場で参拝したのかという点が問題になります。「私的参拝」であれば、そもそも、「国の機関」としての行為ではありませんから、政教分離の問題は生じない訳です。政府側は訴訟において一貫して、「私的な参拝」と主張していますが、
① 小泉首相は参拝を公約にしている
② 参拝の記帳は「内閣総理大臣 小泉純一郎」
③ 首相自身が「内閣総理大臣である小泉純一郎として」参拝と明言している
④ 公用車を使っている
⑤ 首相の発言などから参拝の動機、目的は政治的なものとしか考えられない

という事実関係を見る限り、小泉首相の今回の参拝について私的な参拝という結論を導くのは難しいのではないでしょうか。
逆に言えば、献花代は私費で出し(今もそう)、公用車を使用せず、SPを伴わず、靖国参拝を政治的な公約にせず、参拝の記帳も個人名だけにして、一個人として参拝したことをはっきりと表明し、靖国参拝を政治的な争点にしないのであれば、私的な参拝というのもありえるとは思います。

 要件②は、要するに宗教的な目的が存在するのか、という点です。
 宗教的な目的が存在しない場合、例えば、首相が純粋に社会的な儀礼目的で参加している場合(結婚式や葬式など)には、要件②との関係で政教分離の問題は生じません。あと、宗教色が払拭され、単なる社会的な習俗になっている場合も、要件②は否定されます。無論、私人としての立場での参加であれば、要件①との関係で、政教分離の問題は生じません。
 神社に参拝する以上、礼拝の形式が正式な神道の礼式に則ったものかどうかは本質的な問題ではないでしょう。宗教団体である靖国神社の備える礼拝施設である靖国神社の本殿において、祭神に対し、拝礼することにより、畏敬崇拝の気持ちを表すことは、宗教的意義の強い行為としかいいようがないと思います。
 なお、神社神道は、日本の古俗であり、国民道徳の発露であるから、宗教には当たらないという見解も存在するようですが、少なくとも、裁判所は、神社神道が「宗教」であるという認識を自明視しており、それは、正しいと思いますので、この観点からの議論には立ち入りません。
 靖国神社に参拝する以上、要件②をクリアすることは難しいと思います。

 要件③は、効果が「宗教に対する援助、助長、促進又は圧迫、干渉等」となるかどうかです。
 この点については、
小泉首相の靖国参拝はやっぱり違憲でしょう
にも書きましたが、最高裁大法廷平成9年4月2日愛媛玉ぐし料事件判決において、最高裁は、地方公共団体による靖国神社や護国神社への玉串料等の奉納について「公共団体が特定の宗教団体に対して特別の関わりあいをもつことであり,宗教団体である靖国神社や護国神社が特別のものであるとの印象を一般に与えるもの」という判断を示しており、一国の首相が公的な立場で靖国神社を参拝する行為は、玉串料等の奉納よりも直接的に国家と靖国神社との関わりを顕示するものですからその効果が効果が「宗教に対する援助、助長、促進又は圧迫、干渉等」になることは否定できないのではないかと思います。
 要件③をクリアすることはやはり難しいでしょう。

 要件①、②、③のうち、要件②と③には、どうしても引っかかってしまいますが、目的効果基準は、要件①、②、③の全部に抵触した場合に、初めて違憲となるという緩やかな基準ですので、要件①との関係で、小泉首相が本気で私人としての参拝をする気があるならば、出来ない訳はありません。
 やはり、小泉首相は確信犯的に憲法を無視しているとしか言いようがありません。orz

New!
毎年この時期になると、小泉首相が靖国参拝をするかどうかで中国や韓国がお騒ぎになられますが、私は、首相による靖国神社への参拝は、基本的には、日本国憲法の定める政教分離のあり方に関する解釈の問題であり、あくまでも内政問題であるという認識です。隣国から指図されるべき問題ではないと思います。隣国として、意見を言うのは勝手ですが、両国共に、自国の行動と日本に対する行動が見事にダブルスタンダードなお国柄であることを踏まえて、大人らしく、礼儀を守って、ご意見を拝聴しておけばいいいと思います。ただし、中国と韓国の「内政干渉」がましい行為に腹を立てたからと言って、憲法を無視する口実にはなりません。その辺の区別を政治家も国民もつけて欲しいと思います。

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【護憲】【憲法記念日】憲法9条を残す意味を経験主義的に考える

人を分類する方法は色々ありますが、日本国憲法を改正すべきと考えるか、改正すべきではないと考えるか、という観点から分類した場合、私は、現行憲法を改正すべきではないと考えている護憲派です。
特に、憲法9条については、改正する必要はないと強く考えています。イデオロギーというよりも、歴史的な経験の問題として考えた場合に、憲法を改正する必然性がどこにも見えてこないというのが実感です。

① 憲法9条があるからこそ、アメリカという気まぐれかつ自己中心的な「親分」に引きずられて、戦争に巻き込まれずに済んでいる。
② 現代史の経験則上、軍隊を持っている国の方が戦争やテロに巻き込まれ易い。
③ 因果関係は不明であるが、軍隊のない日本の治安は非常に良い。
④ 軍隊を持っていた戦前の経済的な成長を、戦後の10年が上回っている。
⑤ 憲法が認めている人権制約の原理は「公共の福祉」(=人権と人権の抵触を調整する原理)だけであり、歴史上、国民の人権弾圧のために濫用されてきた上に、裁判所のチェックが及ばない「国防」、「国家の安全」などが存在しえない。

無論、これらのメリットを上回って、国民の利益になる「いいこと」があれば格別、「民族主義的な意識の高ぶり」とか「国家の誇り」とか「押し付け憲法論」とやらの一時的な感情の高ぶりから、これまでの歴史的な経験を無視して憲法を改正することこそが、「国益」に反すると思います。

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【司法改革】司法支援センター理事に2弁護士、法務・検察出身ゼロ

司法支援センター理事に2弁護士、法務・検察出身ゼロ
 今年4月に設立され、10月に業務を開始する独立行政法人「日本司法支援センター」の骨格が17日、明らかになった。

 執行部の理事は、寺井一弘・元日本弁護士連合会事務総長ら弁護士2人、元裁判官1人、経済界出身者1人の計4人で構成。全国50の地裁所在地に置かれる地方事務所に加え、事件数の多い11か所に支部を設け、民事、刑事両面のきめ細かい法律サービスを目指す。

 同センターは、司法制度改革で裁判員制度と並ぶ目玉の一つとして位置づけられている。各種の法的トラブルの相談受け付けや、民事事件の弁護士費用立て替え(法律扶助)を行うほか、裁判所に代わり国選弁護制度の運営も担う。

 理事長には金平輝子・元東京都副知事の就任が内定しているが、法務省所管の独立行政法人となることに、「刑事弁護の独立性を侵す」との根強い抵抗感が弁護士会の一部にあり、理事の顔ぶれが注目されていた。

 今回の人事は、理事長を補佐してセンターの運営にあたる理事の半数を弁護士とする一方、法務・検察出身者をゼロとし、弁護士会の意見を反映しやすくした形だ。

 寺井氏のほかの理事は、軍司育雄・元日弁連副会長、岩瀬徹・元前橋家裁所長、西川元啓・新日本製鉄常任顧問。岩瀬氏は東京地裁の裁判長としてオウム真理教事件などを担当した経験があり、西川氏は政府の司法制度改革推進本部で、「司法アクセス検討会」の委員を務めた。

 一方、支部が置かれるのは、東京・八王子、千葉・松戸、埼玉・川越、神奈川の川崎、小田原、静岡の沼津、浜松、愛知・岡崎、兵庫の尼崎、姫路、福岡・北九州の計11か所。いずれも過去に刑事・民事事件の件数が多いところで、職員数名を配置し、地方事務所と同じレベルのサービスを確保する方針だ。このほか、法律扶助のサービスに特化した出張所を、東京と大阪に計6か所設置する。

(2006年2月17日14時39分 読売新聞)

一見、まともな人選に見えなくもないですが・・・。

(0)西川元啓氏は、弁護士費用の敗訴者負担の導入を推進していた人物です。司法アクセスを阻害し、「強者のための司法」を推進していた人物を、司法支援センターの理事にするとは「悪い冗談」以外の何者でもありません。

(1)そもそも、法務省の上級幹部は検察官で占められていますし、国相手の訴訟の国側代理人となるのも検察官です。その法務省所管の独立行政法人が国選刑事弁護を運営するという点の違和感は小手先の人選では拭い去れるものではありません。

(2)司法支援センターには、民主的な意思決定機関はありません。
   「理事長=法務大臣の任命  理事 =理事長の任命」であり、「法務大臣→理事長→理事」という縦の統制が存在します。ちなみに、地方事務所の所長は「理事長」が任命するようです。「法務大臣→理事長→地方事務所長」という縦系列は地方組織においても存在します。

(3)弁護活動を日常的に規制する「業務方法書」「法律事務取扱規程(懲戒規定を含む)」「契約約款」 の制定と変更については、すべて法務大臣が認可することになっています。

(4)評価委員会が法務省に設置されます。

要するに、私選弁護人を雇えない人については、「官許の弁護活動」しか受けられないという現実には何も代わりがないのです・・・。(嗚呼)

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